バイクのハンドルグリップ交換方法
ハンドルはバイクのフィーリングを一番感じ取れる部分です。
ハンドルグリップは使い込む事で薄くなり経年と共に紫外線で劣化します。
グリップの劣化や密着不良で回ってしまう場合は、グリップ交換もしくは接着剤の再塗布が必要になります。
今回はグリップの交換方法(取り外し・取り付け)について解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 時間: 約15分
- 費用: 0円~2,300円
- ハンドルグリップ:約2,000円
- 接着剤:約300円
- ショップ工賃: 約1,000円
- 難易度: ★★☆☆☆
本記事ではハンドルグリップを再利用(接着剤再塗布)する目的でハンドルグリップを切らずに取り外しを行います。
ハンドルグリップを再利用しない場合、ハンドルグリップをカッターで切って頂いて構いませんがスロットルグリップの下にあるスロットルコーンは樹脂製なので傷をつけないようグリップだけをカッターで切るようにして下さい。
作業手順
1.ハンドルグリップの取り外し
バーエンドを取り外しましょう。
バーエンドの固定ねじにはネジロック剤が塗布されている場合があるので、ドライバーで取り外し出来ない場合はショックドライバーを使用しましょう。
詳しくは、バーエンド取り外し・取り付け方法をご覧ください。
シール外しドライバーをハンドルグリップとハンドル間に潜り込ませます。
マイナスドライバーの使用はハンドルグリップ・ハンドルを傷つけてしまう可能性があるので、マイナスドライバー先端ををハンドルグリップ側に押し付けながら挿入しましょう。
ドライバーを少し持ち上げてハンドルグリップとハンドル間に隙間を作った後、潤滑と接着剤の効力を落とす目的でパーツクリーナーを吹き付けましょう。
使用するパーツクリーナーはゴムとプラスチックへ与える影響が少ないWAKO’S BC-9がお勧めです。
シール外しドライバーを1回転させてハンドルグリップの接着剤を剥がしましょう。
ハンドルグリップを回転させながら引き抜いて取り外しましょう。
2.清掃
シール剥がし剤を吹き付けて浸透する指定の時間まで待ちましょう。
キャブレタークリーナー(ヤマハ純正)でも純正の接着剤への効果が確認できました。
シール剥がし剤が無い場合はキャブレタークリーナーを使用してみるのも良いでしょう。
但し、キャブレタークリーナーは樹脂類を変色させる恐れがあるのでご理解頂いた上で作業して下さい。
樹脂製スクレーパーで接着剤を除去しましょう。
金属製のスクレーパーを使用する場合はハンドルを傷つける可能性があるので注意して使用しましょう。
パーツクリーナーとウエスでハンドルを脱脂しましょう。
脱脂の目的は、シール剥がし剤の溶剤を落としハンドルグリップ取り付け時に塗布する接着剤が付きやすくする為に行います。
3.ハンドルグリップの取り付け
接着剤をハンドルに薄く塗布しましょう。
接着剤の塗布量が多いとハンドルグリップ取り付け時にはみ出てしまい、スロットルケーブルが収まっているスロットルハウジングに接着剤が付着して抵抗になりスロットルの動きが鈍くなるので注意しましょう。
もし、動きが鈍くなるようならスロットルハウジングを取り外して接着剤を除去すると元の状態に戻ります。
ハンドルグリップを回転させながら取り付けましょう。
ハンドル右側のグリップ交換をする際は押し込みすぎるとスロットルハウジングとスロットルグリップが干渉する事で抵抗になりスロットルの動きが鈍くなるので注意しましょう。
ハンドルグリップ全体を軽く握り、接着剤を馴染ませましょう。
バーエンドを取り付けましょう。
バーエンド脱落防止の為に固定ネジにはネジロック剤を塗布しましょう。
詳しくは、バーエンド取り外し・取り付け方法をご覧ください。
接着剤の硬化時間まで待ちましょう。
硬化前にバイクに乗ると接着剤の効力が弱まりハンドルとハンドルグリップとの密着力が低下しまうので必ず指定の硬化時間まで待ちましょう。
また、パーツクリーナーで取り付けた場合は目安として5~10分程待機しましょう。
まとめ
- ハンドルグリップ取り外し時、ドライバーをハンドルグリップとハンドル間に挿入して隙間を作りパーツクリーナーを吹いてドライバーを1回転させる。
- ハンドルグリップ取り付け時、ハンドルに付着している接着材を落とし、脱脂した後に接着剤を薄く塗布してからハンドルグリップを取り付ける。
- ハンドルグリップ取り付け後、接着剤の硬化時間まで待つ。
Q&A
- 左ハンドルのハンドルグリップを交換して接着剤がスイッチボックスに付着して気になるのですが、スイッチボックスを外して接着剤を清掃すれば綺麗になりますよね?
- はい、スイッチボックスを取り外して清掃すれば綺麗になります。スイッチボックス交換方法が参考になります。
- エアーガンをハンドルグリップとハンドルの間に割り込ませる方法の方が簡単ですか?
- そちらの方が簡単です。ただ接着剤が使われていない状態でハンドルグリップが取り付けられている状態でないとエアーガンでの取り外しは難しいです。接着剤が使われている場合は上記で解説させて頂いた方法で取り外して、パーツクリーナーや中性洗剤で取り付けている場合はエアーガンで取り外すと良いと思います。
- 既に取り付けられている純正のハンドルグリップなのですが、空回りしてしまいました。資金的に新品を買えないのでこのまま使いたいのですが可能ですか?
- 紫外線でボロボロに劣化していなければ再使用はできると思います。上記の取り付け方法を参考にして接着剤を使用して取り付けて下さい。パーツクリーナーや中性洗剤による取り付けではまた空回りしてしまうので必ず接着剤を使用して下さい。
- 新車で購入してグリップの密着力が高くて外しにくいのですが、どうすればよいでしょう。
- コツとしてグリップとハンドル間にドライバーを初めに根元まで差し込む事です。なので、パーツクリーナーを噴射してドライバーを押し進めてを繰り返します。根元まで入ったら、パーツクリーナーを噴射してドライバーを一回転すれば接着剤は取れます。接着剤が剥がれたら、ドライバーを外してパーツクリーナーを吹いてグリップを回転させるように引き抜いていくと外れます。密着力が高くて外しにくいのはある程度仕方ありませんので根気よくチャレンジしてみましょう。
- 接着剤ってどういう判断基準でお選びになっているのでしょうか?
- 判断基準は、スロットルグリップがゴムなのでゴムに対応しているもの、かつスロットルコーンは樹脂なので樹脂に対応しているものを選んでおります。接着剤が介在する素材が何にで出来ているかで選ぶとよいでしょう。ハンドルグリップ取り付けの場合はコニシのG17がお勧めです。
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