ターボとは

ターボとは

目次

ターボの前に過給機とは?

ターボやスーパーチャージャーを付けると速くなる。そう漠然としたイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。

単純に、パワーを上げるには排気量を上げれば良い訳です。50ccより250ccの方が速いです。
よく、モンキーやNSR50等のバイクでは「ボアアップ」といって、50ccから80cc等へとシリンダーを変えて排気量を上げるキットが市販されています。
ターボを使わず、排気量を上げれば良いのではと思われるのではないでしょうか。
しかし、ボアアップには排気量を上げるには限界があります。

仮に、50ccのバイクに100ccのエンジンに乗せ換えた場合、エンジンの重量分重くなります。エンジンは大きくするほど、重量が増します。フレームもそれに耐えれる分の強度を持たせる為に補強するので重くなります。
そこで、排気量を上げる以外の方法に、過給機(ターボ)を使うのが役立ちます。
過給機なら、エンジン重量はそのままで、強制的に空気をエンジンの燃焼室に送り込みます。通常、燃焼室に100入る空気を、120送り込むイメージでパワーを引き出す事ができます。

最近、CMで「ダウンサイジングターボ」とお聞きになられると思います。これも同様で、排気量を下げてターボを搭載する事で軽量で加速は良くなり、更に税金面でも安くなるメリットがあります。

ターボとは

ターボチャージャー

ターボとは、ターボチャージャーの略で日本語で「過給機」という意味です。
通常の自然吸気(NA)エンジンより多くの混合気を燃焼室に送り込む事で、同じエンジンでも容易にパワーアップが可能になります。

熱や運動エネルギーとして廃棄される排気ガスを使用しているので、エンジンのクランクシャフトの抵抗が少ないのが特徴です。
大体40%が排気損失されていますが、ターボチャージャーで大体10%を回収して利用しています。つまり、排気ガスというエネルギーを再利用して、タービンを回し、吸気の吸い込む力を後押ししてるというイメージです。

また、マフラーの触媒は温まってから機能するのですが、ターボチャージャーの後ろに配置される触媒は、温度が温まりにくいので冷間時は有害ガスが排出されやすくなります。
ターボチャージャーは数万~20万rpmという高回転で回るのでオイルを循環して冷却と潤滑を行っている場合が多いです。

かつて、F1ではホンダが1500ccのツインターボ(ターボを2つ使用)で1055馬力を発揮していました。

ターボの仕組み

ターボ 仕組み

出典:日立金属 ターボエンジンの仕組み

ターボチャージャーは、インテークマニホールドとエキゾーストマニホールド間に配置されています。
エンジンは、混合気を燃焼室に送り込んで爆発した後、排気ガスとなります。ターボチャージャーはこの排気ガスの圧を利用してタービンを回します。
タービンは、インテークマニホールド側のタービンと連動しており、インテークマニホールド側も回る事で空気を圧縮してエンジンに送り込む事が可能になります。

ターボの歴史

ターボチャージャーの初めは、車やバイクではなく航空機に使用されていました。
理由は、パワーアップではなく、上空は酸素が薄いのでエンジンを回すには強制的に酸素を送り込む必要があったのでターボを使用したと言われています。
車ではポルシェ(1974年)が初めてターボを載せて、バイクではホンダが初めてCX500(1980年)にターボを載せました。

ターボチャージャーとスーパーチャージャーのメリット・デメリット

過給機で比較されるターボチャージャーとスーパーチャージャーの違いをまとめました。

ターボチャージャー スーパーチャージャー
メリット
  • 高回転域のトルクが上がる
  • 小排気量のバイクでも大きなパワーが出る
  • 排気音が小さくなる(排気ガスがターボチャージャーに当たってから排出される為)
  • 排気損失の有効活用
  • 低・中回転域のトルクが上がる
  • レスポンスが良い(ターボラグが無い)
デメリット
  • 燃費の低下
  • コストがかかる
  • ブーストが掛かるまで多少の時間が掛かる(ターボラグ)
  • 冷却システムを設ける場合がある
  • パーツの耐久性の不安(出力増加に伴って燃焼温度が高くなり、燃焼室の内圧も高くなる為)
  • 高負荷運転時はアイドリングを続けて熱を冷ます必要がある
  • 燃費の低下
  • コストがかかる
  • 冷却システムを設ける場合がある
  • パーツの耐久性の不安(出力増加に伴って燃焼温度が高くなり、燃焼室の内圧も高くなる為)
  • 機会損失が大きくなる

ターボのバイク一覧

1970年代の後半、排ガス規制の影響で4輪業界で出力低下を余儀なくされました。そこで、ターボチャージャーを採用し始めました。
2輪業界は1980年代からターボチャージャーを採用したバイクが生まれました。以下で紹介する車両です。
ホンダはCX500TURBO,ヤマハはXJ850TURBO,スズキはXN85,カワサキは750TURBOです。

