バイクのフロントブレーキパッド交換方法
ブレーキパッド残量が無くなると、ブレーキは制動しなくなりブレーキディスクへダメージを与え寿命を急激に縮めます。
排気量250cc未満の車種や、ユーザー車検を受ける方は、2年に1度ブレーキパッド残量が2mm以上あるか点検しましょう。また、走行の仕方や距離数により次の車検(2年)までブレーキパッドがもたない可能性が有るので早めの交換をお勧めします。
ブレーキパッドが摩耗する毎にキャリパーピストンの出量も多くなりブレーキタッチが低下します。ブレーキパッド残量が約5mmまで良好なブレーキフィーリングを維持できます。
今回は、ブレーキパッドの交換方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 交換時期: ブレーキパッド残量が2mm以下の場合(走行の仕方・距離数により早めに交換)
- 時間: 1キャリパー:約20分
- 費用: 約6,560円(※約14,000円)
- ショップ工賃: 約2,300円(1キャリパー)
- 難易度: ★★★☆☆
※価格は希望小売価格です。通常値引きを行って販売しております。
※OPEN価格の()内はALLメンテナンスで販売目安価格です。
※「※」が付いた道具・工具は、必要に応じて使用します。
注意事項
- ブレーキパッドを再利用する際、元の位置に取り付けられるよう分解時にマーキングしておきましょう。
- ブレーキパッドシムが装着されている場合、元と同じ側に取り付ける。(キャリパーピストン側)
- フローティングキャリパーを例にブレーキパッド交換を行います。対抗ピストンキャリパーの整備内容は、フローティングキャリパーと大差ありませんが仕組みが多少異なります。フローティングは、片側のみからピストンを押し付けるのに対し、対抗ピストンキャリパーは両側から押し付けます。対抗ピストンキャリパーの方が構造を容易に理解できると思うので、本記事とサービスマニュアルを参考に整備して頂きたいと思います。
作業手順
1-1.ブレーキパッド取り外し
キャリパーのピンプラグを取り外しましょう。
ピンプラグの内側にパッドピンが挿入されています。ピンプラグは固着していると非常にナメやすい箇所なので、固着気味と感じた場合は迷わずショックドライバーを使用しましょう。
ショックドライバー使用時、反時計回りにテンションを掛けて、重い石頭ハンマーを使用して叩くと外し易いです。
詳しくは、ショックドライバーの使い方をご覧下さい。
パッドピンを六角ビットソケットを使用して緩めましょう。稀に、過度に固着している場合があるので、ナメたら逆タップを使用して外しましょう。
現時点ではパッドピンを取り外すのでは無く、緩めるのみです。パッドピンはキャリパーを取り外してからでは緩め難いので、キャリパーがフロントフォークに装着されている段階で緩めます。
ブレーキキャリパー取り付けボルトを取り外しましょう。
キャリパーは、2本のボルトでフロントフォークに取り付けられているので緩めて取り外しましょう。
取り外し時は、ホイールとキャリパーに傷が付かないようにキャリパーをウエスで覆い、キャリパーピストンを少し押し戻して取り外しましょう。
詳しくは、フロントブレーキキャリパー取り外し・取り付け方法をご覧下さい。
初めに緩めておいたパッドピンを取り外しましょう。
ブレーキパッドとパッドスプリングを取り外しましょう。
パッドスプリングは、ブレーキパッドにテンションを掛けて脱落しないようにするパーツです。
パッドスプリングはツメで固定されているので、手前に引き抜けば外れます。
また、ブレーキパッドの裏側に金属や紙質のようなもので、シムが純正で取り付けられている場合があるので、シムも取り外しましょう。
交換せず再度取り付ける場合、ブレーキパッドに装着位置をマーキングしましょう。
ブレーキパッド装着位置の区別がつくようにマーキングしておきましょう。
ブレーキパッドには、「R Fork」「R Wheel」と書いてあります。
意味は、「右キャリパーのフォーク側」「右キャリパーのホイール側」。
- R:Right(右キャリパー)
- L:Left(左キャリパー)
