マフラーとは

2022年7月20日バイクパーツ用語解説

目次

マフラーとは

皆さんはマフラーと聞いて、具体的にどのパーツのことかお分かりになるでしょうか?

もちろん知っているという人の方が多いとは思いますが、これから、バイクのカスタムを始めようという方は、しっかりとその用語の意味を理解し、カスタムする際の方向性をしっかりと決めておくことが大切です。

マフラーと似た用語に「サイレンサー」「エキゾーストパイプ」「エキゾーストマニホールド」あり、これらのパーツにはそれぞれ役割があり、マフラーという名称は、それらの排気に関わる全てのパーツの総称として使われます。

では、「サイレンサー」「エキゾーストパイプ」「エキゾーストマニホールド」について簡単に説明していきます。

サイレンサー

 

アクラポビッチ サイレンサー

日本語に訳すと「消音器」であり、主の目的は、排気音を消音することです。
性質上バイクの出力特性にも影響を与えますし、バイクは車と違い外からサイレンサーがハッキリ見えるため、交換することで見た目の印象を大きく変えることができます。

エキゾーストパイプ(エキパイ)

アクラポ フルエキ

排気管そのもののことを指し、エンジンから排出された排気ガスの通り道です。
エキゾーストパイプの長さや太さによりエンジンの出力特性に影響を与えます。
サイレンサーのような消音効果は無いため、公道を走行する市販車ではエキゾーストパイプの最後部か中腹にサイレンサーが取付けられています。

エキゾーストマニホールド(エキマニ)

アクラポ フルエキ エキマニ

通称エキマニ、日本語に訳すと「多岐管(manifold)」となり、複数の燃焼室から排出される排気ガスを1本にまとめる集合管とも呼ばれます。
エンジン直後に取付けられ、集合のさせ方や長さによりエンジン性能に大きく影響を及ぼすパーツです。

社外交換用マフラーの種類

これからカスタムをはじめる場合、やはりマフラー交換が最初に手を付ける候補という方も多いと思いますが、社外のマフラーには大きく分けて2種類に大別することができます。

ここからは、バイクのカスタム用語として耳にする「フルエキ」と「スリップオン」について解説していきましょう。

フルエキゾースト

アクラポ フルエキ

略して「フルエキ」と呼ばれることが多いのですが、正式にはフルエキゾーストの略で、バイクの場合、エキゾーストマニホールドからサイレンサー(単気筒の場合はエキゾーストパイプからサイレンサー)、つまりマフラー全てを交換するパーツ構成になっています。

当然部品点数も多くなり、価格もやや割高に感じるかもしれませんが、一般的な純正のエキゾーストマニホールドやエキゾーストパイプは、スチールかステンレスで作られ、製造コストや耐久性、消音性などが優先して設計されているため、絶対的な性能や、官能的なエンジンサウンドは期待できません。

一方社外品のフルエキゾーストタイプの交換マフラーは、排気管の取り回しや、素材などにもこだわり、エンジン出力やトルクの向上や、いかにもという気持ちの良いサウンドを奏でてくれます。

チューニングパーツメーカーやマフラーメーカー各社はさまざまな工夫を凝らし、特徴的な性能を持っているため、少々値が張りますが、可能であればぜひフルエキ=マフラーの交換を行うことで、人とは違った個性を出すことができるでしょう。

スリップオン

アクラポビッチ サイレンサー カーボン

フルエキのほかにもう一つ、社外の交換マフラーに用いられる言葉で「スリップオン」があります。

スリップオンタイプの社外品は、エキゾーストパイプなどは純正を使用し、サイレンサーのみを交換するため、正確に言えばマフラー、つまり排気システム全体を交換するわけではありません。

そのため、フルエキタイプのマフラー交換に比べ劇的な性能の向上は望めませんが、フルエキタイプに比べ部品単価も安く、また、交換も容易なため交換工賃を安く抑えることができます。

とは言え、サイレンサーを交換することになり、純正には無いサウンドや、個性的な見た目を比較的容易に手に入れることができるため、カスタム初心者の方は、まず、スリップオンタイプのマフラーに交換してみるのも良いでしょう。

チャンバー

k2テック チャンバー

マフラーに関する用語の番外編となりますが、チャンバーについても触れておきたいと思います。

近年厳しくなった排ガス規制の影響で、2ストロークエンジンを搭載したバイクは新車販売されていませんが、2ストロークエンジンのマフラー交換と言えば、チャンバー交換のことを指します。