ホンダ:CX500 TURBO、CX650 TURBO

1981年当時、世界最小量産型ターボチャージャーを装備したバイク。出力アップに伴い、ミッションを強化。
なんと、フューエルインジェクションをホンダが初めて装備したバイクです。
フロントカウルは特徴的な大型カウルを装備し、サイレンサーに「TURBO」と大きく描かれています。

CX500 TURBO スペック

エンジン:496cm3 水冷4ストロークV型2気筒4バルブOHV
内径x行程 / 圧縮比:78.0×52.0(mm)/7.2
最高出力:82ps/8,000rpm
最大トルク:8.1kg-m/5,000rpm

CX650 TURBO スペック

エンジン:673cm3 水冷4ストロークV型2気筒4バルブOHV
内径x行程 / 圧縮比:82.5×63.0(mm)/8.0
最高出力:100ps/8,000rpm
最大トルク:10.5kg-m/5,000rpm

ヤマハ:XJ650 TURBO

XJ650 TURBO スペック

エンジン:653cm3 空冷4ストローク並列4気筒2バルブDOHC
内径x行程 / 圧縮比:—
最高出力:90ps/5,000~8,000rpm
最大トルク:7.5kg-m/5,000~8,000rpm

世界初のキャブレターターボシステムを搭載した車両です。
風洞実験でエアロダイナミクスを追求したフルカウルを装備しています。スタイリングは、ボートなどのマリン製品で培ったノウハウを駆使していたそうです。

スズキ:XN85

XN85 スペック

エンジン:673cm3 空冷4ストローク並列4気筒2バルブDOHC
内径x行程 / 圧縮比:—
最高出力:85ps/7,500rpm
最大トルク:7.8kg-m/7,500rpm

エンジンは、油冷の元祖となるオイル冷却システムを採用しています。
カタナのイメージを残すハーフカウルも装備。
XN85は開発コードで、それがそのまま車名になったそうです。85は馬力の意味もあるそう。
アンチダイブメカやフルローターサスを採用するなど、足回りも充実していました。

KAWASAKI:750TURBO

750TURBO スペック

エンジン:738cm3 空冷4ストローク4気筒DOHCターボ2バルブ
内径x行程 / 圧縮比:66.0mm x 54.0mm / 7.8:1
最高出力:112ps/9000rpm
最大トルク:10.12kgm/6500rpm

4メーカーの中、カワサキが一番最後に送り出した車両が、750TURBOです。
出力は、112馬力と他メーカーのターボ車より出力が上回っていました。
高出力に耐える為に、大口径フロントフォークに大径ブレーキディスク、強化クラッチを装備。
燃料タンク上にデジタルメーターを装備。
タコメーターがボタンを押す事で電圧計にもなります。
今の価格でいうと、230万前後の価格になるので、高嶺の花な存在でした。
ターボのバイクでは最もメジャーな存在ではないでしょうか。

カワサキ:H2(スーパーチャージャー)

ターボではありませんが、近年、スーパーチャージャーを搭載したバイクがカワサキから市販されました。

スペック

エンジン:998cm3 水冷4ストローク並列4気筒4バルブDOHC(遠心式スーパーチャージャー)
内径x行程 / 圧縮比:76×55/8.5
最高出力:200ps/10,000rpm
最大トルク:14.3kg-m/10,000rpm

カワサキが総力を結集して開発したバイクで、比類なき加速力とトップスピード、スーパースポーツレベルのサーキットパフォーマンスを実現しました。
だれも味わったことのないライディングフィーリングを体感できる究極のロードスポーツです。
自社製スーパーチャージャーにより、高いレベルでのセッティングを実現し、熱の発生を最小限に抑える事で、空気を冷やすインタークーラーを不要としました。重量とスペースの効率も高めています。
アフターマーケットのデータロガーを接続可能とするCANコネクターをアッパーカウル内に装備してます。
工具を使用せず無段階調整可能のプリロードアジャスターを装備し、圧側と伸び側それぞれ22段階減衰調整可能の仕様となっています。
車体左側にスーパーチャージャーの出力特性に適した形状とし、高出力化に貢献しました。

市販されている社外ターボチャージャー

メタルスピード ゼファー1100ターボ

有限会社メタルスピード 様がバイク用ターボを作っておられるようです。
興味のある方はWEBサイトをご覧になってみてはいかがでしょう。
https://www.metalspeed.co.jp/

Q&A

  • 2サイクルエンジンにターボは装着できる?できたらパワーアップする?
    • 市販されている2サイクルエンジンのバイクにターボを装着しても性能アップは見込めないと思います。2サイクルエンジンは、混合気が排気のチャンバー(4サイクルでいうマフラー)まで出てきてはエンジンのシリンダーまで戻ってと、チャンバーに出たり戻ったりと往復運動のような動きをしています。4サイクルエンジンも往復運動のような動きはしていますが2サイクルエンジン程ではありません。なので、構造上の観点からターボを装着してパワーアップは難しいのではないかと思います。はっきりした事は分かりません。
  • ターボラグとは?
    • 仕組み上、排気ガスを利用するので吸気するまで僅かに時間が掛かります。これをターボラグといいます。

 

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