エンジン系の整備小技集

オイルチェックボルトからのオイル量の計測

オイルチェックボルトを取り外します。
ワイヤーをL字に曲げて、オイルチェックボルトから差し込むと、オイル量を点検できます。オイル量は、チェックボルトの下まで入っているのが正常です。減少している場合は交換しましょう。
点検・注油時は、車体を水平にするのを忘れないよう注意しましょう。液体関係は全て車体は水平にして点検・交換しましょう。

湿式クラッチのミッションオイルの場合、オイルはクラッチ板の汚れを吸収するので汚れますが、湿式クラッチ以外のオイルは基本あまり汚れません。ですが、オイルは劣化するので2~4年を目安に交換しましょう。
稀に、未交換で数万キロ走り、オイルが漏れているのに気付かずギアが痛んでいる車両もあります。特に排気量250cc以下の車両は要注意。

ボクサーエンジンはオイルを消費する

バイクのボクサー(水平対向)エンジンといえば、BMWです。横型(honda カブ等)・空冷エンジンは、縦型・水冷エンジンに比べて、エンジンオイルが減り易いです。原因は、縦型に比べて横型は重力の関係でオイルが落ちにくい。水冷エンジンに比べて空冷エンジンは、ピストンとシリンダーのクリアランスが大きく取ってあるので、オイルが燃焼室に上がってきて燃えるからだと考えられます。昔のBMW R100RSは、特に減り易かったようで、一日ツーリングに行って帰ってきたら500cc程減っていたとオーナー様が仰っているほどです。現在は技術も良くなり、オイル消費量が減りました。BMWのサービスマニュアルが入手できるようでしたらそこに「オイル消費量」という項目があると思うのでご覧になってみて下さい。

画像は、R1200RTのスパークプラグ。1気筒に2つのスパークプラグが装着されているツインプラグ方式です。1つは、シリンダーと垂直に、もう1つは、斜め45度位の角度で下側から取り付けられています。このスパークプラグは、下側のもので画像拡大して頂ければオイルが付着しているのがお分かりいただけると思います。電極にはカーボンが溜まっているものが多いです。上側のスパークプラグは、オイルは付着しておらず綺麗な場合が多いです。

エンジンを分解する前に上死点に合わせると組立が楽になる

フライホイールにTのマークが付いています。そのTマークとケースのスリットに合わせます。

この上死点を合わせる理由は、組立時にカムシャフトの位置関係を合わせやすくする為です。
上死点時に、カムシャフトのケガキはこの位置なのかと確認し、写真に撮っておきましょう。
個人的な考えですが、圧縮上死点でも排気上死点でも、カムシャフトの位置関係が分かればどちらでも問題ありません。
もし、忘れても、サービスマニュアルに記載してありますのでそちらを参考にすればよいでしょう。手早く作業を進めるためには、撮影して確認しておいた方が手早く、そして安心です。

ハーレーは、このTマークが無いと聞きます。そのような車両はプラグホールに細いマイナスドライバーを入れて、クランクシャフトをスピンナハンドルで回して上死点を出します。
TマークにもT1やT2と2つ刻印されている場合があり、もし、うっかり車両を移動させる際にギアが入っていてクランクが回ってしまってどちらか分からなくなる可能性があります。エンジン分解時と、配線と、スクリュー関係で元通り組めるか不安な場合があれば、スマホで写真を撮りながら進めると良いでしょう。

2番目の画像は、上死点を合わせて、カムシャフトの刻印が分からなかった為、油性ペンでマーキングして撮影しておきました。外したらカムシャフトのギアの裏側に刻印されていました。必ず刻印はあると思いますが、もし、無い場合は、油性ペンやケガキでマーキングしておきましょう。油性ペンでもパーツクリーナーで落ちますので、誤って吹かないよう注意です。

このカムシャフトの位置関係を間違って組み付けると、圧縮できず、圧縮圧力が半分ほどになってエンジンがかからなかったり、ほかにも、バルブがピストンと接触して両者損傷する可能性もあります。

ですので、エンジンを組んだ後は、スピンナハンドルでクランクシャフトを回して、念の為、干渉が無いかを必ず確認する事をお勧めします。

ブローバイが多い場合は、エンジン腰上オーバーホールを検討

ブローバイとは、燃焼室で爆発した混合気が、ピストンとシリンダーの隙間を通ってクランクケースに入ってきたものを指します。昔は、これを外へ排出していたそうですが、環境汚染になるという事で、エアクリーナーボックスへブローバイを戻して、もう一度燃焼させようと考え、大半のバイクはこの仕組みを取っています。
燃焼室にカーボンが付着するから嫌という方は、オイルキャッチタンクをつけて、そこにブローバイを貯めるのも良いかと思います。

