ステアリング系の整備小技集

2020年7月18日小技集,サブ整備記事,ステアリング系

ブレーキフルードを入れると壊れるBMWのクラッチフルード

油圧クラッチには特殊なクラッチフルードが使われています。1150シリーズは確か専用のクラッチフルードです。1200はブレーキフルードかと思います。リザーバータンクキャップ上部に記載があるので確認しましょう。専用クラッチフルードにブレーキフルードを入れると、ゴム類を侵し、ブレーキフルードが漏れてくるので、クラッチラインをオーバーホールする必要があります。
青色なので、通常のブレーキフルードではないと気づくでしょう。

BMWのクラッチフルード交換

BMWのクラッチフルード交換は、国産とは違い、シート右下位の位置にホースが伸びています。シート下側(左より)もあります。
クラッチフルード交換する際、ニップルを後から取り付けた後、ホースを取り付けてフルード交換を行います。ニップルは、手の力で回るのでメガネレンチを使う必要はありません。
専用のクラッチフルードが必要な車種と、ブレーキフルードで良い車種がありますので、良く確認してから交換しましょう。

意外に紛失している車両が多い、クラッチピポットスクリューのナット

クラッチレバーの支点となっているピポットスクリュー、下をのぞき込んでみると、ナットが紛失している車輛が意外にあります。おそらく、どの車両も純正で取り付けられているかと思うのですが、紛失している場合はピッチの合うナットを取り付けてピポットスクリューを固定しましょう。

マスターピストンにグリス塗布でフィーリングアップ

ブレーキレバーは、マスターピストンへ弧を描くように押し込みます。水平に押し込む訳ではありませんので、マスターシリンダー内部・マスターピストンとレバー接触部が抵抗になります。そこで、グリスを塗布する事でスムーズにマスターピストンを押し込むことが出来ますので、グリスを塗布しましょう。
ブレーキレバーには、マスターピストンに接触する部分がスクリューのレバーが有ります。スクリューのを調整してレバー調整を簡易的に出来るようにする為のようですが、スクリューの先端がマスターピストンに接触すると、点接触になりますので、マスターピストンへの攻撃性が高く摩耗が著しく早いです。スクリューがマスターピストンに穴を開けて、マスターピストンが戻らずブレーキが制動した状態の車両もあります。もし、マスターピストンへ接触するのが、スクリューの場合はブレーキレバーの交換をお勧めします。純正形状に近いものもラインナップされているかと思いますので。

リザーバータンク内の負圧

リザーバータンクのダイアフラムがこのように凹んでいる場合は、リザーバータンク内が負圧になっているので、フィーリングが低下します。ブレーキフルードを補充して、ダイアフラムの凹みを直しましょう。
ブレーキフルードが減少している場合は、ブレーキパッドが減少している事になりますので、ブレーキパッド残量の点検もしましょう。

クラッチケーブルのワイヤリングミスをすると

クラッチケーブルのワイヤリングが間違い、ハンドルストッパーに挟まれて、被覆が剥げて水が浸入して錆た様子です。サービスマニュアルにケーブルやホース等のワイヤリング図がありますので、指定の位置を通さないとケーブルや配線を挟んだり、ハンドルを左に一杯切った際にクラッチケーブルが張ってしまいクラッチが切れた状態になる場合があります。クラッチケーブルは交換されている場合がありますので点検しましょう。

クラッチレバー可動部に注油しないと錆て摩耗する

クラッチレバーの可動部が錆ている状態です。グリスアップせずに使用を続けると、このようにサビて動作が渋くなります。レバー・ブラケット共に摩耗していきます。
可動部には、ワコーズのメンテルーブを吹くか、取り外して万能グリスを塗布しましょう。グリスの方が良いですが手間が掛かりますので可動部(ブレーキレバー、クラッチレバー、サイドスタンド、センタースタンド、チェンジペダル、フットペダル、フロントフォークのオイルシール、リアショックのインナーチューブとアウターチューブ間)にメンテルーブで注油しておくと良いでしょう。サスペンションのシール関係に気を使う方は、シリコンスプレーを使用すると良いでしょう。

フロントフォーク取り付け後は、アクスルシャフトを通して突き出し量を点検・調整

フロントフォークの突き出し量を点検する為に、アクスルシャフトを通して点検しましょう。スムーズに通らず反対側のフロントフォークに当たるようなら、フロントフォーク突き出し量の調整が必要です。

ブレーキフルードは劣化すると色が茶色に近づいていく

ブレーキフルードは基本新品時は透明で劣化すると黄色、茶色と色が変化していきます。着色されているブレーキフルードもあります。
ブレーキフルードだけは、走行距離に関わらず2年毎に必ず交換しましょう。劣化すると、沸点が下がりフルードが沸騰してエアが噛んだり、固形化したフルードによりエアが噛みブレーキが制動しなくなる危険性があります。

ワイヤー先端のタイコにもグリスアップ

タイコは可動部です。可動部は基本グリスアップして抵抗を減らす事でフィーリングアップにつながります。ワイヤーの潤滑だけでなく、タイコのグリスアップもお勧めです。多く塗布すると汚れが付着する可能性があるので、薄くで構いません。

 

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