バイクのクラッチレバー交換方法
クラッチケーブルのアジャスターを調整する度にアジャスターの溝とクラッチワイヤーがこすれ合って鉄粉が発生するのでクラッチレバー交換時は可動部のグリスアップ前に清掃を行いましょう。
今回はクラッチレバーの交換方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 時間: 約5分
- 費用: 0円~約2,000円
- グリス(万能グリス):約500円
- クラッチレバー:約1,500円
- ショップ工賃: 約500円
- 難易度: ★☆☆☆☆
作業手順
1.クラッチレバー取り外し
アジャスター固定ナットをアジャスター側へ時計回りに回して緩めましょう。
緩まない場合はプライヤーを使用しましょう。
アジャスターをブラケット側へ締め付けましょう。
アジャスター・固定ナット・ブラケットの各溝を直線上に合わせましょう。
揃えた溝からクラッチケーブルを取り外します。
ピポットボルトを取り外しましょう。
マイナスドライバーがブラケットに接触すると塗装が剥げ易いので接触しないように注意しながら取り外しましょう。
クラッチレバーを赤矢印の方向に傾けて保持しましょう。
クラッチケーブルを赤矢印方向に引くとクラッチレバーが外れます。
溝が直線状になっていない状態で無理にクラッチレバーをこじりながら外すとクラッチワイヤーが解れる場合があるので注意しましょう。
クラッチレバーを裏返してクラッチワイヤーを手前に引いて取り外しましょう。
これでクラッチレバーとクラッチワイヤーが分離します。
クラッチワイヤーアジャスターを反時計回りに回して取り外しましょう。
2.清掃
クラッチレバーをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
ピポットボルト穴・クラッチワイヤー溝は綿棒にパーツクリーナーを吹き付けて清掃すると良いでしょう。
ブラケットをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
ブラケット内にはクラッチレバーのスイッチがあると思うので破損させないよう注意しましょう。
細かい箇所は綿棒にパーツクリーナーを吹き付けて清掃すると良いでしょう。
クラッチワイヤーアジャスターをパーツクリーナーと綿棒で清掃しましょう。
綿棒が太すぎる場合は引きちぎって小さく丸めましょう。
クラッチケーブルのタイコ部分(先端)をパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
ピポットボルトをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
3.点検
ピポットボルトの段付きがあるか指の腹で触って点検しましょう。
段が付いている場合は交換しましょう。
クラッチワイヤーにほつれがないか点検しましょう。
ほつれている場合は交換しましょう。
クラッチワイヤーが解れると終いには断線しクラッチが切れなくなることで事故を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
4.グリス塗布
クラッチレバーに万能グリスを塗布しましょう。
ピポットボルト穴・クラッチワイヤー溝に綿棒を使い万能グリスを塗布しましょう。
万能グリスを塗布する位置が分からなければ可動部と思われる箇所全体に塗布し、クラッチレバー取り付け後にはみ出た余分なグリスを除去しましょう。
綿棒に万能グリスを塗布してブラケットの内部全体に塗布しましょう。
クラッチワイヤーアジャスターにも万能グリスを綿棒で塗布しましょう。
綿棒が太すぎる場合は引きちぎって小さく丸めましょう。
クラッチワイヤーの露出しているワイヤーとタイコ(クラッチワイヤー先端部分)に万能グリスを塗布しましょう。
ピポットボルトに万能グリスを塗布しましょう。
5.クラッチレバー取り付け
アジャスターと固定ナットをブラケットに取り付けましょう。
アジャスターと固定ナットとブラケットの各溝を直線状に合わせましょう。
クラッチワイヤーをクラッチレバーに取り付けましょう。
クラッチレバーを裏返してクラッチアジャスターにクラッチワイヤーを押し込みます。
クラッチレバーをブラケットに挿入します。
ブラケットとクラッチレバーの各穴を合わせます。
ピポットボルトを先の穴に取り付けましょう。
マイナスドライバーがブラケットに接触すると塗装が剥げ易いので接触しないように注意しながら取り付けましょう。
まとめ
- クラッチレバー取り外し時、ピポットボルトを取り外してアジャスターをブラケット側に締め付けた後、アジャスター・固定ナット・ブラケットの溝を直線状に合わせてからクラッチレバーを取り外す。
- クラッチレバーピポットボルトの取り外し・取り付け時、ドライバーがブラケットに接触して塗装が剥げないように注意する。
- クラッチレバー取り付け前、クラッチレバーとブラケットの可動部に万能グリスを塗布する。
Q&A
- クラッチワイヤーが解れてしまったのですが交換すべきですか?
