スパークプラグとは
スパークプラグの役割や交換時期、その他マニアックな情報をまとめました。
記事が長いのでお時間の無い方は最下部の「まとめ」をご覧下さい。
今回は、スパークプラグについて解説します。
是非、参考にして頂きたい。
目次
スパークプラグとは
混合気(ガソリンと空気)に点火するパーツです。
燃焼室に入ってきた混合気を圧縮した時に、プラグでスパークを飛ばして火種を作って混合気に着火します。
プラグはスパークで着火すると思っておられるかもしれませんが、正確にはスパークして火種(火炎核)を作ってその火種に混合気が着火します。
スパークプラグの交換時期(バイク用)
NGK
一般・白金・イリジウムIXプラグ:3,000~5,000km
白金プラグ(長寿命タイプ)・イリジウムプラグ(長寿命タイプ):現在設定無し
DENSO
一般的:3,000~5,000km
Iで始まる型式:20,000km
スパークプラグの本当の物理的な寿命は、失火が始まる頃になります。失火すると混合気(燃料と空気)が燃えずにマフラーに入っていくので燃費が悪くなり、カーボンが溜まるのでエンジンが不調になります。
経済的な交換時期として、上記に記載した数値を参考にして下さい。
プラグの交換方法
プラグ熱価の選び方
プラグの熱価の選び方は、温度によって決めます。プラグが最適な温度(約500~950℃の範囲内)で使用する為に熱価を選びます。
熱価は、基本純正の番手で使用します。
プラグ発火部の状態は上記の図を参考に判断して下さい。
焼けすぎ:白っぽい→プラグの番手を上げる(例:7番→8番)
良好:きつね色(4stエンジンは、完全に狐色にならず、多少黒っぽい状態で良好です)→現状の番手で使用
くすぶり:黒い→プラグの番手を下げる (例:8番→7番)
熱価の詳細説明
低熱価プラグは、碍子が長く熱放散が少ないので中心電極の温度は上昇し易いプラグです。
高熱価プラグは、碍子が短く熱放散が大きいので中心電極の温度は上昇し難いプラグです。
プラグの番手が低い低熱価プラグは、プラグの温度が上がり易いので高温になるエンジンに使用するとプラグが許容温度を超えて電極が溶けてしまいます。
プラグの接地電極が溶け落ちて、シリンダーやピストンを傷付けたり、接地電極が無くなったプラグはピストンヘッド(ピストンの頭)にスパークする場合があり、ピストンに穴が開き圧縮が漏れてエンジンが損傷する場合があります。
反対に、プラグの番手が高い高熱価プラグを入れると、プラグにカーボンが付着し、焼き切れずスパーク出来無くなり混合気に着火出来ず、エンジンは停止します。
プラグには、自己洗浄温度というプラグ自身で汚れを落とす温度があります。自己清浄温度は、大体450℃~です。
450℃以上になると燃焼によって自然とプラグに付着したカーボンが除去出来ます。
イリジウムプラグとは
中心電極にイリジウム合金という金属が使う事で、細くでき、より強いスパークを一点に集める事ができ大きな火種を作る事が出来ます。
大きな火種を作ることで、イリジウムプラグは一般的な標準プラグと比べて着火性が向上しています。
着火性が向上すると燃焼状態も向上し、結果的にトルク・燃費共に向上します。
イグニッションコイルの供給電圧とプラグの要求電圧について
イグニッションコイルとは、電圧を増幅させるパーツです。
イグニッションコイル手前に流れてきた12ボルトの電流をイグニッションコイルを通過する事で約30,000ボルト(回転数により変動)にまで増幅します。
供給電圧とは、プラグへ供給する電圧の事で、イグニッションコイルで発生させた30,000ボルトが供給電圧に相当します。
要求電圧とは、プラグが火種を作る為に必要な電圧の事です。
仮に要求電圧25000ボルトなら、供給電圧より下回っているので安定して火種を作れます。燃焼も安定します。
電極は消耗する
火花が放電する電極から酸化により消耗します。放電する電極は、上記画像のように中心電極から接地電極に放電する場合が通常ですが、その反対に接地電極から中心電極に飛ぶ場合もあります。
