シリンダヘッド
2サイクルエンジン・4サイクルエンジンの両者にシリンダヘッドはありますが、今回は現行の大半のバイクに使われている4サイクルエンジンのシリンダヘッドを説明します。
専門用語が多い為、嚙み砕いて説明します。厳密なシリンダヘッドについての定義等は別サイトでご確認下さい。
シリンダヘッドとは
シリンダヘッドは、吸気・排気をする為の部品です。
シリンダヘッドには、混合気をエンジンに取り入れる吸気バルブ、排ガスをマフラーへ排出する排気バルブ、バルブを動作させるカムシャフト、混合気・排ガスの通路であるポートがあります。
エンジンには大きく、クランクケース、シリンダー、シリンダーヘッドと3つのブロックがあります。
シリンダヘッドがその中で、最も複雑な形状をしており、エンジンの性能に直結する重要な部品です。
エンジンの簡単な仕組み
インジェクターやキャブレターから燃料を吹いて、それが吸気ポートを通り、燃焼室に入ります。ピストンが上がり、燃料と空気を圧縮してスパークプラグで点火し、爆発して排気ガスとなり、排気ポートを通り、マフラーへ排出されます。
4サイクルエンジンは、吸気・圧縮・爆発・排気と4工程ありますが、この4工程を実現させるのにタイミング良くバルブの開け閉めする必要あります。
シリンダヘッドは、4工程を実現させる為に必要な部品です。
カムシャフトによって、バルブガイドを通るバルブを押し、吸気・排気バルブ(画像のバルブ)を開閉します。
エンジンの性能を左右する重要な部品が、このシリンダヘッドで、DOHCやSOHCがあります。
DOHCは、Double Over Head Camshaft(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)の略で、カムシャフト2本あるエンジンです。
カムシャフトが、シリンダヘッドの上に二つある事から、Double Over Head Camshaftと呼ばれています。
SOHCは、Single Over Head Camshaft(シングルオーバーヘッドカムシャフト)の略で、カムシャフトが1本あるエンジンです。
豆知識
シリンダヘッドは、当初、鋳鉄製が使われていましたが、現在使われいるアルミ合金へと推移しました。
アルミ合金のシリンダヘッドは放熱性は高いですが、熱膨張が高いというデメリットがありました。
これにより、アルミ合金へ移り変わった当初は、シリンダヘッドが高温になると、通称、吹き抜けと呼ばれる、シリンダーとシリンダヘッドの間から圧縮された混合気・排ガスが漏れる症状が発生しました。
アルミ合金の素材改良とヘッドガスケットの材質の試行錯誤がされていき、吹き抜けの症状は改善されていきました。
モンキーやカブ等の小排気量のシリンダヘッドのカムシャフトには、軸受けにボールベアリングが使われています。
しかし、250cc以上のバイクには滑り軸受けになっており、これは、ボールベアリングでは耐久性が保てないからとされています。
滑り軸受けは、シリンダヘッドとカムホルダーで一体加工させて高精度で真円が保たれておりカムホルダーを取り付ける際は、外した位置と同じ位置に取り付けます。
別の位置についていたカムホルダーを取り付けるのは、整備する上で、タブーとされています。
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