- Fork:Fork(フロントフォーク側)
- Wheel:Wheel(ホイール側)
面倒な場合は、整備者側(手前)のブレーキパッドの端に、マイナスドライバーの角を使い傷を入れておくのもお勧めです。
ブレーキパッドの装着位置をマーキングする理由
ブレーキパッドの形には、2タイプあります。
上記画像のように、ブレーキパッドの形が対称ではないタイプ。
参考車両のCBR400RRもこちらのタイプ。
上記画像のように、ブレーキパッドの形が対称のタイプ。
このタイプは、脱着時に左右どちらに付いていたのか分からなくなる場合があります。
間違って取り付けるとアタリが変わる為、制動力低下の要因になるので、マーキングする事をおすすめします。
1-2.ブレーキパッド取り外し
キャリパーをフロントスタンドに吊るしましょう。
ブレーキホースに負荷を掛けない配慮です。
フロントスタンドが無い場合はそのままぶら下げておきましょう。
長時間放置する場合はフロントフォーク等に固定しておくと良いでしょう。
ブラケットを引いて取り外しましょう。
対抗ピストンキャリパーはこのブラケットが取り付けられていません。
フローティングキャリパー独自のパーツです。
リテーナーはブラケットに装着されています。
上記画像の赤枠のように、爪で固定されているだけなのでマイナスドライバー等を使用して浮ければ容易に外れます。
2.清掃
パッドピンをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
汚れが頑固な場合は、キャブレタークリーナーや紙やすりを使用して除去しましょう。
パッドピンを人差し指の腹で触り、段付きが発生している場合は交換しましょう。
パッドスプリングをパーツクリーナーとブラシで清掃しましょう。
ブラシは、歯ブラシやwakosチェーンクリーナーのブラシを使用すると良いでしょう。
こちらも汚れが頑固な場合は、キャブレタークリーナーや真鍮ブラシを使用すると除去し易いです。
パッドリテーナーをパーツクリーナーとブラシで清掃しましょう。
こちらも汚れが頑固な場合は、真鍮ブラシを使用すると除去し易いです。
キャリパーピストンをパーツクリーナーとブラシとキャリパーピストンツールで清掃しましょう。
キャリパーピストンツールを使用し、ピストンを回転させて裏側も清掃します。
こちらも汚れが頑固な場合は、真鍮ブラシを使用すると除去し易いです。
キャリパーピストンツールでピストンを出し、ピストン奥側も清掃しましょう。
キャリパーピストンセパレーターをお持ちの方は、割り込ませてセパレーターに当たるまでブレーキレバーを握りましょう。
清掃後は、キャリパーピストンをキャリパー側に押し戻しておきましょう。セパレーターがあると便利です。
リザーバータンクの液面が上昇しますが、ブレーキフルードが漏れる事は無いと思います。もし、漏れた場合、水で洗い流しましょう。
汚れが落ちない場合の対処方法
キャブレタークリーナーを使用します。
お勧めはヤマハ製キャブレタークリーナーです。
肌に触れるだけで痛くなる程強力なのでゴム手袋をして作業しましょう。
歯ブラシを使用すると凹凸も磨くことができます。
固まっているカーボンは精密マイナスドライバーを使用すると綺麗になります。
キャリパー取り付けボルトには、ネジロック剤が使用されている場合があります。
キャリパー側のメネジと取り付けボルトのオネジには、タップ・ダイスを行いましょう。
詳しくは、タップ・ダイスの使い方をご覧下さい。
また、パッドピンとキャリパー側メネジにもタップ・ダイスを立てましょう。
該当するタップ・ダイスのサイズが無ければ固めの歯ブラシや真鍮ブラシで異物を除去して下さい。
締め付けトルクに変化をもたらす原因は汚れなので、汚れを除去するだけで正確な締め付けトルクの値に近づきます。
3.揉みだし
揉みだしはシールの本来の機能を妨げますがデメリットはありません。オーナー様が判断して実施して下さい。
詳しくは、キャリパーピストンの揉み出しはシールの原理を阻害する矛盾整備!?をご覧下さい。
キャリパーピストン回りにシリコングリスを塗布します。
