バイクの可動部(レバー・ペダル・ケーブル)に使用するお勧め潤滑剤

「バイクの可動部の動きをスムーズにしたい。」バイクにお乗りの方なら、可動部の渋さが気になり、注油をしたいと思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、潤滑剤といっても多くの製品がありますが、バイクのレバー・ペダル・ケーブルの可動部注油にはどのケミカルを使ったらよいのでしょう。この記事では、そのような可動部に使用するケミカルの使い分けの解決にお役に立て頂けると思います。

潤滑系のケミカルは、1回買えば、DIYでの使用でしたら2~5年程は持ちします。DIY向けの安価な潤滑剤から、プロ向けの高価な潤滑剤まで製品はございますが、長持ちするのでプロ向けの製品を使用するのもご検討してみてはいかがでしょう。

今回は、「バイクの可動部(レバー・ペダル・ケーブル)に使用するお勧め潤滑剤」について解説していきます。
是非、参考にして頂きたい。

目次

浸透潤滑剤は、可動部注油には不向き

皆様ご存知、呉工業の「5-56」は、浸透潤滑剤です。
浸透潤滑剤の役割は、主に錆等で固着して緩まないボルトに注油して外し易くするケミカルです。15分程度放置すると、徐々に雌ネジ・雄ネジ間に入り込んで潤滑を行い、外し易くするというものです。
他にも、ドラムブレーキのカムシャフトが異物で固着する場合がありますが、浸透潤滑剤を注油すると外し易くなります。

KURE556の使用用途に、様々な潤滑が出来るように記載があると思いますが、本来の浸透潤滑剤の目的は、「外し易くする事」を目的として使用します。

ワコーズの「ラスペネ」や、ニューテックの「NC-101」も同様に、浸透潤滑剤と記載が有るものは、固着している部品同士の間に浸透させ潤滑させる目的が有ります。

バイクの可動部の注油は、浸透潤滑剤でも潤滑可能ですが、耐久性に劣る為長持ちしません。注油後は、効果が体感出来ますが時間が経つにつれ早い段階で潤滑しなくなりつつなります。
よって、浸透潤滑剤は、可動部注油には不向きです。

バイクのレバー・ペダル・ケーブル可動部に使用する潤滑剤

1.全ての可動部に使える多目的潤滑剤なら、「メンテルーブ」

潤滑剤を1本で、バイクのブレーキレバー、クラッチレバー、スロットルケーブル、クラッチケーブル、ベアリング、チェーン等、1本のケミカルでバイク可動部の全ての潤滑をしたいのでしたら、ワコーズの「メンテルーブ」がお勧めです。100%化学合成オイル使用で、超微粒子フッ素樹脂で、潤滑・防錆・浸透・水置換・低音特性に優れる多目的潤滑スプレーです。
ケミカルを使い分けるのが面倒、安く済ませたい方は、メンテルーブをお買い求め下さい。
理想は、スロットルケーブル・クラッチケーブル・チョークケーブル・デコンプケーブル等のケーブル類全般には、メンテルーブを使用し、レバー等の可動部にはグリスを使用するのが理想ですが、面倒でしたらメンテルーブ1本で全ての可動部に使用して問題ございません。
メンテルーブを使用する場合、定期的に(1ヶ月毎)に注油して頂ければ良好な状態を維持する事が可能になります。渋くってからからでは摩耗が始まっているので、渋くなる前に注油して下さい。
希望小売価格:1600円

2.ケーブル以外は、「スプレーグリス」を使用する

スプレーグリスは、可動部注油には適しています。
可動部には、一定の負荷が掛かります。ブレーキレバーもブレーキを制動させる為にマスターピストンを押しますが、そこには非常に大きな負荷がピポットピンやマスターピストンとレバー側の突起に掛かります。
シフトペダルやブレーキペダルのリンク部・ピポット部にも、負荷が掛かります。
そのような負荷が掛かる状況下では、サラサラした浸透潤滑剤ではなく、ベトベトしたグリスを使用します。

理想は、固形(厳密には半固形)のグリスが最適ですが、固形のグリスは部品を外す必要があるので手間な為、パーツの脱着をせずに潤滑を行いたい場合にはスプレーグリスがお勧めです。

そこで、簡単に可動部注油を行うケミカルが、スプレーグリスです。クレで言えば「グリースメイト」というスプレーグリスが有名です。
価格帯も安価で、DIY向けにお勧めです。
希望小売価格:800円

高品質ケミカルでプロ御用達のワコーズでは、「ブィジーグリース」というスプレーグリスがあります。
このスプレーグリスは、吹いたときは液状ですが、数分で固形化していく特殊なスプレーグリスです。レバーやペダルの可動部に注油すると、入り込んで固形化するので便利です。
価格は、KURE グリースメイトと比較し2倍以上しますが、性能はワコーズがトップクラスなのは多くのバイクショップが使用しているのが証明しています。
希望小売価格:1700円