そんなブローバイ。もし、エアクリーナーボックスにオイルが溜まっている事があれば、ピストンリングが摩耗していたり、シリンダー・ピストン・ピストンリングに損傷が発生している可能性があります。スパークプラグ交換時にエアブローしないと小石が入り込んで、深い傷やピストン・リングに欠損があるものも珍しくはありません。距離も4~5万キロ乗っていてブローバイが多ければ一度、腰上だけで良いのでオーバーホールする事をお勧めします。

使用済みガスケットでも使用できる場合もある

液体ガスケット 灰色

使用済みのエキゾーストガスケット。取り外して、液体ガスケットを塗布すれば再利用可能な場合もあります。
取り付けたら、1日程度(指定時間)待機してから、エンジンを始動して排気漏れがないか点検しましょう。排気漏れしていなければ再利用可能です。
外装は付けないで、待機するのが重要です。

エキゾーストガスケットは、取り付けられていないと誤解される方もいらっしゃいますが、必ず取り付けられています。大抵の場合、画像のようにエンジンかマフラー側に張り付いています。

ギアオイルも要交換

ギアオイルはあまり汚れないので、オイル交換をされない方が多いかと思います。金属同士が擦れ合うのを防ぐために、オイルがクッションとなっていますが、やはり少しずつ摩耗していきます。画像は、磁石がついているドレンボルトです。先端の磁石に鉄粉が付着しているのがお分かり頂けるかと思います。
オイルの中にも、鉄粉を吸収しているので、4年に1度で良いので新品オイルに交換しましょう。
該当する車両は、スクーターのギアオイル、2サイクルエンジンのミッションオイル、VMAX等のシャフトドライブ機構のギアオイル。その他、ドライブチェーンが付いていない車両全般はギアオイルが入っていますので交換しましょう。

ギアオイルを交換時、オイルが抜けてこなかった車両。水が入り、中でグリスとオイルが固形化している可能性があります。このような状態のスクーターのギアボックスは意外に多いです。次第に、ゴロゴロと異音が発生してきます。

ブレーキフルードを入れると壊れるBMWのクラッチフルード

油圧クラッチには特殊なクラッチフルードが使われています。1150シリーズは確か専用のクラッチフルードです。1200はブレーキフルードかと思います。リザーバータンクキャップ上部に記載があるので確認しましょう。専用クラッチフルードにブレーキフルードを入れると、ゴム類を侵し、ブレーキフルードが漏れてくるので、クラッチラインをオーバーホールする必要があります。
青色なので、通常のブレーキフルードではないと気づくでしょう。

オイル漏れは対策しよう

六角穴のプラグからオイル漏れが発生しています。このように、オイル漏れが発生している場合は、ガスケットを新品に交換して指定トルクで締め付ければ直ります。オイル漏れの状態で走行すると、タイヤに付着して転倒する危険性があるのでオイル漏れは修理しましょう。もし、頻繁に漏れる場合は、液体ガスケットを塗布して指定トルクで締め付けましょう。

オイルフィルター交換時は、オイルを入れてから取り付け

オイルフィルターを交換する際、オイルを入れておかないとエンジン始動時、オイルフィルターにオイルが溜まる分、オイルが供給されない可能性があるので、オイルフィルターにオイルを入れてから取り付けましょう。地面に対して平行に取り付けるオイルフィルターは、取り付け時にオイルが下に垂れますので、下にオイル受けを置いて素早く取り付けましょう。
取り付け時、Oリングにオイルを塗布し、手で強く締め付けましょう。締め付け過ぎは、取り外し時にフィルターレンチでもナメる場合があり、その場合はオイルフィルタープライヤーを使い、力業で外す事になります。エンジンを始動させて、オイル漏れが無いか点検しましょう。

ギアボックスへのオイル注油方法

ギアオイルを注ぐ際、オイルフィラーキャップが車体に対して90度の位置に付いていて、漏斗を使えない場合があります。そんな時は、ボトルを用意して、その中にギアオイルを入れてボトルを押して注ぎます。ギアオイルの計量にはメスシリンダーを使用すると良いでしょう。大体の場合、車体を水平にして、規定量入れると溢れる位の位置にきます。

オイルはタイヤに付かないように注意

リアホイールのギアボックスオイル交換時、タイヤにオイルが付着しないようにウエスや段ボールなどで保護しましょう。オイルが付着したら、パーツクリーナーで洗浄した後ウエスで必ず拭って下さい。パーツクリーナーの成分も滑りやすいので、ウエスで拭う事を忘れずに。