動弁機構、いわゆる吸排気バルブを持たない2ストロークエンジンは、その特性上、吸い込んだ混合気が燃焼せず、排気と共にマフラーに流れてしまい、充填効率が下がるとう性質があり、そのままでは燃費性能はもちろん、特に高回転での出力を大きくすることができません。

そこで、エキゾーストパイプの中間に膨らみを持たせ、サイレンサーの手前で再び細くする形状のチャンバーを設けています。
チャンバーとは正式には「エキスパンションチャンバー」と言い、日本語では膨張室となります。

エンジンから排出された排気ガスは、一度チャンバーで開放され、チャンバー出口で再び絞ることで、排気方向とは逆方向の圧力波を作り出し、吸入した混合気がそのまま出ていこうとするのを押しとどめています。

社外品のチャンバー(マフラー)に交換する目的は、簡単に言うと純正よりも大きなふくらみを持たせることで、高回転向きの出力特性に変更することにあり、NSRなどに代表されるレーサーレプリカなどでは好んで交換されていました。

マフラー交換は目的で選ぼう

ここからは話を4ストロークエンジンに戻しましょう。

上記でも触れたように、これからバイクのカスタムに挑戦しようと考えている場合、どういった方向にもっていきたいかによって、選ぶマフラーの基準が大きく変わってきます。

見た目を重視する場合

バイクは車と違い、マフラーやサイレンサーが露出しているため、マフラーを交換するだけで、見た目を大きく変えることができます。

そして、バイクは単なる移動手段ではなく、自分の好みに合わせてカスタマイズされたバイクでしか味わうことができない満足感を得ることができるのです。

まず、見た目でマフラーを選ぶ場合に知っておいたほうが良いのは素材です。

エキマニやエキパイの素材には、スチールやステンレスが多く用いられ、少々高価な素材としてはチタンもあります。

スチールは、重量は重く、また錆などにも弱いという弱点がありますが、価格が比較的安価で、スチール独特の厚みの重めなサウンドを奏でるため、速さを求めないアメリカンやレトロタイプのバイクにはオススメできる素材です。

次に一般的な素材としてはステンレスが上げられます。
ステンレスはスチールに比べ軽量で、錆にも強く、さらに加工も比較的容易なため、比較的手ごろな価格設定となっており、ほとんどのジャンルにオススメできる素材と言えます。

そして、高級素材であるチタンは、他のどの素材よりも固く強度が有るため、パイプの肉厚を薄くすることができ、軽量なマフラーを制作することが可能です。
奏でられるサウンドも、乾いたチタン特有のものとなりまさしく官能的な音になります。
しかし、素材自体が高価なことと、固く加工が難しいため、価格は非常に高額になってしまします。

以上のことから、見た目を重視したカスタムを施すのであれば、重厚感のあるスチール製か、見た目の美しいステンレス製を選ぶことをオススメします。

性能を追求したい場合

「バイクは見た目ではなく、走ってナンボだ!」というこだわり派の方は、性能を重視したマフラーを選びたいと思っていることでしょう。

上記の説明でも分かるように、性能を追求するのであれば、軽量化に大きく貢献するチタン製が最も理想ですが、性能を重視する場合は、素材だけではなく形状にもこだわりたいところです。

特に4気筒のモデルでは、エキマニの集合の仕方によって、エンジンの出力特性が大きく変わりますので、現状のバイクのカスタムレベルや、今後目指したいレベルによって注意深く選びましょう。

4気筒エンジンの場合、各気筒からそれぞれ1本ずつ、計4本の排気管が出ていますので、それらを1本にまとめる必要があり、そこでポイントとなるのが、排気管の集合のさせ方です。

4-1タイプ

4in1 フルエキゾースト

4本から1本に集合させる通称「4-1タイプ(フォーインワン と呼びます)」のエキマニは、高出力を求める比較的高回転向きとなり、社外品では、集合させる位置関係によりエンジンの充填効率を高める効果を狙った商品などもあります。

4-2-1タイプ

4in2in1 フルエキ アクラポビッチ4in2in1 フルエキ

4本のパイプをまず2気筒ずつ集め2本位したのち、1本に集合させる通称「4-2-1タイプ(フォーインツーインワン と呼びます)」のエキマニは、トルク重視の中低速向きとされています。

ですが、各メーカーとも集合するまでの長さなどを研究し、一概に集合の仕方だけで絶対的な性能が決まるわけではありません。

そのため、実際に購入される際は、チューニングショップや、各メーカーのホームページの情報を参考に慎重に選びましょう。

 

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