4サイクルエンジンのオイルポンプとは
目次
オイルポンプとは
オイルポンプとは、エンジンオイルをエンジン各部へ送る役割をもつパーツです。
エンジンオイルを送油できなければ、エンジンは焼き付いてしまい壊れてしまいます。オイルポンプは、エンジンにとって必要不可欠なパーツです。
4サイクルエンジンのオイルポンプは、トロコイド型と呼ばれるオイルポンプを使用しています。
中心のポンプシャフトにインナーローターを固定して、その外周にアウターローターを配置してます。2個のローターでポンプ室を回転してます。
オイルポンプの仕組み
インナーローターが回転すると、アウターローターとの空間の容積が変化していきます。
エンジンオイルは、空間の大きくなる箇所から吸入されます。吸入されたエンジンオイルは、空間に挟まれながら反対側に運ばれて吐出側から押し出されます。
こうして、圧送されたオイルはエンジン内の必要箇所に送り込まれます。詳細な動きは画像・動画をご覧下さい。
オイルポンプの吐出量と圧力はエンジン回転数に比例しますが、油圧はエンジン回転数には比例しません。油圧が高まれば、プレッシャリリーフバルブというオイル圧を一定に調整するパーツで油圧を一定にします。
リリーフバルブをもつオイルポンプもあります。
また、インナーローター・アウターローターを二組もつオイルポンプもあります。
多くの車種は、オイルポンプ下流にはオイルフィルターが設置してあります。もし、オイルフィルターが目詰まりして油圧が高くなってしまうとオイルフィルターは破損してしまいます。
そこで、オイルフィルターが目詰まりした時の事を考慮して、バイバス通路が設けられています。これにより、オイルフィルターが目詰まりを起こしても送油できる仕組みが備わっています。
因みに、サービスマニュアルによっては、「オイルフィルター破損」が目的ではなく、「エンジンオイルを供給する事」を目的としたバイパス通路という記述もあります。
脈動幅
インナーローター・アウターローターの歯数が多い程、脈動幅は小さくなります。反対に、端数が少ない程、脈動幅は大きくなります。
流量
ローターの厚さが厚くなるほど流量は多くなります。反対に薄くなると流量は少なくなります。
エンジンオイルで潤滑しているパーツ
オイルポンプからエンジン各部へエンジンオイルを送油しています。
送油されている箇所は以下の箇所です。
- カムシャフト
- バルブ
- バルブスプリング
- ロッカーアーム
- ロッカーアームシャフト
- トランスミッション
- コンロッド小端部
- ピストン
- シリンダー
- コンロッド大端部
- メインベアリング
- オイルフィルター
- オイルポンプ
- リリーフバルブ
- オイルストレーナー
まとめ
- オイルポンプは、エンジンオイルをエンジン各部へ送る役割をもつ。
- 4サイクルエンジンのオイルポンプは、トロコイド型と呼ばれるオイルポンプを使用。
- エンジンオイルは、空間の大きくなる箇所から吸入され、空間に挟まれながら反対側に運ばれて吐出側から押し出される。
- インナーローター・アウターローターの歯数が多い程、脈動幅は小さくなる。
- ローターの厚さが厚くなるほど流量は多くなる。
小ネタ
昔、陸王というバイクがあったのはご存知でしょうか。1933年、ハーレーダビッドソンの輸入を行っていた日本企業があり、当時関税が多く掛けられていて、あまり儲からなかったそう。そこで、ハーレーダビッドソン社に「日本で作らせてくれ」と日本企業側が申し出て、ハーレーダビッドソンはOKを出したそう。その日本企業は、日本ハーレーに社名を変えて、日本のイメージをつけようと車種のネーミングを考えて、そして日本のみの販売条件で作ったのが、陸王です。
その陸王ですが、オイルポンプは上記で説明したような自動で送油する構造ではなかったそうです。そこで、ライダーがエンジンオイルを送油するレバーかペダルがあり、適切なタイミングで押してあげないとエンジンを焼付かせてしまう構造だったそうです。つまり、手動でオイルポンプを作動させていたそうです。
手動式だけに、陸王に乗るには、ある程度の技量が必要だったとされています。
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