シリンダー取り外し前に、冷却水を吸い取りましょう

スポイトを使い、シリンダーに溜まった冷却水を吸い取った後、シリンダーを外しましょう。シリンダーを抜く際に、クランクケース内部に冷却水が落ちるのを防ぐためです。

スパークプラグの簡単な交換時期の見極め

スパークプラグの六角頭部分が腐食や錆が発生しています。このような状態にあれば長期間交換されていない状態と判断し交換しましょう。くすぶっていたり、中心電極が丸まっていても交換です。

プラグレンチは組み合わせて取り外す

社外のプラグレンチを使用してスパークプラグを取り外す際、ユニバーサルジョイントエクステンション等組み合わせて脱着すると良いでしょう。使い易いように組み合わせてみて下さい。

BMWのクラッチフルード交換

BMWのクラッチフルード交換は、国産とは違い、シート右下位の位置にホースが伸びています。シート下側(左より)もあります。
クラッチフルード交換する際、ニップルを後から取り付けた後、ホースを取り付けてフルード交換を行います。ニップルは、手の力で回るのでメガネレンチを使い必要はありません。
専用のクラッチフルードが必要な車種と、ブレーキフルードで良い車種がありますので、良く確認してから交換しましょう。

プラグを外す前にエアブロー

スパークプラグを外す前にエアブローしましょう。画像のように、少し緩めてから、エアブローすると、シリンダヘッドとスパークプラグ間に挟まった異物も飛ばせます。入念にエアブローしましょう。
特に4サイクルエンジンで、プラグホールの中に小石や埃が大量に溜まっている車両があります。エンジンをOHすると、シリンダーの一部箇所に深い大きな縦傷が入っている場合や、ピストン・ピストンリングが欠損している場合があります。これは、小石が挟まって付けられたものと考えられます。2サイクルエンジンも同様の事例があります。スパークプラグは消耗品で、どなたでも簡単に交換出来るのでDIYで行う方も多いかと思いますが、エアブローしないエンジン内は傷だらけになる場合がありますので、要注意です。コンプレッサーが無い方は、パソコンの清掃に使うエアーダスター(100円均一で購入可能)でも良いと思います。

オイルに水が混入すると乳白色に

オイルフィラーキャップから水が入ったか、長期間、湿気の多い所で保管されるとこのようになる場合があります。70~80年代のエンジン内部の空間が大きく結露による影響が大きく冬眠から覚めるとオイルが乳白がかっていた場合もあると言われています。乳白色になったら、一度エンジンオイルか、フラッシングオイルを入れて清掃する事をお勧めします。オイルは出来っても、もう一度オイルをいれて抜くと新品オイルかと疑う程黒かったり、乳白色になって出てきます。速効性ではないフラッシングオイルがお勧めです。速効性はオイルラインを詰まらせる可能性があり逆にエンジンブローする可能性が高まります。ワコーズの「エンジンフラッシングオイル ウォータードレーンプラス」がお勧め。

ポートのカーボン

マフラーの取り付け側から、排気ポートを撮影した様子です。マフラーの入り口側は清掃したのですが、まだ奥にカーボンが付着している様子が見て取れます。
因みに、この時、キャブレタークリーナーを使用していたのですが、製品はニューテックです。カーボンが剥がれかかっています。効果は上々ですが、ヤマハのキャブレタークリーナーを使うと更に強力です。

吸気ポートの様子です。燃料を燃焼室に送る際にこのカーボンに燃料が吸い取られてスムーズに送り込むことが出来ません。定期的に添加剤で清掃しましょう。

バルブのカーボン

吸気バルブの傘にカーボンが堆積しています。吸気バルブに特に堆積しやすく更に堆積している車両もあります。これほど堆積していると除去したくなります。これらカーボンを手軽に除去してくれるケミカルがフューエルワンです。勿論、このようにエンジンOHしてカーボンを除去するに越したことはありませんが、費用が掛かるので通常はケミカルの使用がお勧めです。

一次圧縮漏れ

2サイクルエンジンの場合、コンプレッションゲージで圧縮を計測して正常でもそれは2次圧縮の圧縮圧力になります。エンジン不動の場合は、1次側のオイルシールが損傷していないか点検しましょう。
画像は、損傷したオイルシール、オイルが滲んでいるのが確認できます。

