使用済みガスケットの再利用基準

2020年7月17日サブ整備記事,吸気&排気系

使用済みガスケットでも使用できる場合あり

液体ガスケット 灰色

使用済みのエキゾーストガスケット。取り外して、液体ガスケットを塗布すれば再利用可能な場合もあります。
取り付けたら、1日程度(指定時間)待機してから、エンジンを始動して排気漏れがないか点検しましょう。排気漏れしていなければ再利用可能です。
2サイクルエンジンの場合は、オイルが浸透して漏れる可能性が高まりますが、再利用も可能です。
マフラーを取り付けたら、外装は付けずに1日まで放置しておき、その後、エンジン始動して排気漏れをしていないか点検し、OKなら外装を取り付けましょう。

誤解

エキゾーストガスケットは、取り付けられていないと誤解される方もいらっしゃるようでした。エキゾーストガスケットは、必ず取り付けられています。大抵、画像のようにシリンダヘッドやマフラー側に張り付いておりますので、よく見て頂いて、もし本当に取り付けられていないようでしたら、パーツリストで確認して純正部品を取り寄せましょう。

尚、マフラーには2つのガスケットが使用されている場合があります。エンジンとマフラー間、エキゾーストパイプとサイレンサー間です。
エキゾーストパイプとサイレンサー間は、ガスケットが取り付けられていない場合があります。

エキゾーストガスケットは、純正部品より社外部品の方が安価

エキゾーストガスケットは、社外品のほうが安価に入手可能かと思います。
キタコの製品が安価で信頼性もあるのでお勧めです。

サイズを調べるのが面倒な方は、純正部品がお勧めです。

Oリングの再利用について

Oリングは経年により潰れたり、千切れますので、再利用は基本行わず交換しましょう。200~300円弱で入手できるはずです。
但し、新品に交換してから間もない場合は、再利用は可能です。例えば、キャブレターセッティングをする場合がそれに当たります。
キャブレターの場合、フロートチャンバーの溝ににOリングを入れて、真横から覗いてみて下さい。フロートチャンバーよりOリングが盛り上がっていたら再利用は可能です。際どい場合は、交換がお勧めです。

Oリングは、ゴムですので再利用には紙ガスケットより寿命が短いと言えるでしょう。
キャブレター等の主要なOリングでしたら、メーカーもストックは多いのですが、エンジン内部の特殊な形状のOリングは廃盤の場合もあります。
経験上ですが基本、丸型のOリングは在庫があるようですが、特殊形状のOリングは在庫が少ないように感じます。
因みに、Oリングとは、丸だけでなく、複雑な形をしても最終的に始点に帰ってくればOリングと表現します。

液体ガスケットの使用について

Oリングは、通常液体関係の通路に使用するかと思います。エンジンオイル、冷却水、燃料、ブレーキフルードです。その場合、液体ガスケットを使用すればよいとお考えの方もいらっしゃるでしょうが、基本液体ガスケットの使用は控えた方が良いでしょう。理由は、通路が詰まると不具合が発生する可能性があるからです。
エンジンなら、オーバーヒートや、ブロー、燃料系なら、ジェット類の詰まり、ブレーキが効かない等の可能性があります。

もし、液体ガスケットを使用する場合はエンジンオイル、燃料、ブレーキフルードの箇所には、耐油性の液体ガスケットを使用しましょう。
耐油性でないと、溶けて詰まりの原因になります。実際、キャブレターに液体ガスケットを使用した形跡があり、耐油性で無いものなので溶けてジェットが詰まっていたことがあります。
有名所のワコーズのガスケットメイクも営業の方に確認を取ったところ、耐油性では無いと回答がありました。必ず取り扱い説明書に「耐油性」と記述があるものを使用しましょう。

シリコングリスの使用について

Oリング取り付け時に負荷を減らし、溝にはまり易くする為にシリコングリスを塗布する方がいらっしゃるかもしれません。とても賛成です。
しかし、シリコングリスを多く塗布すると、溶けて詰まりの原因になります。ですので、シリコングリスを塗布する際は、極薄く、オス側に塗布しましょう。メス側に塗布すると、オスを差し込んだ際にシリコングリスが押し出されてラインに入り込む可能性があります。オス側なら手前でて来ることはあっても、入り込み難いです。
極少量をオス側に塗布を覚えておくと良いでしょう。