バイクのブレーキレバー交換方法
ブレーキレバー交換をする際はブレーキレバーのフィーリング向上・寿命を抑えるために、各部の清掃・点検・グリスアップを忘れずに行いましょう。
加えて、マスターシリンダーピストンとブレーキレバーとの接触面にグリスを塗布する事で摩擦を減らしてフィーリングの向上・マスターピストンの寿命向上が期待できます。
今回はブレーキレバーの交換方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 時間: 約10分
- 費用: 約1,000円~7,500円
- グリス(万能グリス):約500円
- ブレーキレバー:約1000円~7000円
- ショップ工賃: 約1000円
- 難易度: ★☆☆☆☆
お勧めのブレーキレバー
ブレーキレバーの位置が変えられるタイプがお勧めです。
ブレーキレバーはグリップを握った際に人指し指と中指の第一関節がブレーキレバーに掛かるように握ると力が入り易いので、調整できるブレーキレバーがお勧めです。
社外品のブレーキレバーというと純正の雰囲気を壊してしまうイメージがあるかもしれませんが、統一感あるデザインのブレーキレバーもあります。
作業手順
1.ブレーキレバーの取り外し
ブレーキレバーの固定ナットを取り外しましょう。
ブレーキレバーはピポットボルト1本で保持されており、ピポットボルト下部に固定ナットが取り付けられています。
ブレーキレバーのピポットボルトを取り外しましょう。
ボルト頭に合ったマイナスドライバーを使用して反時計回りに回して取り外しましょう。
2.清掃
ブレーキレバーをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
ウエスを尖らせてブレーキレバーのボルト穴を清掃すると綺麗に古いグリスを除去できます。
ピポットボルトをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
ブレーキレバーブラケットをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
細部まで汚れを除去するには、シールはずしドライバーにウエスを巻き付けてパーツクリーナーをウエスに吹き付けて使用すると清掃し易いです。
ブラケットが汚れていてはブレーキレバー取り付け時に汚れが付着してしまうので忘れずに清掃しましょう。
3.点検
指の腹でピポットボルトを撫でで段付きの点検を行います。
段が付いているようなら交換しましょう。
サービスマニュアルにブレーキレバーとブラケットとピポットボルトにグリス塗布の指示の記載が無いサービスマニュアルがあり、DIYで交換した際にグリス塗布をされておらず各パーツが摩耗している場合があります。
4.ブレーキレバーの取り付け
ブレーキレバーの可動部に万能グリスを塗布しましょう。
グリスを塗布する位置が分からない場合は全体に塗布し、ブレーキレバーをブラケットに取り付けた後に余分なグリスを除去すると良いでしょう。
マスターピストンと接触する箇所とブレーキランプスイッチと接触する箇所に薄く万能グリスを塗布しましょう。
グリスを塗布するとスムーズかつしっとりとした動きになり、抵抗が少なくなるのでブレーキレバーの寿命も向上します。
ブレーキレバーが可動するブラケット側に万能グリスを塗布しましょう。
マスターシリンダーピストンに万能グリスを塗布しましょう。
ブレーキレバー・ブラケットの穴を合わせてからブレーキレバーピポットボルトを挿入します。
マイナスドライバーを使用してピポットボルトを取り付けましょう。
軽く締め付ける程度で問題ありません。
ピポットボルトにナットを取り付けましょう。
マイナスドライバーを使用してピポットボルトを押さえながら、固定ナットをトルクレンチで指定トルクで締め付けましょう。
マイナスドライバーで押さえずにトルクレンチを使用しても空回りしてしまう為、締め付けることができません。
ブレーキレバーに付着した余分なグリスを除去しましょう。
グリスが飛び出ているとダストを拾ってしまい汚れてしまうので注意しましょう。
まとめ
- ブレーキレバー取り外し後、ブラケット・ブレーキレバー・ブレーキレバーピポットボルトの清掃を行う。
- ブレーキレバー取り付け前、ブレーキレバー・ピポットボルト・ブラケット・マスターシリンダーピストンにグリスアップを行う。
Q&A
- ブレーキレバーのフィーリングがゴリゴリとした感触がするのですが取り付けミスでしょうか?
- 可動部を清掃した後に万能グリスを塗布しましょう。それでも改善しない場合は、ブレーキレバーとブラケットに極度な摩耗が無いか目と指で確認しましょう。グリスが切れた状態で使用し続けるとブレーキレバー・ピポットボルト・ブラケットが摩耗してフィーリングがそのような状態になる可能性があります。また、稀にピポットボルトが通常の全ネジのボルトが取り付けられている場合があるので、必ず純正品を取り寄せて使用して下さい。
それで改善しない場合は、ブレーキマスター側に不具合があると思うのでブレーキマスターのオーバーホールしてみましょう。
- 可動部を清掃した後に万能グリスを塗布しましょう。それでも改善しない場合は、ブレーキレバーとブラケットに極度な摩耗が無いか目と指で確認しましょう。グリスが切れた状態で使用し続けるとブレーキレバー・ピポットボルト・ブラケットが摩耗してフィーリングがそのような状態になる可能性があります。また、稀にピポットボルトが通常の全ネジのボルトが取り付けられている場合があるので、必ず純正品を取り寄せて使用して下さい。
- サービスマニュアルに万能グリス塗布の記載が無いのですが、ブラケットとブレーキレバーに万能グリスを塗布すべきですか?
- サービスマニュアルにグリス塗布の指示が無い場合でもグリスを塗布しましょう。
金属同士で多頻度で可動する箇所なので、グリスが切れた状態で可動するとブレーキレバーとブラケットが摩耗してしまいガタつきが発生するので注意しましょう。
- サービスマニュアルにグリス塗布の指示が無い場合でもグリスを塗布しましょう。
- マスターピストンにグリスを塗布していますが塗布する理由はなんでしょう?
- ブレーキレバーはピポットボルトを中心に弧を描くのでマスターシリンダーピストンにも弧を描くように力が加わります。これによりマスターピストンに垂直に押しているのではなく斜めに力が加わった状態で押している事になるので少しでもブレーキレバーとマスターシリンダーピストンとの摩擦を低減させて斜めに加わる力を抑える為にグリス塗布を行います。
ブレーキ簡単用語解説
- ブレーキパッド:ブレーキディスクと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。キャリパーに装着されている。
- パッドスプリング:ブレーキパッドにテンションを与えブレーキパッドの脱落防止の役割。
- パッドピン:ブレーキパッドを保持する役割。
- ピンプラグ:パッドピン脱落防止の栓
- シム:ブレーキの鳴き防止とブレーキフルードへの断熱の役割。
- ブレーキディスク:ブレーキパッドと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。ホイールに装着されている。
- ブレーキキャリパー:ブレーキパッドをブレーキディスクへ押さえつける役割。
- キャリパーピストン:ブレーキパッドを押す
- ダストシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、雨水やほこりをキャリパー内に入り込ませない役割。
- オイルシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、キャリパー内のブレーキフルードを留めておく役割。
- リザーバータンク:ブレーキフルードを一時的に保管する場所。ブレーキフルードが減少すると外から空気が補充して常に大気圧をちブレーキフィーリング低下を防ぐ。
- ブリーダー:ブレーキフルード交換時にブレーキフルードを排出する役割。
- ブレーキマスター:ブレーキフルードを圧送する役割。
- ブレーキレバー:ブレーキマスターのピストンを押し、ブレーキマスターを機能させる役割。
- テールランプ::後続車へ走っている事を知らせる車体後方のライト。
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