燃料タンクの取り外し・取り付け方法
燃料タンクは種類によって固定の仕方が異なるので種類を確認した上で脱着を行いましょう。
燃料タンク脱着時には周辺のパーツに傷をつけないよう慎重に行い、不安な場合は入念にマスキングを行いましょう。
今回は燃料タンクの取り外し・取り付け方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 時間: 約5分
- 費用: 無料
- ショップ工賃: 約500円
- 難易度: ★☆☆☆☆
作業手順
燃料タンクの取り付け種類
引用:rampのブログ
タンク前側の固定ボルトあるいは固定器具を取り外すと、タンク後側にシャフトを支点に弧を描くように持ち上げるタイプです。
CBR1000RR・GSX-R1000R・YZF-R1等が該当します。
引用:born March
タンク前側がダンパーによって保持され、タンク後側の固定ボルトを取り外すと外れるタイプです。
ZRX400・CB400SF・GSX-400S等が該当します。
タンクの上部と下部が固定ボルトによって取り付けられているタイプです。
CBR400RR・ZXR400R・FZR400R等が該当します。
どの取り付け種類に関しても、タンクの上部・下部の固定ボルト・器具を確認して頂けると固定されている仕組みが分かるかと思います。
1.燃料タンクの取り外し
シートを取り外しましょう。
シートはキーシリンダーにキーを差し込んで回す場合と、シートカウルに直付けされている場合と、シート上部あるいは下部から固定ボルトで取り付けられている場合があります。
詳しくは、シートの取り外し・取り付け方法をご覧下さい。
タンク上部の固定ボルトを取り外しましょう。
工具がタンクに接触して傷付かないよう注意しましょう。
燃料コックレバーを"OFF"に設定しましょう。(刻印:OFF/ON/RES)
負圧コックの場合は"ON"に設定しましょう。(刻印:ON/PRI/RES)
燃料コックの中にはコックレバーが取り外し可能な製品があります。
燃料コックレバーの中心を覗いてみると、固定ネジが取り付けられている事が分かるかと思います。
燃料コックがOFF(負圧コックならON)になっている事を確認の上、固定ネジを緩めてコックレバーを取り外しましょう。
燃料ホースのホースクリップを取り外した後、燃料ホースを取り外しましょう。
少量の燃料が漏れてくるのでウエスで受け止めましょう。
燃料コックによっては2本以上のホースが出ている場合があるので全て取り外して下さい。
シールはずしドライバーを燃料コックとホース間に噛ませて、てこの原理でホースを押し出すように力を加えるとホースを傷つけずに取り外すことが出来ます。
※ホース取り外し時の注意点として、プライヤーやラジオペンチで挟んで取り外ししてはいけません。
ホースに亀裂が入り燃料が漏れるほか、ジョイント部分が変形したり樹脂製のジョイントだと容易に破損してしまいます。
燃料ホースに関わらず、ラジエターホース等のホース全般にプライヤー等のペンチ類は使用できませんので注意しましょう。
燃料タンクを取り外しましょう。
タンクをハンドルやカウルステーに当てて傷が付かないように注意を払って取り外しましょう。
外装類の脱着は目に見える箇所なので特に注意が必要です。
整備に不慣れな場合は養成テープでタンク下部の縁と対象のフレーム側にマスキングしておきましょう。
クッションがある場合は取り外しましょう。
クッションが取り付けられていることを知らず紛失してしまう、もしくは既に紛失して取り付けられていない場合があるので中古車は一度パーツリストで確認してみると良いでしょう。
燃料タンクに傷が付かないようにダンボール等の上に置きましょう。
燃料コックで燃料タンクを支える状態になる場合は、燃料コックが破損する可能性があるのでプラスチックハンマーを座りのよい箇所に噛ませましょう。
長時間保管して置く場合はゴム板などを噛ませておくと良いでしょう。
2.燃料タンクの取り付け
カウルステー等に接触して傷が入らないよう注意しながら燃料タンクを取り付けましょう。
燃料タンクの固定ボルトを締め付けましょう。
クッションがある場合は取り付けましょう。
燃料ホースを燃料タンクに取り付けた後、ホースクリップを取り付けましょう。
取り付けが不十分だとガソリンが漏れ、最悪マフラーから発火する可能性があるので燃料ホースをジョイント根元までしっかり取り付けましょう。
燃料ホースに亀裂がある場合は基本交換ですが、応急処置として亀裂発生部分をニッパで切り取る事で再利用できます。
燃料コックレバーを取り付けましょう。
樹脂製のコックレバーの場合は締め付け過ぎると破損する可能性があるので適度に締め付けましょう。
コックレバーの取り付けに違和感がある場合は、コックレバーの溝が燃料コック側の突起と噛み合っているか確認しましょう。
噛み合っていない状態で取り付けるとコックレバーが破損したり、走行中に脱落する可能性があります。
また、上下反対に取り付けてしまうとRESに設定しても実際はONの状態になりガス欠になる可能性があるので注意しましょう。
燃料コックをONにして燃料の漏れが無いか確認しましょう。
まとめ
- 燃料タンク取り外し時、燃料コックレバーが取り外し可能であれば取り外す。
- 燃料タンク取り外し時、燃料タンクやカウルステーなどに傷をつけないよう慎重に取り外す。
- 燃料タンク保管時、段ボールの上に置き燃料コックが地面と当たらないようプラスチックハンマーや廃タイヤの上に置く。
- 燃料タンク取り付け時、燃料タンクやカウルステーなどに傷をつけないよう慎重に取り付ける。
- 燃料コックレバー取り付け時、取り付け向きを間違わないように注意する。
Q&A
- 燃料タンクを保管しておいたら、燃料が漏れてきたのですが何故でしょう?
