4サイクルエンジン(4st,フォースト)とは

2020年7月17日バイクパーツ用語解説

4サイクルエンジンとは

出典:wikipedia

4サイクルエンジンとは、4ストロークサイクルエンジンの事で、吸気、圧縮、燃焼(爆発)、排気の4工程を繰り返して動力を発生させています。

レシプロエンジンとは

上下運動を回転運動に変えているエンジンをレシプロエンジンといいます。2000年以降の大半のバイクは、このレシプロエンジンです。4サイクルエンジンは、4st,フォースト,4ストロークエンジン等とも呼ばれています。

ロータリーエンジンとは

4サイクルエンジンの中で、吸入、圧縮、燃焼、排気の4工程を直接回転運動に変えているエンジンをロータリーエンジンといいます。
車の場合、マツダのRX-7が有名ですが、実はバイクはスズキがロータリーエンジンのバイクを作っていました。1972年頃のバイクで、車種は、RE-5です。REは、おそらくRotary engine(ロータリーエンジン)の略でしょう。

上死点と下死点

上死点とは

ピストンは、吸気、圧縮、燃焼、排気の4工程を上下運動によって繰り返しています。ピストンが上がった最も高い点を上死点といいます。圧縮と排気の2工程に上死点を迎えます。それぞれ、圧縮上死点、排気上死点といいます。
整備時は、エンジンをオーバーホールする際に、圧縮上死点に合わせてから分解を行います。

下死点とは

ピストンは、吸気、圧縮、燃焼、排気の4工程を上下運動によって繰り返しています。ピストンが下がった最も低い点を下死点といいます。吸気と燃焼の2工程に下死点を迎えます。

4サイクルエンジンは4工程ある

吸気工程

吸気バルブが開き排気バルブが閉じ、ピストンが上から下へ向かう工程を吸気工程と言います。
吸気工程はピストンが下がる事になり負圧が発生し、吸い込む力が働きます。エアフィルターから空気を、キャブレターから燃料を負圧によりシリンダーへ吸い込みます。

圧縮工程

吸気バルブと排気バルブが閉じ、ピストンが下から上へ向かう工程を圧縮工程と言います。
吸気工程で吸入した混合気(空気と燃料)を圧縮させ、大きなエネルギーを取り出します。

燃焼(爆発)行程

吸気バルブと排気バルブが閉じ、ピストンが上から下へ向かう工程を燃焼(爆発)行程と言います。
最も圧縮した状態でスパークプラグが発生させる火花で混合気に着火させ、大きなエネルギーを発生させます。

排気工程

吸気バルブが閉じ排気バルブが開き、ピストンが下から上へ向かう工程が排気工程と言います。
燃焼行程で燃焼した混合気を、排気し、マフラーがら外部へ排出します。

これら4行程を繰り返して、4サイクルエンジンは動作しています。

4サイクルエンジンのタイミング

インテークバルブの開き

上死点前の約20度でインテークバルブは開き始めます。インテークバルブの直前はエキゾーストバルブが開いて排気行程中です。この時、排気中のガスは慣性が働いているので、インテークバルブが開くと新しい混合気と入れ替わるように排気ガスがマフラーを通って外部で排気されます。シリンダー内には新しい混合気が入ります。

インテークバルブの閉じ

下死点後約40度でインテークバルブは閉じます。上死点前の約20度でインテークバルブが開き始め、ピストンが上死点から下死点に向かい下降するとシリンダー内は負圧になり、キャブレターから混合気を吸い込みます。下死点を過ぎても、慣性により混合気はシリンダー内に入り続け、多くの混合気を吸入します。

エキゾーストバルブの開き

下死点前の約50度でエキゾーストバルブは開き始めます。
上死点でスパークプラグから点火し、混合気は燃焼しそのエネルギーでピストンは下がります。下死点に近づくにつれ、燃焼エネルギーは弱くなるので、下死点でエキゾーストバルブが開く事で、次の排気工程の効率を上げる事が出来ます。

エキゾーストバルブの閉じ

上死点後の約20度でエキゾーストバルブは閉じます。エキゾーストバルブが閉じる事で、排気工程は終了します。上死点後20度では、インテークバルブも開いており、吸入工程に入ります。上死点より遅れてエキゾーストバルブが閉まるのは、排気ガスは慣性により排出し続けようとする為で効率よく排気できます。

バルブのオーバーラップ

インテークバルブとエキゾーストバルブが同時に開いている状態をオーバーラップと言います。排気工程と吸入工程に移り変わる際にオーバーラップが起こっており、上死点前20度でインテークバルブが開き、上死点後の20度でエキゾーストバルブが閉じます。この上死点前後40度は排気をしながら吸気をしている事になり、シリンダー内の燃焼したガスを吸気の力を借りて綺麗にマフラーに排出する事が出来ます。

2サイクルエンジンとの違い

2サイクルエンジンに使用する燃料は、4サイクルエンジンと同様ガソリンを使用しています。
機関の違いは、4サイクルエンジンは、吸気、圧縮、燃焼、排気の4行程をピストンが2往復して終了します。対して、2サイクルエンジンは、ピストンが1往復で4行程を終了します。出力も2倍とはなりませんが2サイクルエンジンの方が高出力です。

しかし、排気音による騒音、排ガスによる環境への影響、燃費の悪さ等から約2000年を境に公道で使用できる市販車は日本では作られなくなりました。
競技用バイクや、海外メーカーで作られている2サイクルエンジンのバイクや、逆輸入等の方法で入手は可能です。ですが、世の中の流れは環境に優しい車・バイクへと変わっているので2サイクルエンジンが注目されることは少ないでしょう。それゆえ、NSR250R等、当初の販売価格よりも高い値が付いている、いわゆるプレミア価格になりつつあります。