キャリパーピストンツールを使用してキャリパー内を出し入れします。
この時、反対側のキャリパーピストンを必ず手で押さえて出し入れして下さい。
片側のピストンを押し入れると反対側のキャリパーピストンは出てきて脱落する場合があります。
面倒な場合は、キャリパーピストンセパレーターを使用して押し込んだ後、キャリパーピストンツールでピストンを回転させ馴染ませると良いでしょう。
4.点検
上記画像が新品時の正常なキャリパーピストンです。
虫食い等無く綺麗な状態です。
上記画像が虫食いが発生したキャリパーピストンです。ピストン表面のメッキが剥がれているのが確認できるかと思います。
キャリパーピストンを指先で触り、傷がある場合はピストンを新品交換します。
部品が廃盤の場合、再メッキで対応します。
キャリパーピストン交換の目安は、メッキが剥がれている箇所がダスト・オイルシールと接触しているかが判断基準です。
ピストンのメッキが剥がれている箇所がシールに接触すると、キャリパーピストンとシール間に隙間ができ雨水の侵入やブレーキフルード漏れの原因になります。
上記画像の場合、メッキ剥がれ箇所とシールは接触していないので現状のブレーキパッドは継続使用可能になります。
しかし、次回新品ブレーキパッドを組む際にブレーキパッドの厚みが多くなるのでキャリパーピストンが戻る量が多くなりシールと接触する可能性があるのでキャリパーピストンも同時交換となる可能性があります。
5.ブレーキパッド取り付け
ブレーキパッド裏とパッドピンにグリスを薄く塗布しましょう。
多く塗布すると、雨水で流れて制動力を低下させる可能性があるので注意しましょう。
お勧めのグリスは、フォーミュラ1(F1)で使用されているコパスリップです。
耐熱性・電導性が良いので、用途がブレーキパッドの鳴き止めや接点グリスとしても使用できます。
他には、スレッドコンパウンドか専用のパッドグリスの使用をお勧めします。
スライドピン・スライドピン穴に耐熱シリコングリスを塗布しましょう。
ゴムパーツに関するグリスは、基本シリコングリスを使用します。
パッドリテーナーを取り付けましょう。
リテーナーが外れやすい場合、上記画像赤枠のツメを若干内側に曲げましょう。
曲げることで挟むテンションを強める事ができます。
プライヤーを使用すると調整し易いです。
キャリパーにブラケットを押し込んで取り付けましょう。
パッドスプリングを取り付けましょう。
パッドスプリングが外れやすい場合、上記画像赤枠のツメを内側に若干曲げましょう。
リテーナー同様、若干曲げることでテンションを強める事ができます。
プライヤーを使用すると容易に調整可能です。
はみ出たグリスは、綿棒などで拭き取りましょう。
砂やホコリを拾って汚れの原因になります。
ブレーキパッド内側に触れないよう注意しながら、ブレーキパッドを取り付けましょう。
既存のブレーキパッドを取り付ける際、初めにブレーキパッドに付けたマーキングを見て、装着位置を確認した後、ブレーキパッドを取り付けましょう。ブレーキパッド位置が変わるとブレーキディスクとブレーキパッドの当たりが変わるので制動力が低下します。特にフローティングキャリパーは対向ピストンキャリパーに比べ、構造上ブレーキパッドの編摩耗がし易いです。
また、ブレーキパッドの内側に手を触れると多少の油分であっても制動力が低下します。手が汚れている場合は、パーツクリーナーやハンドクリーナーで油分を落としてから取り付けると良いしょう。
パッドピンをキャリパー・ブレーキパッドに通し、取り付けましょう。
上記画像のように、キャリパーを水平にして取り付けるとパッドピンが挿入し易いです。
ブレーキレバーを握りながらブレーキキャリパーを指定トルクで締め付けましょう。
握りながら締め付ける事でブレーキパッドが当たりの良い箇所へ移動し僅かにブレーキタッチのフィーリングの向上が期待できます。
詳しくは、フロントブレーキキャリパー取り外し・取り付け方法をご覧下さい。
また、ピストンがキャリパー側に押し戻されている状態なので、ブレーキレバーを握ると最初の数回はブレーキレバーの感触が無い状態ですが3,4回握ると感触が元に戻ります。
