[故障診断と対策事例]プラグキャップが容易に外れる

2020年7月17日電装系,故障診断と対策事例,サブ整備記事

目次

車両

ftr223

HONDA FTR223

症状

スパークプラグを点検をする為、プラグキャップの脱着時に引っ掛かりが無く容易に脱着出来てしまう。

考察

プラグキャップのスプリングが脱落している

新品プラグキャップ スプリング有り

プラグキャップ内部には、スパークプラグ端子をホールドする為にスプリングが取り付けられています。
何かの拍子に、スプリングが脱落してしまう場合があり、脱落していればプラグキャップはスパークプラグに固定されない為、容易に外れてしまいます。

端子ナットが必要なプラグキャップに、端子ナットが無い

スパークプラグ 分離式端子ナット

プラグキャップには2種類あります。端子ナットが必要なプラグキャップと、端子ナットが不要なネジ式端子に対応したプラグキャップです。
純正はネジ式端子が多く、パワーケーブル等の社外品にすると端子ナット対応品のプラグキャップが使用される傾向が多いようです。

スパークプラグ頭の端子ナットが本来付いている必要があるのに、端子ナットが外れている場合は容易にプラグキャップは外れてしまいます。

このように、脱着可能な端子ナットの製品は、分離式のスパークプラグといいます。分離式の製品は多くありますが緩みやすい傾向にあるので、プライヤーで締め込んで使用して下さい。
人によってはプライヤーで端子ナットを潰して緩まないようにしている方もいらっしゃいます。
「接触面積が少なくなるから良くない」「でも外れないから良い」と賛否両論です。当方は、強めに端子ナットを締め込んで取り付けています。

もし端子ナットが無い場合はエンジンが掛からない可能性や、不調になる可能性も考えられます。

端子ナットが必要ないプラグキャップに、端子ナットが付いている

スパークプラグ ネジ式端子

端子ナットが必要ないプラグキャップに、端子ナットが付いている状態だと、プラグキャップがはめ込めず浮いている状態になるので、プラグキャップが容易に外れてしまいます。
同じ品番のプラグを購入しても、ネジ端子に端子ナットが取り付けられている分離式のスパークプラグは、端子ナットを取り外して使用しましょう。

原因

プラグキャップ スプリングが無い

プラグキャップのスパークプラグをホールドするスプリングが無い事が原因でした。

稀に、このようにスプリングが脱落したプラグキャプがあります。
おそらく、プラグキャップの脱着時に外れてしまったのだと考えられます。

対策

新品プラグキャップ スプリング有り

新品のプラグキャップに交換しました。

ftr223

FTRの画像をご覧頂くとわかるのですが、純正で赤色のプラグキャップが使用されていますので赤色に近い社外品のプラグキャップを使用しました。

まとめ

  • 症状:スパークプラグを点検をする為、プラグキャップの脱着時に引っ掛かりが無く容易に脱着出来てしまう。
  • 原因:プラグキャップのスパークプラグをホールドするスプリングが無い事。
  • 対策:新品のプラグキャップに交換。

小ネタ

片肺診断の方法をご存知でしょうか。

例えば、4気筒エンジンで、どこか1気筒が機能していない、つまり「片肺状態」の場合にプラグキャップを全て外した後、そっとスパークプラグに乗せるように置きます。
そして、エンジンを始動後、左の1番のプラグキャップから持ち上げて、アイドリングに変化があるか点検します。変化が無い気筒が片肺、と診断します。

そこで言える事は、点接触に近い状態でも電気は流れ点火しているのです。
勿論、接触面積を増やす事は電気の流れをスムーズにすることに繋がりますので、点より線、面の方が良いです。