エンジンは分解する前に上死点を合わせる

2020年7月17日サブ整備記事,エンジン系

フライホイールにTのマークが付いています。そのTマークとケース側のスリットを合わせます。

この上死点を合わせる理由は、組立時にカムシャフトの位置関係を合わせやすくする為です。
上死点時に、カムシャフトのケガキはこの位置なのかと確認し、写真に撮っておきましょう。
圧縮上死点でも排気上死点でも、カムシャフトとの位置関係が分かればどちらでも問題ありません。
もし、忘れた場合、サービスマニュアルに記載してありますのでそちらを参考にすればよいでしょう。手早く作業を進めるためには、撮影して確認しておいた方が手早く作業できます。

ハーレーは、フライホイールにTマークが無いと聞きます。そのような車両はプラグホールに細いマイナスドライバーを入れて、クランクシャフトをスピンナハンドルで回して上死点を出します。
TマークにもT1やT2と2つ刻印されている場合があり、もし、うっかり車両を移動させる際にギアが入っていてクランクが回ってしまってどちらか分からなくなる可能性があります。不安な方は写真を撮りましょう。

上死点を合わせても、カムシャフトギアに刻印がされていない場合、ギアの裏側を見て頂くと刻印されています。必ず刻印はあると思いますが、もし、無い場合は、油性ペンやケガキでマーキングしておきましょう。油性ペンでもパーツクリーナーで落ちますので、誤って吹かないよう注意です。

このカムシャフトの位置関係を間違って組み付けると、圧縮できず、圧縮圧力が下がりエンジンがかからなかったり、ほかにも、バルブがピストンと接触して両者損傷する可能性もあります。

ですので、エンジンを組んだ後は、スピンナハンドルでクランクシャフトを回して、念の為、干渉が無いかを必ず確認する事をお勧めします。

 

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