但し、BMWなどの特殊なブレーキシステムを採用している一部車種は、エンジンを始動させないとピストンが出ない場合があります。
パッドピンを指定トルクで締め付けましょう。標準締め付けトルクで締め付ける場合、通常は9.8N-mです。一部車種には太いパッドピンを採用しているので、サービスマニュアルでトルクを確認して下さい。
ねじ山に汚れが付着しているとトルクレンチが正常に機能せずネジがナメる場合があるので、汚れを除去してからトルクレンチの中心線を基準に垂直に力をかけましょう。
詳しくは、トルクレンチの使い方をご覧下さい。
ピンプラグを取り付けましょう。
ナメてしまったら新品部品を注文して交換しましょう。
リザーバータンクにブレーキフルードをUPPERレベルまで補充しましょう。
LOWERからUPPERの中間位置ではなく、UPPERまで補充します。ブレーキフルードが少ないとブレーキパッドが摩耗した際にエアが噛む可能性があるのでUPPERまで補充しましょう。
また、リザーバータンクキャップの溝とダイヤフラムプレートの穴に異物が付着している場合は除去して下さい。リザーバータンクを大気圧状態にする重要な役割があります。
詳しくは、ブレーキリザーバータンクの役割と点検箇所をご覧下さい。
ブレーキレバーを握り感触があるか確認した後、試走を行い、ブレーキの引きずりや制動しない等の問題が無いか確認しましょう。
まとめ
- ピンプラグ取り外し時、固着気味ならショックドライバーを使う。
- ブレーキパッド取り外し時、マーキングを行う。
- ブレーキパッド取り外し後、キャリパーピストンの清掃を行う。
- 清掃時、ボルト類にキャリパーとパッドピンにタップ・ダイスを掛ける。
- 清掃時、パッドピン・ブレーキパッド・ブラケット可動部にグリスアップを行う。
- ブレーキパッド取り付け時、ブレーキレバーを握りながら指定トルクで締め付ける。
- ブレーキパッド取り付け後、リザーバータンクのブレーキフルードをUPPERレベルまで注ぐ。
- 試走前に、ブレーキレバーを握りブレーキが機能しているか確認。
Q&A
- キャリパーピストンを清掃する際、片方のピストンを押したらもう片方のピストンが脱落したのですが、どう対処すれば良いですか。
- キャリパーピストンが脱落した場合、キャリパーにピストンを挿入して元通りに戻した後、ブレーキフルード交換のエア抜きを行いましょう。
- ブレーキレバーを握っても感触が無いのですが壊れてしまったのでしょうか。
- キャリパー脱着後の最初の数回は感触が有りません。何度が握る事で感触が戻ります。
ブレーキパッド交換以外にブレーキフルード交換をされてブレーキレバーの感触が無いのであれば、エアが噛んでいるのでエア抜きを行いましょう。詳細は、ブレーキフルード交換(エア抜き)方法をご覧下さい。
- キャリパー脱着後の最初の数回は感触が有りません。何度が握る事で感触が戻ります。
- ブレーキパッド交換してから、ブレーキレバーが少し重くなった気がするのですが、何が原因でしょうか。
- キャリパーピストンを清掃せずにキャリパー側に押し戻すと、ピストン回り付着していたダストが、キャリパーピストンとシールの間に入り込みブレーキのフィーリングが低下する場合があります。
サービスマニュアルにはキャリパーピストンの清掃をするような記述がされていない場合がありますが、必ず清掃を行いましょう。清掃後は、後揉みだし作業を行う事で抵抗が軽減され軽くなります。
最善の対策は、キャリパーをオーバーホールする事です。保管・使用環境に左右されますが、目安として5年に一度はキャリパーをオーバーホールすると本来の性能を損なう事なく維持できるかと思います。意外にも汚れはシール溝・ピストン周囲に蓄積されていきます。
- キャリパーピストンを清掃せずにキャリパー側に押し戻すと、ピストン回り付着していたダストが、キャリパーピストンとシールの間に入り込みブレーキのフィーリングが低下する場合があります。
- リザーバータンクキャップの取り付けねじがナメた。
- フローティングキャリパーのキャリパーピストンが固着してキャリパーピストンツールでも回転しないのですが、どうすれば良いでしょうか?
