ヘッドライトとは
目次
ヘッドライトの役割
ヘッドライトの持つ役割は、夜間やトンネルなどで視界を確保することはもちろんのこと、昼夜問わず自分の存在を周囲にアピールするという目的があります。
そのため、現在は例え昼間であってもヘッドライトを点けて走行することが義務付けられているのです。
昼間のヘッドライト点灯
昼間にバイクがヘッドライトを点灯させなくてはならなくなったのは、「道路運送車両法」の保安基準32条(前照灯)の定めにより、エンジンが作動しているあいだは、ハイビームかロービームのいずれかが点灯している構造でなければならないとされているためです。
「昼間なら問題なくお互いに見えているじゃないか」と思う人も多いと思いますが、車などに比べ、やはりバイクは小さく、特に交差点を直進する場合などでは、周囲の風景に溶け込みやすく、右折するために待機している車や、対向車から見落とされてしまう危険性が高いのです。
さらに、歩行者や自転車も対象物としては小さい存在ですが、バイクは移動しているスピードが速いため、より危険度が高いとされています。
自分の身は自分で守るためにも、昼夜問わずヘッドライトを点灯させるようにしましょう。
昼間点灯が義務ではないバイクは?
正確に言うと、すべてのバイクが、昼間にヘッドライトを点灯する義務があるわけではありません。
上記でお話した道路運送車両法の保安基準は、平成10年4月1日に改正され、常時点灯が義務化されましたので、それ以前に製造されたバイクにはこの法律が適用されません。
そのため、平成10年4月1日以前に製造されたバイクであれば、昼間にヘッドライトを点灯していなくとも良いということになります。
しかし、先述したように昼間にヘッドライトを点灯させることで、自分の存在をアピールすることは、事故防止に大きく役立ちます。
また、最近では昼間のヘッドライト点灯が一般化してきました。
したがって、例え平成10年4月1日以前に製造されたバイクに乗っていても、安全のために走行中はヘッドライトを点灯させるようにしましょう。
ヘッドライトのカスタム
ヘッドライトは、バイクの見た目においても、人間の目のような捉え方をされることが多く、ヘッドライトのカスタムはバイクの印象をガラリと変えることができます。
ここからは、代表的なヘッドライトのカスタムについて触れていきたいと思います。
ヘッドライトカスタムの第一歩はバルブ交換
もっとも費用をかけず、なおかつ手軽に行えるのがバルブ(電球)交換でしょう。
ヘッドライトバルブには、「H4」「H7」「H6M」といったように、それぞれ決められた規格が存在しますので、もともと装着されていたものと同じ規格及びワット数のものを使用します。
交換自体もさほど難しいことはありませんので、数千円程度の部品代のみで手軽に光の色を変更することができます。
交換方法については「https://allmaintenance.jp/headlight-bulb-replacement/」でも詳しくご紹介していますので参考にしてください。
周りとは違うという優越感が持てるHID
HIDとはHigh-intensity dischargeの略で、日本語に直すと高圧放電灯と言う意味になります。
メーカーによって呼び名が変わり、HID以外には、キセノン、ディスチャージなどとも呼ばれます。
ハロゲンやLEDよりも強く鋭い光が特徴で、今では上級グレードの車やバイクには純正で採用されている場合もあります。
原理としては家の蛍光灯に似ていて、バラスト(安定装置)とイグナイター(昇圧装置)によって生み出された数万Vという高い電圧を、バルブの中に放電し発光させています。
ハロゲン球がフィラメントという電線を発光させるのとは違い、HIDはフィラメント切れを起こすことはありません。
点灯させるときには「ンッパッ」と一瞬のタメがあるのも大きな特徴です。
もともとハロゲンヘッドライトのバイクをHID化するためには、社外品のHIDキットを購入することになりますが、現在市販されている製品は取り付けがしやすく設計されていますので、付属の説明書を頼りに一般の方でも比較的容易に取り付けることができるでしょう。