- 燃料コックが閉まっていても燃料タンク内の圧力が高まると排出用の穴から燃料が出てくる場合があります。対策として、燃料キャップを開けて内部の圧力を抜いてあげた後、なるべく気温の低い場所で保管しましょう。タンクキャップを開けっ放しにしておくと、ガソリンは揮発して無くなるので注意しましょう。
- 負圧コックとは何でしょう?
- 燃料コックには負圧コックと呼ばれるタイプがあります。
負圧コックは負圧コック内に一方通行のバルブが備わっている燃料コックで、仕組みは以下の通りです。- “ON":エンジン内のピストンが下がる際の圧力が発生した際に、負圧コック内のバルブが開いて必要量だけ燃料を吸い出す機能です。
- “RES(リザーブ)":ON機能のまま予備燃料を吸い出す機能です。
- “PRI(プライマリー)":常時燃料を排出する仕組みです。吸い出し口はRESから吸い出されます。
- 燃料コックには負圧コックと呼ばれるタイプがあります。
- 燃料を吸う仕組みを教えて下さい。
- 燃料コックが破損してしまったのですが、純正部品で在庫が無いといわれました。なにか対策はありませんか?
- 中古部品をヤフオクなどで探す方法があります。
新品で欲しい方は、別ルートで入手可能な場合もあるので質問ボタンからご連絡下さい。
- 中古部品をヤフオクなどで探す方法があります。
- タンクに傷が入ってしまったのですが、いくらくらいで直せるでしょう?
- 度合いにもよりますが、小さい剥がれ傷で元通り綺麗に修正するなら15,000円は見ておくと良いでしょう。小さい傷でもその部分だけを塗装するわけではなく、その周辺にわたりぼかして目立たなくしていくので費用は意外とかかります。業者にもよりますが、単色で全塗装なら大体30,000円を目安にして下さい。あと、車の塗装とバイクの塗装は異なるので車の塗装屋に行っても断られる場合があるので注意しましょう。バイクショップに依頼すれば多少の手間賃は取られますが引き受けてくれるでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
RC30のガソリンタンクキャップの固着により開けることができません カギを壊して開けようと思いますが代用品は有りますか?純正の共用品があれば教えてください。
コメント頂きありがとうございます。
RC30のガソリンキャップは、HONDAに多く使われているタイプかと存じます。
パーツリストをご購入頂いて、部品番号をピックアップして教えて頂けますとお調べ致します。当時の物が無くても、後継部品として出ている場合があります。後継部品が無ければ廃盤となります。
廃盤の場合、中古部品をオークションサイト等で探して取り付けるのが一般的です。
現在の燃料タンクキャップのキーを、ホームセンターでスペアキーを作ります。燃料タンクキャップの鍵穴等に浸透潤滑剤を充分に注油します。その際、ハンマーで叩いて衝撃を与えます。
そして、スペアキーを鍵穴に差し込んで回します。手で回して、回らず尚且つ、鍵が変形しないようなら、モンキーレンチを使用して、根本付近を挟んで回します。鍵が変形するようなら無理ですが、それで回る場合がありますので、ダメ元でお試し頂くのも良いかと思います。