消耗は電極の材質等によって変化します。イリジウムという材質は消耗量が少ない事からイリジウムプラグが使用されています。
消耗の目安として、大体1万キロで0.1~0.15mm消耗します。プラグの中心電極と接地電極の隙間が開く事で要求電圧は高くなるので、失火が発生する可能性があります。
初めのうちは、中心電極が丸まる事により要求電圧が高まり、その後、プラグギャップが大きくなる(広くなる)事が要因とされています。
消耗しているプラグほど、新品交換した時の効果が体感できます。消耗したノーマルプラグからイリジウムプラグに交換すれば、より体感できます。
プラグシムとは
プラグをシリンダヘッドに取り付けた際に、プラグの向きによって燃焼状態が向上する。という考えの元からプラグの方向を決めるのに使われるシムです。
プラグシムにより厚さを変える事で、プラグの角度を吸気側や排気側に向ける事が出来ます。
実際効果があるのかというと体感は難しいです。
以前、ホンダがF1に参戦するドキュメンタリー番組で、ドライバーがエンジン開発の担当者に「プラグの向きでもう少しパワーアップしないかな?」と話しかけている場面があり返答は「試してみたが、変化はみられなかった。」 ドライバー:「もう一度、やってみて」というやり取りがありました。ホンダのエンジン開発が調べて一旦は変化が無いと判断したという事です。
プラグシムの理屈
プラグの接地電極が吸気側に向くと、プラグが濡れにくく火種の生成を妨げにくいという考え。
プラグの接地電極が排気側に向くと、混合気の流れを妨げにくいという考え。
プラグの接地電極を吸気と排気の中間の位置に向くと、上記の効果が半分、もしくは良い所取りになるだろうという考え。
勿論、答えは分かりませんし、研究をしたらコンマ1馬力以下の差で結果は出てくるのかもしれません。
聞いた話よると、レースの世界で新品レース用プラグを大量に用意してシリンダヘッドに組み付けてた人もいらっしゃったそうです。
圧縮を最大まで高まる箇所でプラグを取り付ける為に、プラグのガスケットを潰して指定トルクで締め付けた状態で、プラグの向きを意図した角度に向くように取り付けるのです。
しかし、プラグは締め付けた状態で全て向く方向が異なるので、意図する角度のプラグに辿り着くまで新品プラグを脱着していたそうです。
プラグに火が飛ばない状態で、セル(キック)を回し続けるとECUが破損する恐れあり
プラグが混合気によって湿気っている状態(カブっている状態)で、無理にエンジンを回し続けるとコンピュータ側に電気が帯電して、限界に達するとパンクする場合があります。
実際、NSR250で起こった症状で、カブった状態でキックし続けて「エンジンが掛からない」と電話があり、調べてみたら原因はイグナイターのパンクでした。
インジェクション車でもカブっている状態でエンジンを回し続けるとECUがパンクする可能性があります。
原理としては、通常プラグは中心電極から接地電極に飛びますが、湿気っていると接地電極にスパークできず電気が帯電する為です。
混合気にエンジンオイルが含まれている2サイクルエンジン車は特に注意しましょう。
プラグは中心電極から接地電極に飛ぶ。その逆もまたある。
通常、プラグは中心電極から接地電極にスパークしますが、イグニッションコイルの種類によっては接地電極から中心電極に飛ぶ仕組みの物もあります。
参考車両のCBR400RR NC29も該当します。
通常、電気の流れとして
バッテリー→省略→イグニッションコイル→プラグケーブル→プラグの中心電極→プラグの接地電極→エンジン→フレーム→バッテリー
とバッテリーに帰ってきます。
しかし、接地電極から中心電極に流れる仕組みは以下の通りです。
バッテリー→省略→イグニッションコイル→プラグケーブル→プラグの中心電極→プラグの接地電極→エンジン→他気筒のプラグの接地電極→他気筒のプラグの中心電極→初めのプラグの中心電極→初めのプラグの接地電極→・・・
と、このようにバッテリーに戻らず、エンジン内でスパークしなくなるまでグルグル回っています。
エンジンを組んで動かない。それはプラグに原因があるかも?
