バイクのリアブレーキランプスイッチ交換方法
リアブレーキランプスイッチは経年劣化により接触不良が発生してブレーキランプが点灯しなくなる場合や、ブレーキランプスイッチのロッドとアウターの間にダストが溜まることで動きが渋くなり点灯が不安定になる場合があります。
対策としてリアブレーキランプスイッチのオーバーホール、もしくは交換が必要になります。
今回はリアブレーキランプスイッチの交換方法を解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 交換時期: ブレーキランプが点灯せず、原因がブレーキランプスイッチの場合
- 時間: 約20分
- 費用: 約1,500円
- ブレーキランプスイッチ:約1,500円
- ショップ工賃: 約1,500円
- 難易度: ★★☆☆☆
作業手順
1.リアブレーキランプスイッチ取り外し
ステップホルダーの固定ボルトを取り外し、ステップホルダーを取り外しましょう。
マフラーやカウルに傷がつかないようウエスで保護しましょう。
ブレーキランプスイッチの調整ナットをいっぱいまで調整ナットを上げましょう。
ブレーキランプスイッチのスプリングをブレーキペダルから取り外しましょう。
ラジオペンチかスプリングの張力はそれほど強くないので手で取り外しするのも良いかもしれません。
ブレーキランプスイッチのスプリングをブレーキスイッチから取り外して保管しましょう。
ウインカーリレーの裏側にブレーキランプスイッチのカプラーが取り付けられているので、作業の支障となるウインカーリレーを取り外します。
ブレーキランプスイッチのカプラーを取り外しましょう。
ケーブルクリップで配線を保持されている場合はケーブルクリップを取り外しましょう。
上記画像のようなケーブルクリップの場合、マイナスドライバーを割り込ませる事で取り外す事が出来ます。
ブレーキランプスイッチを配線ごと取り外しましょう。
配線の通り道(ワイヤリング)を覚えておくと取り付け時の作業がスムーズに進みます。
配線の通り道はサービスマニュアルのワイヤリング図でも確認いただけます。
今回は交換ですが参考車両のタイプならオーバーホールする事も可能です。
2.タップ・ダイス
ステップホルダーの雌ネジと固定ボルトにタップ・ダイスを掛けましょう。
タップと固定ボルトに浸透潤滑剤を塗布してタップ・ダイスを掛けましょう。
詳しくは、タップ・ダイスの使い方をご覧ください。
3.リアブレーキランプスイッチ取り付け
配線を指定の位置に通しましょう。
ワイヤリングを間違うとブレーキランプスイッチをステップホルダーに取り付けた時に配線が張って取り付け出来ない場合やリアサスペンション付近に絡んで断線する可能性もあるので注意しましょう。
詳しくは、サービスマニュアルのワイヤリング図で確認して下さい。
カプラーを取り付けましょう。
取り付け前にカプラーに接点復活剤を吹いて接点を保護しておくと良いでしょう。
ケーブルクリップが使用されていた場合はケーブルクリップに配線を取り付けましょう。
上記画像のケーブルクリップは押し込むことでツメが固定されます。
スプリングをブレーキランプスイッチに取り付けましょう。
キルスイッチがある場合はOFFにして、イグニッションキーをRUNにしてブレーキランプスイッチの動作確認をしましょう。
ブレーキランプスイッチのスプリングを引き、ブレーキランプが点灯するか動作確認しましょう。
スプリングを引くとブレーキランプが点灯します。
スプリングを戻すとブレーキランプが消灯しテールランプのみ点灯した状態になります。
ブレーキランプスイッチの調整用ナットをいっぱいまで上げ、ステップホルダーに取り付けましょう。
ブレーキランプスイッチのスプリングをブレーキペダルに取り付けましょう。
スプリングの取り付け向きの詳細はサービスマニュアルで確認しましょう。
ステップホルダーの固定ボルトを指定トルクで締め付けましょう。
トルクレンチは持ち手の中心線を垂直にゆっくり力を掛けて締め付けましょう。
詳しくは、トルクレンチの使い方をご覧ください。
4.ブレーキランプの点灯タイミング調整
ブレーキランプの点灯タイミングを調整しましょう。
ブレーキランプスイッチ上部をつまんで引き上げた後、調整用ナットを回転させて調整しましょう。
詳しくは、ブレーキランプ調整方法をご覧ください。
まとめ
- リアブレーキランプスイッチ取り外し時、調整ナットをいっぱいまで緩めてスプリング・配線のカプラーを取り外してからブレーキランプスイッチを取り外す。
- リアブレーキランプスイッチ取り付け後、ブレーキランプの点灯タイミング調整を行う。
Q&A
- ブレーキランプスイッチを取り外す際に調整ナットをいっぱいまで緩めてありますが、なにか理由があるのでしょうか?