ただし、HIDが作動する電圧は非常に高電圧のため、少しでも不安がある場合はカスタムショップなどに取り付けを依頼する方が無難です。
時代の最先端はLED化
今では車バイク問わず、純正でLEDヘッドライトが採用されたモデルが増えてきました。
LEDはlight emitting diodeの略で、日本語では発光ダイオードと言います。
特徴は点灯までの速さで、一瞬タメのあるHIDはもちろん、ハロゲンと比較しても格段に速く点灯し、実際の使用ではそれほど影響はありませんが、その違いは一目瞭然です。
また、発光する光の色も、HIDが封入するガスの成分を調整することで調整しているのに対し、LEDは混じりけが無く、より純白に近い白色となります。
さらに、発熱量の低さや高寿命などHIDよりも勝っているとされる点はいくつもありますが、ただ一点、まだHIDに敵わないとされている点があります。
それは、明るさです。
LEDを使った車やバイク用のバルブは何年も前から市販化されていましたが、絶対的な明るさの必要なヘッドライトにはなかなか採用されませんでした。
今でこそ純正ハロゲン球以上の明るさを出せるようになり、純正でも採用されるようになりましたが、純粋な明るさではまだHIDには敵いません。
とは言え、ラリーのように砂漠のど真ん中を走行するようなシュチュエーションでもない限り、現在市販されているLEDは、普段使用するには十分な明るさを有しています。
交換に関しては、HIDよりも部品点数が少なく、交換用バルブの中にすべての部品が収まっていますので、純正バルブを交換する要領で比較的容易に交換することができます。
カスタムの醍醐味はヘッドライト交換
ここまでは、ヘッドライトバルブの交換についてお話ししてきましたが、アメリカンやネイキッドタイプのバイクであれば是非挑戦してもらいたいのが、ヘッドライトごとの交換です。
市販されている社外ヘッドライトにはさまざまなタイプがあり、レトロ感を演出できるメッキタイプのものから、カーボンなどを使用した軽量タイプのものまであります。
冒頭でもお話したように、ヘッドライトは人間で言えば目のような位置づけですので、ヘッドライトごと交換すれば、愛車のイメージを大きく変えることができます。
ヘッドライトの車検におけるポイントは?
ヘッドライトをもっと明るくしたい、純正ハロゲンの黄色味がかった色を変更したいと思っているユーザーも多いと思います。
ですが、車検や公道で使用する上で、注意しなくてはならない点がありますので、ここからはヘッドライトを交換する際の注意点いついて解説していきます。
なお、これからご説明する内容で、車検においてNGということは、公道での使用は不可ということになりますので、車検の無いバイクにお乗りの方も是非参考にしてください。
ヘッドライトの点検内容
ヘッドライトが車検で検査される内容は、明るさと向きです。
細かな数値は割愛しますが、決められた明るさ(光度)と、照射される光には向きや高さが決められています。
そのため、あまり暗いヘッドライトや、ハイビームとロービームの切り替えができないヘッドライトは公道で使用することができません。
車検NGにならないためのポイント
まず、ヘッドライトバルブを交換するときに気を付けていただきたいのが、「K(ケルビン)」という単位で表される「色温度」です。
社外のヘッドライトバルブのパッケージに書いてあることが多いため、目にしたことがある人も多いと思いますが、この色温度(ケルビン)が高ければ高いほど、光の色は青くなっていきます。
純正の一般的はハロゲン球の色温度は3200K、純正HIDで4000K~4500K、ちなみに太陽光は5000K~6000Kと言われています。
上記でお話したように、保安基準では一定の明るさが必要で、その明るさを表す単位はcd(カンデラ)です。
そして、色温度が高くなり青色に近づけば近づくほど光は吸収されやすいため、ヘッドライトの見た目は明るくとも、その光は遠くまで届かず、結果暗くなってしまいます。
そのため、車検にも問題なく、さらに光がさらに吸収されやすいとされる雨の日などでも問題なく使えるのは6000K程度までと覚えておきましょう。
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