ワコーズのブィジーグリースより、ニューテックの「スーパーリキッドグリス」が有名かもしれません。液状時は、表面張力が非常に低いので、細部に深く浸透し、数秒で半ドライ状態になり強固なグリス膜を形成するスプレーグリスです。
ニューテックとは、バイクの世界耐久選手権でタイトルを獲得した「F.C.C. TSR Honda France」のスポンサー、車ではスーパーGT 「Racing Project BANDOH」でスポンサーとなっている有名なオイルメーカーです。マニアの中ではオイル・ケミカル共に有名で、愛用者も多いかと思います。価格帯は、比較的高い価格でワコーズと同程度のイメージと捉えて頂ければ良いと思います。
希望小売価格:2200円

3.最良の可動部注油方法は、固形グリスを塗布

シフトペダル可動部 グリス塗布

パーツを取り外して、パーツクリーナーで清掃した後、固形グリスを塗布する方法が確実に潤滑できる方法です。
手間と時間を惜しみたくない方は、こちらの方法でメンテナンスして頂きたいです。

グリスは、ワコーズ ハイマルチグリース2号がお勧めです。シンセティックオイル配合で、耐熱・耐水・潤滑・酸化安定性に優れていて、バイクのアクスルシャフト、レバー、ペダル、ベアリング、スイングアームピポット等、オールマイティに使えるグリスです。バイクメンテナンスで万能グリスを使用する場面では、ハイマルチグリースを使用して頂ければ結構です。1本購入すれば、5~10年は使用できると思います。オフロードバイク等で、スイングアームのピポット部にニップルが付いている場合に頻繁に注油している場合は、消耗は早いと思いますが、アクスルシャフトやレバーに塗布する量は、極少量なのでグリスは相当長持ちします。
希望小売価格:2000円

レバー類のグリスアップは、割と有名かとおもいますが、シフトペダルやブレーキペダルを、メンテナンスされる方はごく少数です。整備後の動作テストを行いますと、動きの渋さからよく分かります。
車検でも通常は行わない場合が多いかと思います。転倒等でペダルが曲がった等の時に分解するので、その時にグリスを塗布するくらいかと思います。

可動部にグリスが介在する事によるフィーリングアップは、ライダーにとって、とても気持ちが良い事でそれが本来あるべき理想の状態です。
グリスが介在しない状態で使用すると、バイクのパーツの摩耗は早くなるので、ライダー・バイク共に気持ち良く走って頂くために、是非可動部注油は実施して頂きたいです。
グリスが介在する気持ちよさは、実施した車両でしか体感する事ができません。

[予備知識]グリスと油潤滑剤の違いとは

項目 グリス(万能グリス等) 油潤滑剤(クレ556・ラスペネ・メンテルーブ等)
飛散
密封性・防塵性 良好 不良
耐衝撃荷重性
冷却性能
給油間隔 長い 短い
注油難易度 複雑 容易
保守管理 容易 面倒(特に油漏れ)
ごみのろ過 困難 容易
潤滑剤の交換 やや繁雑 容易

グリスを使用する場合

グリスは、長期間使用できて、雨水でも流れにくく、耐衝撃性が高いのが、主なメリットです。それを踏まえて以下をご覧下さい。

ブレーキレバー

ブレーキレバーハウジング清掃後 ブレーキレバー

大きな負荷がピポットのピンや、マスターピストンに掛かりますので、油潤滑剤より、グリスの方が耐衝撃荷重性が高いので、グリスの使用が適しています。
マスターピストンにグリスを塗布される方は少ないですが、レバーがマスターピストンに弧を描くように接触する事で摩耗し易いので、グリスを塗布した方が良いです。

アクスルシャフト

リアアクスルシャフト ナット外し段階 リアアクスルシャフトグリスアップ2

水が入って油潤滑剤でしたら流れて錆びて折れる可能性があるので、グリスを塗布しておけば、飛散性は低く錆びにくいので、グリスの使用が適しています。
稀に、錆でアクスルシャフトが外れない場合がありますので、長期間放置車は外して塗布すべき箇所です。

ベアリング

ボールベアリング

ベアリングが回転しているうちに油潤滑剤なら飛散して、潤滑剤が出来なくなって焼き付く可能性がありますので、グリスを塗布したほうが飛散は少ないので適しています。

油潤滑剤を使用する場合

油潤滑剤は、飛散し易いですが、パーツを外さなくても良いので注油方法は簡単で、隙間に入り込んで欲しい状況下に使用できるのが主なメリットです。それを踏まえて以下をご覧下さい。

スロットルケーブル、クラッチケーブル、チョークケーブル等のケーブル類

スロットルワイヤー 注油スロットルワイヤー 注油2

グリスでは、ケーブル内に塗布するのは困難ですので、油潤滑剤が適しています。
※一部の社外ケーブルに、グリスを封入したものがございますので、その場合は取扱説明書に従ってメンテナンスして下さい。

※上記理由は、一部の理由です。

まとめ

  • レバー、ペダル、ケーブル類の可動部注油には、浸透潤滑剤は不向き
  • レバー、ペダル、ケーブル類の可動部注油を1本のケミカルで行うには、「ワコーズ メンテルーブ」がお勧め
  • レバー、ペダル、ケーブル類の可動部注油をケミカルで使い分ける場合
    • ケーブル:メンテルーブ
    • レバー・ペダル:スプレーグリス(パーツの分解が出来れば、グリスが理想)

 

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