- 1,2本解れて直ぐにワイヤーが切れる可能性は低いと思いますが交換するのが望ましいです。
クラッチレバー取り外し・取り付け時にアジャスターなどに接触した状態で無理にクラッチレバーをこじりながら外すとクラッチワイヤーが解れる場合があるので注意しましょう。
- 1,2本解れて直ぐにワイヤーが切れる可能性は低いと思いますが交換するのが望ましいです。
- クラッチワイヤーがクラッチレバーから取り外せないのですがどうすれば良いでしょうか?なにか引っかかっているような感じです。
- おそらくクラッチワイヤーの先端のタイコの外側の覆っている箇所が広がってしまっているか、タイコがある方向にテンションが掛かった状態にあると思います。
クラッチワイヤーを上下左右に揺すりながら取り外してみましょう。それで外れない場合は精密ドライバーのマイナスでクラッチレバーのワイヤーが通る溝からアプローチしてみて下さい。外れた後タイコが変形しているようならペンチで修正するか、無理そうならクラッチワイヤー(クラッチケーブル)を交換しましょう。
- おそらくクラッチワイヤーの先端のタイコの外側の覆っている箇所が広がってしまっているか、タイコがある方向にテンションが掛かった状態にあると思います。
- クラッチレバーのスイッチとは何でしょうか?
- エンジン停止状態でギアが1速にはいっている状態でセルフスターターを押してもセルモーターは回りませんがクラッチレバーを握るとセルフスターターは機能するようになりますよね。クラッチレバーのスイッチは1速に入っていても安全にエンジン始動できる安全装置です。構造は単純な機械式でスイッチを押すと導通して、離すとスプリングの力で導通が無くなる(遮断される)仕組みです。
- 色々な整備で綿棒が出てきていますが、結構必須アイテムですか?お勧めの綿棒はありますか?
- 整備において必須ではありませんが、個人的には綿棒は狭い箇所の清掃やグリス塗布が出来るので非常に重宝して便利なので紹介させて頂いてます。お勧めの綿棒は特にありません。
- ピポットボルトをホームセンターで売られている全ネジのボルトにしたのですがピポットボルトに交換した方が良いでしょうか?
- ピポットボルトに交換した方が良いですね。全ネジのボルトを使うとおそらくサイズも合わないと思いますしクラッチレバーのフィーリングも低下していると思います。クラッチレバーが摩耗し易くなりガタつきも大きくなってクラッチレバーとブラケットの寿命を縮めるので交換する事をお勧めします。
- DUCATIなのですがクラッチレバーのピポットボルトが無いようで結束バンドで留まっているのですが不味いですよね?
- 本当に結束バンドで留まっているのならそれは大変危険なのでピポットボルトに交換するべきです。
しかし、中には中空ボルトのものがありクラッチレバーの下側を覗いてみるとナットで固定されている場合があります。そのナットが通常のナットではなくスプリングのような特殊なナットで強く締め付ける事が出来ず脱落したら危険なので結束バンドを使い念のため外れたときの保険で付いている場合があります。再度クラッチレバーの下側にナットで固定されていないか確認してみましょう。
- 本当に結束バンドで留まっているのならそれは大変危険なのでピポットボルトに交換するべきです。
- クラッチワイヤーと記述するのではなくクラッチケーブルではないのでしょうか?
- 検索される方はクラッチワイヤーと検索される方が多いのでそちらのキーワードで記述させて頂きました。
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