エンジンを組む際に、各可動部やシリンダ壁に添加剤入りのエンジンオイルを塗布した場合、添加剤の成分がプラグ(新品・既存問わず)に付着してスパークしない場合が稀にあります。
一見、プラグが綺麗でも再度新品プラグに交換すると火が飛びエンジンが始動する場合があります。
スパークテストして、正常にスパークしていれば問題ありません。
原因が分からない場合は、プラグをパーツクリーナーで清掃するか交換も対応策に加えましょう。
“テキトウなプラグ"は使用してはいけない
仮に、ストックしてあった農機具用のプラグがあったとします。
そのプラグをバイクに取り付けて、エンジンが始動出来たとしても使うべきではありません。
シリンダヘッドとプラグのネジリーチが合っていないと、ねじ山にカーボンが溜まってしまうからです。
プラグのネジリーチが長過ぎるとピストンと干渉してエンジンが損傷する可能性があります。
反対に、プラグのネジリーチが短すぎるとシリンダヘッドの雌ネジにカーボンが溜まり、次回適正なプラグを装着した際にカーボンをエンジンに落としてしまいます。
シリンダヘッドの雌ネジは、取り外さないとタップを立てて清掃するが出来ないので、必ず適正なプラグリーチの製品を使用しましょう。
バイク用スパークプラグの種類
NGK
一般プラグ
【品番例】BKR6ES【用途】四輪車用・二輪車用グリーンプラグ
【品番例】BKR6E【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 中心電極に90°の溝加工をして、火花が飛びやすくなっています。
- 中心電極の外周よりでスパークするため、電極の消炎作用が少なく着火性が向上します。このため、始動、アイドル、加速時に効果を発揮します。
白金プラグ
【品番例】PFR5G【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 中心電極に白金を使用し、また外側電極の放電部にも白金を採用することによって電極消耗を抑えることができるため、高性能ロングライフプラグです。
イリジウムプラグ
【品番例】IFR5J11【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 中心電極にイリジウムを使用し、また外側電極の放電部にも白金を採用することによって電極消耗を抑えることができるため、高性能ロングライフプラグです。
- IFR5J11は、外側電極に角棒状の白金を採用することにより、より耐久性を向上したプラグです。
【品番例】ILFR6D11【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 中心電極にイリジウムを使用し、さらに外側電極に棒状のプラチナを採用することにより、極限まで、消炎作用を少なくした高性能ロングライフプラグです。
- トヨタシエンタなどに採用されております。
【品番例】SILFR6A【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 外側電極の被りを少なく、更にテーパーカットを施したプラグです。火炎が広がる際に外側電極による消炎効果が少ないため、着火性能に優れます。スバル インプレッサなどに採用されてます。
多極プラグ(ハイブリッド3極プラグ)
【品番例】PZFR5N-11TG【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 通常時には、メインの電極間で飛火します。
- くすぶり気味になった時、サイドの電極間で飛火し、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。
- アウディA4直噴エンジンに採用されております。
(日本特許番号 3140006,3272615)突き出しプラグ
【品番例】ZFR5F【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 発火部突き出し型のプラグです。ホンダやマツダの4輪車に採用されています。
多極プラグ(2極・3極・4極)
【品番例】BKR6EK【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて耐久性を確保することです。また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善する効果があります。
- セミ沿面放電プラグ、BKR6EQUP(絶縁体の表面をスパークさせる)タイプの電極形状は、スパークによって、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。
【品番例】BKUR6ET【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて耐久性を確保することです。また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善する効果があります。
- セミ沿面放電プラグ、BKR6EQUP(絶縁体の表面をスパークさせる)タイプの電極形状は、スパークによって、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。
【品番例】BKR6EQUP【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて耐久性を確保することです。また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善する効果があります。