オイルレベルは、オイル窓と水平に見よう

上からオイル窓を見ると、一見UPPERとLOWERレベルの中間に位置しているように見えますが、実際はLOWERレベルです。なので、メンテナンススタンドを使用して車体を水平にしてから、オイル窓を水平にしてオイルレベルを点検しましょう。

プラグレンチは、ユニバーサルジョイントとエクステンションを一緒に使うと便利

ユニバーサルジョイントとは、プラグレンチとエクステンションの間に装着されている工具。クネクネと変形してくれるので、プラグホールにプラグレンチを入れ易くなります。
一番良いのは、車載工具のプラグレンチです。社外のように苦戦する事無くスムーズにプラグホール内に入るように作られています。
車載工具が変わっている場合もありますので、その際は純正部品でプラグレンチを注文すると良いでしょう。車載工具もメーカーに在庫があればとるのも良いでしょう。

プラグレンチを使用しても、プラグホールから外せない場合の対処法

プラグレンチに、スパークプラグをホールドする機能がないものがあります。基本純正プラグレンチには付いているかと思います。
プラグレンチでホールドできずに、プラグホールから取り出せない事があります。そんな際は、テトロンホースを碍子にハメて取り外します。
コツとしては、スパークプラグを一旦軽く締めるとプラグホールで遊ばないので外し易いです。プラグホールでプラグが遊ぶとプラグホールに残っている小石等がエンジン内に入り込む可能性がありエンジンを損傷させる可能性があります。

テトロンホースは、ホームセンターに行ってプラグを持ち込んでのサイズを合わせてから購入すると良いでしょう。経験上ですが、碍子の部分は大体同じ大きさかと思います。

ニップルの根元からフルード漏れをするので要注意

ブレーキフルードやクラッチフルード交換時、ニップル内部・ねじ山部・レリーズ周辺をパーツクリーナーで清掃しましょう。
ニップルのねじ山からフルードが上がる場合があるので、ブレーキフルード交換10分後位に再度点検して漏れている場合はパーツクリーナーで清掃しましょう。放置すると塗装剝げの可能性がありますので十分注意しましょう。

オイル上がり・下がりの点検

スパークプラグにオイルが付着していると、オイル上がりが下がりの可能性があります。オイル上がりとは、クランクケース内のオイルがピストンの隙間を通って燃焼室に上がる事です。オイル下がりとは、バルブを潤滑するシールが広がって燃焼室に下がる事です。
多くの場合は、オイル下がりです。経験上約15年経過、もしくは走行距離3万キロ~過ぎている車両は発生してくるかと思います。

オイル上がりは、オイル交換・スパークプラグ交換をしていれば7万キロ位は持つかと思います。10万キロでもクリアランスは許容値に入っているだろうと言われています。

ドレンキャップのOリングにはオイルを塗布して取り付け

ドレンキャップを取り付け時、Oリングが千切れる可能性があるので、Oリングにオイルを塗布して取り付けましょう。オイルフィルターのOリング、オイルフィラーキャップのOリングも同様です。

圧縮圧力の測定

エンジンが動かない原因は大きく3つしかありません。点火系不良、圧縮系不良、燃料系不良。
圧縮系不良は、一番確率は低いです。一番は燃料系、次に点火系、圧縮系と続きます。

オイルはマフラーに付着しないようウエスで保護

マフラーにオイルが付着した場合、鉄マフラーには中性洗剤で洗いましょう。パーツクリーナーを使用すると跡が残る場合があります。
なるべく、マフラーにオイルが付着しないようウエスで覆い保護しましょう。

エンジンOH時、燃焼室の汚れを除去する

燃焼室にカーボンが堆積しています。各バルブの中心に多く堆積しているのが確認できます。画像はまだ除去途中。
除去方法は、カップブラシを電動ドリルやエアーに取り付けて、清掃します。コーティングが剥がれるのが嫌という方は、キャブクリーナー等で除去すると良いでしょうが、時間は掛かります。

クリップが無い箇所には液体ガスケットで対応

2サイクルエンジンオイルのリザーバータンク。ホースクリップが取り付けられておらず、オイル漏れが発生していたので耐油性の液体ガスケットを塗布しました。社外でホースバンドを購入して取り付けるのも良いかもしれません。

ワイヤー先端のタイコにもグリスアップ

タイコは可動部です。可動部は基本グリスアップして抵抗を減らす事でフィーリングアップにつながります。ワイヤーの潤滑だけでなく、タイコのグリスアップもお勧めです。多く塗布すると汚れが付着する可能性があるので、薄くで構いません。

クラッチアームがシャフトから外れない場合の対処法

クラッチアームの割り締めのスリットをドライバーで少し広げると外し易くなります。

 

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