[故障診断と対策事例]エンジン始動後レッドゾーンまで吹け上がる

2020年7月17日故障診断と対策事例,サブ整備記事,吸気&排気系

車両

NS-1

HONDA NS-1

50cc,単気筒,キャブレター1個

症状

スロットルグリップを捻った際、開度が異常に狭く(約5mm)しかなく、エンジン始動が困難で、エンジン始動すると、レッドゾーンまで吹け上がってしまう。

考察

スロットル開度が異常に狭く、一気にレッドゾーンまで吹け上がるのは、スロットルワイヤーが引かれている状態と考えます。

多気筒のバイクでキャブレターのスロットルワイヤーが片方だけ上がっていると同様に近い症状が出ます。今回は単気筒でキャブレターは1つですので、こちらは違います。
また、キャブレターのジェットニードルがキャブレターオーバーホール時に誤って曲がりスロットルバルブの動きが制限され開いた状態という場合もありました。

原因

スロットルケーブル 外れている

スロットルケーブルと、キャブレターケーブル・オイルポンプケーブルに変換するパーツであるスロットルケーブルケースがステーから外れ、更にスロットルケーブルがスロットルケーブルケースから外れている事でキャブレターのスロットルバルブが8割程度上がった(開いた)状態でした
オーナー様がキャブレターを分解したとの事でしたので、おそらくケースをステーに取り付け忘れたのでしょう。

2サイクルエンジンなのでスロットルケーブルがそのままキャブレターへ繋がっている訳ではありません。
スロットルケーブルから、キャブレターのスロットルバルブへ繋がるケーブル、オイルポンプのコントローレバーへと繋がるケーブル、2つあります。排気デバイスが装備されているバイクには、排気デバイス用のケーブルもあります。

対策

スロットルケーブル 元に戻す

スロットルケーブルを元通り取り付けました。
また、ワイヤリング(ケーブルや配線の通り道)も正しい位置を通っているのか確認しました。

スロットルケーブル ケッソクバンドで固定

再発防止の為、外れないように結束バンドで固定しました。
スロットルの動きを確認し、エンジン始動後、正常に動作するかを確認して作業完了です。

まとめ

  • 症状:スロットルグリップの開度が狭く(約5mm)しかなく、エンジン始動が困難でエンジン始動すると、レッドゾーンまで吹け上がってしまう。
  • 原因:スロットルケーブルケースがステーから外れ、更にスロットルケーブルがスロットルケーブルケースから外れている事でキャブレターのスロットルバルブが8割程度上がった(開いた)状態。
  • 対策:スロットルケーブルを元通り取り付け、再発防止の為外れないように結束バンドで固定。

 

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