- セミ沿面放電プラグ、BKR6EQUP(絶縁体の表面をスパークさせる)タイプの電極形状は、スパークによって、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。
【品番例】IZFR6K11【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 発火位置を燃焼室の中心に近くすることで、安定した燃焼を得ることができます。ただし、突き出しプラグは、指定以外のエンジンに使われますと、ピストン、バルブなどに当たりますので、指定以外の車種には使用できません。
- 金具突出しタイプは、外側電極を短くでき、熱、振動による負荷を軽減できます。
沿面プラグ
【品番例】BUHW-2【用途】四輪車用・二輪車用<特徴>
- 外側電極のないプラグです。主に振動の激しい船外機に採用されています。また、F1などレースでも使用されることがあります。
【品番例】BPR6HS【用途】二輪<特徴>
- 2輪車の2サイクルエンジン(スクーター)に多く採用されています。
【品番例】DPR8EA-9【用途】二輪<特徴>
- 六角対辺寸法18.0mmのこのタイプは2輪車の4サイクルエンジンに採用されています。
【品番例】DR6HS【用途】二輪<特徴>
- 2輪車の4サイクルエンジン(古い空冷エンジン)に採用されています。
【品番例】CR8E【用途】二輪<特徴>
- 2輪車の高出力4サイクルエンジンに採用されています。
【品番例】CR8EH【用途】二輪<特徴>
- ホンダ「CBR400R」等に採用されています。
- 取付ねじの部分が特殊な形状になっています。指定以外の車種に使用するとシリンダーヘッドのプラグ取付ねじ穴等に損傷を与えます。指定の車種にのみご使用ください。
【品番例】CR6HSA【用途】二輪<特徴>
- 2輪車小排気量4サイクルエンジンに採用されています。
【品番例】IMR9C-9HES【用途】二輪<特徴>
- CR9EH-9のイリジウムプラグです。
- ホンダCBR1000RRなどに採用されています。
【品番例】MAR10A-J【用途】二輪<特徴>
- ネジ径10mmの2極プラグです。
- 六角対辺寸法が14.0mmと通常(16.0mm)より小さいため、専用のプラグレンチが必要です。
- DUCATI1098などに採用されてます。
【品番例】LMAR8A-9【用途】二輪<特徴>
- ネジ径10.0mmのロングリーチプラグです。
- 六角対辺寸法が14.0mmと通常(16.0mm)より小さいため、専用のプラグレンチが必要です。
- ホンダ/ヤマハのオフロード車に採用されています。
【品番例】ER9EH【用途】二輪<特徴>
- ホンダ「VFR400R」等に採用されています。
- 取付ねじ径8.0mm、六角対辺寸法13.0mmの小型プラグです。
注)取付ねじが径8.0mmと細いので締め過ぎにご注意ください。
●規定締付トルク…0.8~1.0kg-m
DENSO
イメージと実際の商品とは異なる場合があります。
まとめ
- スパークプラグとは、混合気(ガソリンと空気)に点火するパーツ
- スパークプラグの交換時期
- NGK:一般・白金・イリジウムIXプラグ:3,000~5,000km
- DENSO:一般的:3,000~5,000km、Iで始まる型式:20,000km
- スパークプラグの熱価の選び方は、基本純正の番手で使用
- 焼けすぎ:白っぽい→プラグの番手を上げる(例:7番→8番)
- 良好:きつね色(4stエンジンは、完全に狐色にならず、多少黒っぽい状態で良好)→現状の番手で使用
- くすぶり:黒い→プラグの番手を下げる (例:8番→7番)
- 低熱価プラグは、碍子が長く熱放散が少ないので中心電極の温度は上昇し易いプラグ。
高熱価プラグは、碍子が短く熱放散が大きいので中心電極の温度は上昇し難いプラグ。 - 正しい品番のプラグを使用する。
シリンダヘッドとプラグのネジリーチが合っていないと、ねじ山にカーボンが溜まるので注意。 - イリジウムプラグは、中心電極にイリジウム合金という金属が使う事で、細くでき、より強いスパークを一点に集める事ができ大きな火種を作る事が出来るプラグ。
- 供給電圧とは、プラグへ供給する電圧の事。
要求電圧とは、プラグが火種を作る為に必要な電圧の事。 - プラグの電極は、大体1万キロで0.1~0.15mm消耗
- プラグシムの理屈
- プラグの接地電極が吸気側に向くと、プラグが濡れにくく火種の生成を妨げにくいという考え。
プラグの接地電極が排気側に向くと、混合気の流れを妨げにくいという考え。
プラグの接地電極を吸気と排気の中間の位置に向くと、上記の効果が半分、もしくは良い所取りになるだろうという考え。
- プラグの接地電極が吸気側に向くと、プラグが濡れにくく火種の生成を妨げにくいという考え。
- プラグが混合気によって湿気っている状態(カブっている状態)で、無理にエンジンを回し続けるとコンピュータ側に電気が帯電して、限界に達するとパンクする場合がある。
- プラグは中心電極から接地電極にスパークしますが、イグニッションコイルの種類によっては接地電極から中心電極に飛ぶ仕組みの物もある。
- エンジンを組む際に、各可動部やシリンダ壁に添加剤入りのエンジンオイルを塗布した場合、添加剤の成分がプラグ(新品・既存問わず)に付着してスパークしない場合が稀にある。
Q&A
- プラグの接地電極を広げるとパワーが出るといいますが本当ですか?
- 結論から申し上げますとパワーは出るでしょう。プラグの接地電極を広げるという事は、火種を大きく作れる事を意味します。火種が大きくなれば混合気への着火性が向上するのでトルク向上が見込めます。
しかし接地電極を広げるという事は、その分要求電圧も高まるので供給電圧が足りていないと火種を作れずに失火する可能性があります。
プラグの接地電極を広げる場合は、プラグの接地電極と中心電極間のクリアランス(プラグギャップ)を目安として+0.1~0.3の範囲内、社外イグニッションコイルの交換により供給電圧が高まっているようなら目安として+0.1~0.6の範囲内に留めておくと良いでしょう。(社外イグニッションコイルにプラグギャップの記載がある場合は従って下さい)
供給電圧を高めるには、社外の供給電圧が高いイグニッションコイルを変更するのが一般的です。ASウオタニというメーカーが販売しています。
あるいは、イグニッションコイル手前に昇圧機を設置して12V入っていく所を13Vに上げる等すると供給電圧が高まります。但し、この場合純正のイグニッションコイルを使用するので電圧を上げ過ぎるとイグニッションコイルがパンクする恐れがあるので十分注意して下さい。
余談ですが、以前私も昇圧機を自作で作り試してみました。バイクにはレギュレーターという電圧を制御する装置が取り付けられています。レギュレーターは、ジェネレーター(発電機)で作った電気をバッテリーに蓄電させる前に、13~14V程度の電圧に一定に制御するパーツです。電圧を制御しなければ、20Vなど高い電圧をバッテリーに送ってしまいバッテリーがパンクしてしまうからです。
そんな電圧を制御するレギュレーターですが、アイドリングの時点では約12.5Vで安定しているのです。回転数を上げると13.5ボルトで安定しています。そこで、昇圧機を作りイグニッションコイル手前の電圧を常時13.5Vで一定の電圧をイグニッションコイルへ供給すれば、イグニッションコイルへ負荷を掛けずに低速トルク向上が見込めると思い、当時ネットで部品を集めて作りました。結果は、低速トルクが向上しました。例えるなら、ノーマルプラグをイリジウムプラグに変えた位の変化がありました。(車で使用)
上の画像は、回路の試験用として作ったものです。青い矢印のが彫られたダイヤルが可変抵抗で、回すと供給電圧が変わります。確か12V~20V位まで変わったと思います。上の回路を基盤にはんだ付けして、プラスチックのケースに入れて配線が通る穴をケースに開けて防水用のパッキンを付けて完成です。1機1500円掛からず作れたと思います。
- 結論から申し上げますとパワーは出るでしょう。プラグの接地電極を広げるという事は、火種を大きく作れる事を意味します。火種が大きくなれば混合気への着火性が向上するのでトルク向上が見込めます。
- ライターでプラグを熱すれば始動性は上がると噂で聞いたのですが本当でしょうか?
- 本当だと思います。実際に行ったことはありませんが、理屈としては合っていると思います。
プラグの火種を妨げるのは電極(中心電極・接地電極)の面積です。面積が大きい程温度が電極に奪われ、スパーク力が弱まり火種も出来にくく(小さく)なります。
始動時やアイドリング、低回転の加速の低下もプラグの温度の状態が関係しているとされているので、ライターで炙って温度を上げて冷めないうちに始動すれば多少は掛かりが良くなると思います。
- 本当だと思います。実際に行ったことはありませんが、理屈としては合っていると思います。
- プラグの番手を上げれば、エンジンのパワーは上がりますか?
- プラグの番手を変更しても、エンジンパワーは上がりません。エンジンの温度に合わせて適正なプラグを装着するのが望ましいです。純正の番手をサービスマニュアルやネット等で確認して使用しましょう。
- プラグの選び方で、熱価が低いよりは高い方が良いという事ですか?
- おっしゃる通りです。熱価が低すぎて溶けてエンジンを損傷させるより、多少熱価が高い方がダメージは少ないです。なので、低いよりは高い方が良いと思います。
- 高熱価プラグはどんなエンジンに付けられていますか?
- 温度が上がり易い、高回転・高出力エンジンに取り付けられています。単純に、馬力が上がれば爆発力も上がり、燃焼室の温度も上がるのでチューニングしたエンジンはプラグの番手を1つ上げます。
- 乗り方でもプラグは変えるもんですか?
- 乗り方でも変えて良いと思います。例えばプラグをみて高回転まで回さないライダー様にはプラグを1番落とす場合もあります。ですが、基本的に純正の番手の使用をお勧めします。
- プラグを落としたら曲がってしまったのですが、まだつかえますか?
- 交換が望ましいです。電極はそれほど耐久性はありません。物理的に力を加えればすぐ変形します。イリジウムプラグの中心電極なんかは少し力を加えれば直ぐに曲がります。なので、交換する事をお勧めします。因みに、NGKよりDENSOのプラグの方が接地電極は固い印象です。
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