フレーム

目次

フレームの役割

フレーム ジークラフト

バイクにとってフレームとは、人間で言えば骨格にあたるようなもので、エンジンやサスペンションなどの主要なパーツが取り付けられています。
また、フレームには加速やコーナーリング時の力や、路面の凹凸からくる衝撃といったあらゆる力を受け止め、吸収するという役割もあります。
このように、バイクのフレームには、ガッチリとした強さ=剛性と、力を吸収しいなす柔らかさ=柔軟性という相反する2つの性能が求められているのです。

すなわち、冒頭フレームは人間で言う骨格であるということを述べましたが、体幹を支える筋肉のような役割も担っており、バイクの性能やキャラクターを決定づける重要なパーツであると言えるでしょう。
そのため、各バイクメーカーは、フレームの形状や素材などさまざまなことを日夜研究しているのです。

バイクフレームに使われる素材

フレームの形状や構造についての詳細は下記にて詳しく説明しますが、フレームの特性を大きく左右する要素としては、フレームの素材がとても重要になります。
バイクや車が発明された創世記には木製フレームからスタートし、やがて鉄を中心とした金属フレームへと変わりますが、今ではアルミ合金を使用したフレームが主流です。
世界最高峰のバイクースであるMoto GPなどでは、かつてドゥカティがカーボンを用いたフレームを使用した「デスモセディチGP9」というGPマシンを導入し、初戦から勝利を収めるなどライダーからも好評を得ていました。
ですが、余計なコストがかかりすぎるという理由と、やはり基本構造がトラスフレームを省略したフレームレス構造では限界があり、現在はアルミ合金のツインスパーフレームへと変更されています。

フレームの種類

現代のバイクのフレームは非常に種類が多く、また、各メーカーによって独自のネーミングがされているため、非常にわかり辛いという方も多いことでしょう。
ここからは代表的な名称を用いて、どのようなフレームがあるのかをご紹介していきます。

クレードルフレーム

クレードルフレーム

クレードルとは「ゆりかご」を意味し、ちょうどエンジンを上下から取り囲むような形状をしています。
もっとも基本的なフレームの形状で、全てのフレームはこのクレードルフレームから進化していったと言っても良いでしょう。
クレードルフレームには大きく分けて下記の3種類に分類することができます。

シングルクレードルフレーム

基本中の基本とも言えるフレームで、エンジンの周りを1本のフレームで取り囲むようになっておりちょうど自転車のフレームを思いう出していただくと良いと思います。

現代のバイクでは、高出力なエンジンと、使用速度域が高いためシングルクレードルフレームでは剛性足りず、今ではほぼ使用されることの無いフレームです。

ダブルクレードルフレーム

クレードルフレーム

ダブルと言うネーミングにあるとおり、ステアリングステムから左右2本に分かれ、エンジンを四方から囲むようになっています。

シングルクレードルフレームに比べ剛性が高く、ホンダのCBシリーズや、ヤマハのXJRシリーズなどにも使用され、剛性感のあるしっかりとしたフレームと言えるでしょう。

ただし、パイプの本数が増えた分、重量が増えてしまうという欠点があります。

セミダブルクレードルフレーム

シングルクレードルフレームの軽量さと、ダブルクレードルフレームの剛性の良いとこ取りを狙ったフレームで、エンジン下側のフレームが途中から2本になっています。

高速域の剛性ではなく、軽さとしなやかさを重視したい場合に採用されることが多く、ハーレーやオフロードバイクなどもセミダブルクレードルフレームを使用しています。

ダイヤモンド/バックボーンフレーム

エンジン自体に剛性部品としての役割を持たせているのがダイヤモンドフレーム、エンジンは吊り下げているだけというフレームをバックボーンフレームと呼び分けていますが、現在はあまり厳密な分け方はされていません。

どちらもエンジン下側にフレームがなく、エンジン上部にメインフレームが通っています。

メリットはエンジン下側にフレームが無いため軽量化でき、レイアウトの自由度が増すことが挙げられ、小排気量のバイクではバックボーンフレームが、ハイパワーのバイクではダイヤモンドフレームが採用される傾向にあります。

