冷却系の整備小技集

2020年7月18日小技集,サブ整備記事,冷却系

クーラントの色が茶色になってから交換では手遅れ

冷却水が腐食すると茶色くなります。リザーバータンクをみると、一見FULLとLOWの中間レベルまでありますが、中を覗いてみると、腐食して茶色いヘドロが付着しています。因みに、逆さまにしても中間レベルを指しています。(ヘドロが着色している)
高圧洗浄機のノズルを入れて、洗浄しても、細部までは綺麗になりません。勿論、エンジン内部・ラジエターにもこのヘドロが付着しています。ワコーズから「ラジエターフラッシュ」という洗浄ケミカルがラインナップされているので、そちらでフラッシングすると良いでしょう。リザーバータンクは汚れが気になればパーツのあるうちに交換しましょう。

サーモスタットの位置確認

サーモスタットが入っている箇所は、ハウジングがあり、ラジエターホースが繋がっています。ハウジングは丸い形状なので分かり易いかと思います。
サーモスタットとは、エンジンとラジエターの冷却水を繋ぐバルブです。冷却水は60度位までエンジン内を循環していて、60度位から徐々にサーモスタットのバルブが開いてラジエターに冷却水を送り込み、走行風でラジエター内の冷却水を冷やします。サーモスタットが故障して、常時開閉状態の場合はオーバークールかオーバーヒートを発生しますので交換しましょう。

ラジエターリークテスター

ラジエターホースを交換した際、バンドの締め付け不足やホースが合わない場合、冷却水が漏れる可能性が有ります。
冷却水を入れる前に、ラジエターリークテスターで、ウォーターラインに圧力を掛けて冷却水の漏れが無いか点検します。

コアガードを自家塗装で綺麗に

画像はラジエターのコアガード。
錆や塗装剝げが発生していると、気になるかと思います。簡単な塗装をご紹介します。

  1. 下地:サンドペーパー200番程度で錆を落とし、塗装面に傷を付ける
  2. 洗浄:霧吹きに食器用の中性洗剤を入れて、パーツに吹き付けて、ブラシで洗浄
  3. 脱脂:シンナーやパーツクリーナー、シリコンオフのいずれかで脱脂
  4. 乾燥:放置して乾燥させる
  5. 下地2:プラサフを吹いてサンドペーパーの傷を埋める
  6. 本塗り:2~3回ほど重ね塗りをする
  7. クリア塗装:保護・艶目的でクリア塗装をする。ガソリンに触れる場合は、ウレタン塗装必須。

剥離までする必要はありません。剥がれた塗装の段差を埋める為にペーパーで滑らかにしてあげて、プラサフを吹いて塗装すれば綺麗に仕上がります。
サンドブラストがあると、より便利。キャビネット型の吸い上げ式で、大きいコンプレッサーを使用すると良いでしょう。アストロプロダクツさんの落下式ブラストガンのレビューが高いので試してみましたが、威力が弱く時間が掛かり、小さい異物で詰まってしまいます。吸い上げ式がベストです。細々した所は、ブラストで簡単に錆取りから下地まで作れます。

締め付けタイプのホースバンドの選択

締め付けタイプのホースバンドは、主に画像のような2タイプがあるかと思います。左の帯状はホースに優しいですが結束力は劣ります。右のワイヤー状は、ホースに接触する箇所の劣化は早いですが結束力は優れます。
中華製のホースですと、フィッティングが悪く漏れが発生する場合があります。通常は帯状のホースバンドを使用して、漏れが発生するようならワイヤー上のホースバンドを使用すると良いでしょう。

ドカティ等のラジエターホースに使用されているクリップタイプは結束力が弱く漏れが発生する場合が有りますので、その際は締め付けタイプに交換すると良いでしょう。

 

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