- 対策方法は、キャリパーのオーバーホールです。固着する原因は、キャリパーのシール溝の間に異物が溜まる、もしくはキャリパーピストンとシール間に異物が溜まる事によりシールが押し出されてキャリパーピストンの固着が発生します。フローティングキャリパーのオーバーホールの作業手順として、リザーブタンクのブレーキフルードをスポイトで吸い取った後、キャリパー側のバンジョーボルトを緩めてブレーキフルードを排出しキャリパーを取り外します。次に、ウエスを作業台に何枚か重ね、その上にキャリパーピストンを下に向けるように置きます。次に、エアーガンを用意して、バンジョーボルトの穴からエアーを入れると凄い勢いと音でキャリパーピストンが出てきます。エアーが漏れてキャリパーピストンが出てこない場合は、タオルを2、3折りにして重ねてバンジョーボルト穴に割り込ませた上からエアーガンで吹くとエアーが漏れるスピードより充填されるスピードの方が早いのでキャリパーピストンが出てきます。※絶対にキャリパーピストンの下に指を入れないで下さい。指が骨折する危険性があります。また、キャリパーピストンを上側に向けないで下さい。自分の顔や体に飛んで来るので非常に危険です。圧縮された空気によって、キャリパーピストンは弾丸の如く飛びます。非常に危険なので作業は慎重に細心の注意を払いながら行って下さい。オーバーホールの目安は、4、5年周期に行うと性能を維持できます。キャリパーは定期的にオーバーホールする必要があるパーツです。
- フロントフォークからオイル漏れしてブレーキパッドに付着してしまったのですが、脱脂して再利用しても良いですか?
- オイルがブレーキパッドに付着した場合は、ブレーキパッドを清掃して脱脂してもオイルが浸透してしまっているのと性能は元には戻らないので交換を推奨します。
ブレーキは様々なパーツの中で命を預ける最も重要なパーツです。ホンダからも交換が推奨されています。
- オイルがブレーキパッドに付着した場合は、ブレーキパッドを清掃して脱脂してもオイルが浸透してしまっているのと性能は元には戻らないので交換を推奨します。
- ブレーキパッドは面取りしたほうが良いのでしょうか?
- 摩耗が無い新品ブレーキディスクに対して新品ブレーキパッド(有名所のブランド)を取り付けるのであれば、ブレーキパッドの面取りは必要ありません。
近年のブレーキパッドは精度が良いのか面取りしなくても鳴くケースが少ないです。
ブレーキパッドの面積は見て分かる通り小さいです。面取りすると更に接地する面積が少なくなり無くなった面積分を他の面積でカバーする事になるので比較的発熱が早くなります。また、ブレーキの利きも弱くなるのでその分多くブレーキペダルを踏む事でブレーキパッドの摩耗も早くなります。発熱による摩耗も早くなる事でしょう。なので、可能な限り面取りせず鳴きが発生した段階で面取りをする事をお勧めします。
既存の摩耗したブレーキディスクに新品ブレーキパッドを取り付ける場合は、ブレーキパッドの上・下側の面取りを行う事をお勧めします。摩耗したブレーキディスクに新品のブレーキパッドを組んでもブレーキパッド全面がフラットに接触するわけではありません。ブレーキディスクは摩耗すると、外側・内側がブレーキパッドに当たらず新品の状態で残るので山になっています。加えて、内側と外側では回転数が異なるのでブレーキディスクの外側が早く摩耗します。後者の摩耗は仕方ないですが、前者の外側・内側の山は新品ブレーキパッドを組んだ際にブレーキパッドのサイズが大きい為にブレーキディスクの山に乗り上げてしまい、新品ブレーキパッドを組んでも制動力が低下する場合があります。なので、既存のブレーキディスクに新品ブレーキパッドを組む場合はブレーキパッドの上下部分の面取りを行う必要が出てきます。
- 摩耗が無い新品ブレーキディスクに対して新品ブレーキパッド(有名所のブランド)を取り付けるのであれば、ブレーキパッドの面取りは必要ありません。
- ブレーキフルードは水よりもパーツクリーナーで除去した方が良いのではないでしょうか?
- ブレーキフルードは水を吸収する性質(吸湿性)があるので水で除去できます。パーツクリーナーを使用すると、塗装面が変色します。自家塗装の場合は塗装が剥がれる場合があります。
- キャリパーに取り付けた状態でブレーキパッド交換した方が早いとおもうのですが?
- キャリパーを車体に取り付けた段階でブレーキパッドを交換しない理由として、まずブレーキパッドは新品を取り付ける事が前提ですと消耗したブレーキパッドより厚みがある分キャリパーピストンを押し戻さなければなりません。押し戻すのはキャリパー取り付け状態だと困難ですし、ブレーキディスクは非常に横に掛かる力に弱く、マイナスドライバー等で無理にブレーキディスクに当てて押し戻すとブレーキディスクが歪む場合があります。また、キャリパーピストンの周囲には汚れが付着しており、その状態でキャリパーピストンを押し戻すと汚れがキャリパーピストンとダストシール・オイルシール間に入り込んでキャリパーピストンの動きが悪化するので清掃する必要があります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません