サイレンサーとは

サイレンサーとは

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サイレンサーとは?

yosimura サイレンサー

サイレンサーとは日本語に直訳すると「消音器」であり、主にはエンジンの排気管から排気ガスとともに漏れてくる排気音を消音する目的があります。

エンジンから排出される排気ガスは、非常に高温で高圧であるため、そのまま大気に開放されてしまうと一気に膨張し、爆発音のような騒音をまき散らしてしまうことがあります。

また、日本の法律では、公道を走る自動車やバイクは、製造年ごとに決められた排気音量に収めなければならないため、公道を走行するためには必須のパーツなのです。

そして、サイレンサーは最終的な排気ガスの出口となっているため、バイクの出力特性などに大きく影響を及ぼすパーツでもあります。

サイレンサーの構造

サイレンサーの構造には大きく分けて2種類あり、排気ガスの抜けを重視しエンジンの持つポテンシャルを引き出しやすいストレートタイプと、絶対的な性能よりも静粛性を重視した隔壁タイプがあります。

それでは、下記よりそれぞれの構造の違いや特徴など、さらに細かく見ていきたいと思います。

ストレートタイプ

これは読んで字のごとく、排気ガスがサイレンサーに侵入してくるところから、大気に解放されるまでが1本のまっすぐなパイプ状になっており、排気ガスは大きな抵抗を受けることなくスムーズに排気されます。

排気音を消音する仕組みは、サイレンサー内の排気ガスが通るパイプを、無数に穴の開いたパンチングメタルという金属の板(パイプ)で作り、その周りにグラスウールなどの消音材を巻き付け、排気音を吸収しています。

車と比べて高回転型のエンジンを使用していることが多いバイクでは、排気の抜けを良くすることによる効果は大きく、ストレートタイプのサイレンサーは、本格的なスポーツモデルなどのピークパワーを求めるバイクにはぴったりのサイレンサーです。

また、部品点数も少なく、さらに素材も隔壁タイプに比べ薄くすることが可能で、サイレンサー本体の軽量化も期待できます。

欠点としては、ストレートな構造ゆえ、消音材に吸収されない音波が多く発生し、静粛性はあまり期待できません。

隔壁タイプのサイレンサーの構造は、サイレンサーの中に、隔壁と呼ばれる壁で、通常3~4つ程度に仕切った部屋を設け、サイレンサーに入ってきた高温・高圧なエネルギーを持った排気ガスは、それぞれの部屋に順番に導かれることになります。

サイレンサーの手前までのエキゾーストパイプはもちろん、サイレンサー内の各部屋の通路は細いパイプ状になっているため、排気ガスは新たな部屋に導かれるたびに少しずつ膨張することで、圧力と熱をなくしていきます。

その結果、最終的に大気に開放される頃には、大部分のエネルギーがそぎ落とされるため、静粛性能をもった構造であると言えます。

欠点としては、排気ガスの持っている高圧・高熱のエネルギーを受け止めなければならないため、構造上隔壁やサイレンサーのボディに使用される素材は強固で厚みがなければならず、どうしても重量が重くなる傾向にあります。

また、サイレンサー内は言ってみれば迷路のように、各部屋の入り口と出口が真っすぐではないため、排気ガスの抜けはあまり良いとは言えず、特に高回転時など、排気の圧力が高くなるような場面では、排気ガスの詰りが発生し、ピークパワーを求めることが困難になります。

しかし、先述したように静粛性能には優れた構造であり、純正のマフラーなどでは、隔壁タイプが多く採用されています。

サイレンサーのカスタム

バイクは車と違い、サイレンサーが外からもはっきり見えるモデルが多く、サイレンサーをカスタムしたいと考えている方も多いと思います。

そこで、ここからはサイレンサーをカスタムすることで得られる効果について少し解説していこうと思います。

ドレスアップ

この章の冒頭で述べたように、サイレンサーはバイクの見た目を大きく左右するパーツです。

そして、市販されているサイレンサーには、排気性能だけでなく、見た目にもこだわったサイレンサーがいくつも市販されており、各メーカーとも工夫を凝らした形状はもちろん、使用される素材にもいくつか種類があります。

その使用される素材の種類によって性能だけでなく、見た目も大きく変わり、サイレンサー本体に使用される素材には下記のようなものがあります。

チタン

チタンサイレンサー

チタンは、鉄やステンレスに比べ非常に軽く、また、硬く強度があるため、同じ形状のサイレンサーを製造するうえでも薄くすることができるため、軽く強度のあるサイレンサーを作ることができます。

また、錆についても、鉄やステンレスよりも優秀で、素材の強度と相まって耐久性にも優れます。

そして、チタン製のサイレンサーにみられるあの特徴的な虹色は、熱による影響を受けやすいというチタンの性質により現れるもので、音質は、素材が薄いため比較的高周波よりになっている商品が多く見受けられます。

デメリットとしては、とにかく軽く強度のある素材のため、レースなどでは最もよく使われていますが、やはりネックになるのはその価格で、後述するステンレス製のサイレンサーよりもかなり高額になります。

ステンレス

ステンレスサイレンサー デルタ

家の流し台(シンク)などにも使われ、私たちの生活になじみのあるステンレスですが、正式にはステンレススチールと呼ばれ、鉄にニッケルやクロムを加えた合金です。

鉄よりも錆に強く、強度があるため、スチール製よりも軽量なサイレンサーを製作することができ、さらにチタンよりも柔軟性に富んでおり、加工がしやすく比較的安価な商品が作りやすいという特徴があります。

そのため、純正品から社外のサイレンサーまで、多くの製品で使用され、サイレンサーの素材としては鉄と並んでポピュラーな素材です。

デメリットとしては、まずチタンに比べやはり重たいこと、錆に強いといっても何もしなければやはり錆てしまいますし、金属ですので熱による焼けは発生しますが、チタンのように美しい焼けにはなりません。

しかし、デメリットもいくつか書きましたが、価格性能、耐久性など、サイレンサーに使用される素材の中では最もバランスが取れているため、性能と同じくらいデザインにこだわりたい方や、初めてサイレンサーの交換をする方にはお勧めです。

スチール

スチール サイレンサー

ステンレスよりもさらに身近な素材といえばスチール、つまり鉄です。

とてもポピュラーな素材であるということと、加工がしやすいため、とにかく安価で製造することができることが一番のメリットです。

しかし、錆には弱く、排気熱に晒されるエキゾーストパイプやサイレンサーでは尚更錆びやすいため、通常はメッキや耐熱塗装などでコーティングすることで錆びにくくしています。

そして、もう一つの大きなデメリットはとにかく重たいことです。

素材の強度が他の素材に比べ低く、必要な強度を得るためには、どうしても厚くなってしまうため、重量が増えてしまうのです。

ここまでスチールのデメリットばかり書いてしまいましたが、価格の安さ以外にも、その重さや厚みがあることで、排気音は比較的重く響くような音質になるため、ハーレーダビッドソンなどのアメ車や、旧車には音質とともに見た目にも味が生まれるためお勧めです。

カーボン

アクラポビッチ サイレンサー カーボン

最後にご紹介するカーボンですが、これは金属ではなく、正式には合成繊維などを高温で炭化した素材で、金属ではないため当然カーボン素材の部分は錆びることがありません。

また、素材は非常に軽く強度があるのがメリットと言えますが、高熱には弱いため、バイクの場合はサイレンサーに使用されます。

また、カーボン繊維の編み込まれたことによる独特の模様は、とてもレーシーな雰囲気を演出するため、とても人気のある素材であるとも言えます。

ただし加工がとても難しく、製造コストがかかるため、販売価格は非常に高価になってしまうというデメリットがあります。

そのため、フルカーボンではなく、外側のカバーのみにカーボンを巻いた商品もあり、比較的手軽な価格で、レーシーな雰囲気を手に入れることもできます。

パワーアップ

「バイクは見た目じゃない、性能が最優先だ!」という硬派な方に向けて、パワーアップさせるためのサイレンサー選びについて少し触れておこうと思います。

冒頭でも触れているように、サイレンサーは排気ガスが最後に通過するパーツで、サイレンサーの特性を変えるだけで、特にバイクのような高回転型のエンジンには大きな影響を与えます。

多くの場合、純正のサイレンサーから交換すること多いと思いますが、ほとんどの社外サイレンサーは純正と比べて排気の抜けがよくなるように設計されているため、社外品に交換するだけで、ある程度のパワーアップと、エンジンの回転フィーリングを変化させることができるでしょう。

とは言え、ただやみくもに排気ガスの抜けだけを良くしのでは本当の意味でのパワーアップは望めません。

仮に排気抵抗になるからとサイレンサーを外したとしても、ただ音が大きくなるだけで、パワーアップしないどころか、低回転でのトルクがなくなり、最もエンジンのパワーが出るパワーバンドも狭くなり、まったく意味がありません。

そして社外のサイレンサーには、純正と同じ隔壁タイプや、排気の抜けに重点をおいたストレートタイプ、さらに、隔壁タイプとストレートタイプの良いとこ取りをした併用タイプなど、用途や目的に応じて、さまざまなタイプのサイレンサーが市販されています。

自分のバイクに何を求めるか、どのようにしていきたいのかなどをよく考え、社外サイレンサーを選ぶことが大切なのです。

 

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