- 調整ナットをいっぱいまで上げる事でブレーキランプスイッチの取り外しが容易になります。
- ブレーキランプの点灯が不安定気味なのですが、どうすれば良いでしょうか?
- 配線の通りをサービスマニュアルのワイヤリング図で確認して配置しましょう。配線は、適正な位置を通らないとブレーキランプスイッチに負荷が掛かり接点の接触不良になる場合があります。
ブレーキランプスイッチのロッド部分にホコリなどの異物が付着するとロッドの動きが渋くなるので点灯タイミングが一定にならず、毎回タイミングが早まったり遅まったりする場合があります。ブレーキランプスイッチを分解できれば分解してロッド部分に万能グリスを薄く塗布すると改善しますが、塗布量が多いとスイッチの不具合を引き起こす可能性があるので薄く塗布しましょう。もしくはブレーキランプスイッチを交換しましょう。
- 配線の通りをサービスマニュアルのワイヤリング図で確認して配置しましょう。配線は、適正な位置を通らないとブレーキランプスイッチに負荷が掛かり接点の接触不良になる場合があります。
- ブレーキランプが常時点灯しているのですが、どうすれば良いでしょうか?
- ブレーキランプスイッチの調整ナットがしっかり固定されていない可能性があるので、再度取り付け具合を確認しましょう。
それでも改善しない場合は、スイッチが故障している可能性があるのでブレーキランプスイッチを取り外して、イグニッションキーをONにしてピンを引き押ししてブレーキランプに変化があるか確認しましょう。点灯が不安定になるようならブレーキランプスイッチを交換しましょう。
症状が変わらないようなら、ブレーキランプスイッチの配線を取り外してからイグニッションキーをONにしてブレーキランプが消灯するのを確認して、ジャンパー線でプラスとマイナスを繋げて(短絡。ショートともいう。)してブレーキランプが点灯すればブレーキランプスイッチが原因なので交換しましょう。
- ブレーキランプスイッチの調整ナットがしっかり固定されていない可能性があるので、再度取り付け具合を確認しましょう。
- キルスイッチをOFFにしてブレーキランプの点灯確認をしていますが、なにか理由があるのでしょうか?
- キルスイッチをONにしてイグニッションキーをONにすると、イグニッションコイルに負荷が掛かるので整備で動作確認する際にセルを回さないときはキルスイッチをOFFにしましょう。
- ブレーキランプスイッチの仕組みはどのようになっているのでしょうか?
ブレーキ簡単用語解説
- ブレーキパッド:ブレーキディスクと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。キャリパーに装着されている。
- パッドスプリング:ブレーキパッドにテンションを与えブレーキパッドの脱落防止の役割。
- パッドピン:ブレーキパッドを保持する役割。
- ピンプラグ:パッドピン脱落防止の栓
- シム:ブレーキの鳴き防止とブレーキフルードへの断熱の役割。
- ブレーキディスク:ブレーキパッドと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。ホイールに装着されている。
- ブレーキキャリパー:ブレーキパッドをブレーキディスクへ押さえつける役割。
- キャリパーピストン:ブレーキパッドを押す
- ダストシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、雨水やほこりをキャリパー内に入り込ませない役割。
- オイルシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、キャリパー内のブレーキフルードを留めておく役割。
- リザーバータンク:ブレーキフルードを一時的に保管する場所。ブレーキフルードが減少すると外から空気が補充して常に大気圧をちブレーキフィーリング低下を防ぐ。
- ブリーダー:ブレーキフルード交換時にブレーキフルードを排出する役割。
- ブレーキマスター:ブレーキフルードを圧送する役割。
- ブレーキレバー:ブレーキマスターのピストンを押し、ブレーキマスターを機能させる役割。
- テールランプ::後続車へ走っている事を知らせる車体後方のライト。
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