アンダーボーンフレーム

アンダーボーンフレーム

上記のバックボーンフレームとは逆に、エンジン下側にフレームを通した形状で、スクーターなどに用いられる形状です。

ボックスフレーム

ダイヤモンドフレームの発展形とされ、エンジン上部のフレームを左右に分け、更にエンジンの横に持ってきたような形状で、太いメインフレームを持っています。

メインフレームの断面は「日」や「目」のようにすることで剛性を稼ぎ、内部を空洞とすることで、吸入空気のダクトを兼ねたものや、燃料タンクとして使用するモデルもありました。

エンジンの左右を通るメインフレームは、アルミ合金でできた、まさしくボックス状で、今ではボックスフレームをベースに進化したフレームが多く使われています。

ツインスパーフレーム

CBR900RR フレーム

ボックスフレームから進化した代表的なフレームで、ホンダの「アルミツインチューブフレーム」やヤマハの「デルタボックスフレーム」も含まれます。

特徴は極太のメインフレームが、ハンドルステムからスイングアームのピボットまでを一直線につなぎ、エンジンを左右から抱え込むようになっており、アルミ合金を使用したフレームでは最も剛性が高い構造です。

軽量且つ剛性が高いため、スーパースポーツ車に使われ、特に国産メーカーが好んで使うフレームとも言われています。

トラスフレーム

トラスフレーム

引用:DUCATI

トラスとは複数の三角形による骨組構造という意味で、メインフレームをトラス構造とし、エンジンも剛性部品の一部としたダイヤモンドフレームにも似たフレームです。

太さの違うパイプを組み合わせることや、必要なところに補強を入れるなど、用途に応じて比較的自由に設計しやすいという特徴がある一方、パイプの溶接に手間がかかり大量生産には向きません。

トラスフレームを好むメーカーとして有名なのが、イタリアの名門メーカーであるドゥカティで、トップカテゴリーであるMoto GPのレース車両にも2008年までトラスフレームを採用していました。

ただ、極限の速さを競うMoto GPでは剛性不足であることは否めず、現在のMoto GP車両には使われていません。

しかし、市販車に目をやると、ホンダのVTRなどにも採用され、軽量で強さとしなやかさを持った優秀なフレームであることは間違いありません。

モノコックフレーム

モノコックフレーム

引用:KAWASAKI

自動車の構造としてもっともポピュラーな骨格としてご存知の方も多いと思いますが、自動車においてのモノコック構造とは、フレームを持たず、シャシとボディが一体となって剛性を得る構造のことを言います。

これをバイクのフレームに置き換えると、ツインスパーフレームの上にふたをするような形で、フレーム内の空洞部分にはエアクリーナーボックスなどの機能部品が収められています。

モノコックフレームを採用している市販車は、カワサキのZX-14Rやパニガーレなどが挙げられますが、バイクのフレームにおいてはそれほど一般的な構造ではありません。

フレームレス

読んで字のごとく、フレームを持たない構造で、各パーツはサブフレームのようなもので繋がれているだけで、エンジン自体を主な剛性部品とし、フレームを無くすことで軽量化を図っています。

市販車ではBMWなどが積極的に取り入れており、エンジンとシャフトドライブのドライブトレインがフレームの役目を果たしているのです。

フレームに求められる性能

冒頭から何度かお話しているように、バイクのフレームには「剛性」と「柔軟性」という相反する2つの要素が求められます。

剛性が低いと、特に高速域での直進安定性が低下し、コーナーでは前後のタイヤ、バイク、自分がズレたような、または捻じれるような感覚になり、コーナーリングスピードは落ちてしまうでしょう。

逆に、剛性が高すぎると、高い負荷をかけなければフレームが撓まず、常に突っ張った状態となるため、低速コーナーや滑り易い路面での粘りがなく扱い辛いバイクになってしまいます。

そのため、市販車のスーパースポーツに乗る方の中で、雨の日が苦手という方や、恐怖を感じる原因は、スーパースポーツのフレームが他のカテゴリーのバイクに比べて高剛性のフレームを使っているためと言えるのです。

このように、バイクのフレームは、そのバイクの性質を大きく左右するパーツであり、各メーカーともフレームの研究と開発には力を注いでいます。

また、他のパーツに比べフレームは簡単にチューニングできるものではないため、タイヤやサスペンションなどを交換またはチューニングすることによって、そのバイクに不足していると思われる要素を補うことができるのです。

 

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