電装系の整備小技集
バッテリーへ繋がっている見知らぬ配線は撮影
バッテリーへ繋がっている配線は、基本的にプラス・マイナスに一本ずつです。
しかし、ツーリング用にETCを付けたり、スマホの充電を付けたりと配線が多くなっている車両があります。配線にプラスなら赤色・マイナスなら黒色と付いていればよいのですが、プラスなのに黒色の配線が使われていたりと、適当に付けられている場合があります。
取り付け時に間違えないように、撮影しておくと良いでしょう。
IGキーONにしたら速やかにエンジン始動
IGキーをONして、20~30秒してからエンジン始動していませんか?IGキーをONにすると灯火類が作動し、毎回それを繰り返す車両は、経験上バッテリーの消耗が早い傾向にあると感じております。
画像は、BMWのブレーキフルード交換する際、IGキーをONにして行うのですが、満充電で12.90V(充電後2日置いた電圧)ありましたが、ブレーキフルード交換後、12.67Vにまで下がっていました。
充電状態は、17%下がっていました。IGキーONの時間は約10分です。
12.90V:充電状態93%
12.67V:充電状態76%
エンジンを始動すればバッテリーは充電されますが、それでも、消耗は早いように感じますので、IGキーONにしたら速やかにエンジン始動が良いと思います。
バッテリーの電解液は衣服を溶かすので要注意
バッテリーの電解液をバッテリーに注ぐ際に、電解液が飛んで手袋に付着してしまいました。手袋は電解液の掛かった部分から徐々に溶け始めて画像のように大きな穴が開きました。電解液は硫酸ですので、肌に触れた場合は速やかに洗い流しましょう。また、服にふれても溶けてしまうので、知らない間に服に穴が開いているなんてこともあるかもしれません。取り扱いには十分注意しましょう。
バッテリー上がり対策のお役立ち携帯用品
バッテリーが上がってしまったら、他の12Vのバッテリーをジャンパー線でプラス同士・マイナス同士を接続するとエンジンを掛けれる状態にする事ができます。
自宅でバッテリーが上がれば、バッテリー充電器を使用すればよいですが、もし出先でバッテリーが上がってしまったらインジェクション車は押し掛けでもエンジンを掛ける事が困難です。電装パーツを作動させる為に一定の電気が必要になりますが、それが押し掛けでは確保できない為です。インジェクション車に限らず、キャブレター車でも、セルは回るのに燃料ポンプが作動せず掛からない事もありました。そんな時、スマホ充電にも使えて、バッテリーが上がった時にも一時的に始動できるモバイルバッテリーがあります。ロードサービスを使うより、モバイルバッテリーを携帯しておく方が便利かと思います。
プラグキャップ装着時、手ごたえが無い場合はスプリングが外れている場合有り
画像をご覧頂くと、スプリングがあるものと、無いものの違いが分かるかと思います。スプリングは、スパークリングの頭のナットに引っかかります。
スプリングが無いと容易に外れてしまいます。
一応、接触していれば電気は流れるのでエンジンは動作しますが、もし大きな段差の衝撃でプラグキャップがスパークリングから離れた途端、その気筒は機能しなくなります。純正のプラグキャップはフィット感が悪く(整備性が良いとも言う)外れやすいので、スプリングが飛んでいる場合は交換した方が良いでしょう。もし純正が廃盤の場合はNGKから汎用プラグキャップがラインナップされていますので、純正の形状と見比べて、合うものを購入すると良いでしょう。黒もあります。
飛び石等によるレンズの割れ
一見、なにも問題無いように思えますが、ウインカーレンズが割れています。原因は調べていなかったのですが、擦ったか、飛び石によるものと考えられます。
画像のウインカーレンズはとても綺麗な状態なので、損傷している事が珍しいのですが、転倒した車両はこのように割れている場合が有ります。車検時に点検すると良いでしょう。
割れていると、そこから水が入って電球が切れたり、接点が錆びて導通不良になったり、ウインカーレンズが錆で外れなくなる場合があります。
バッテリーに電解液が入っているか点検
UPPERレベルまで電解液が入っているか点検しましょう。もし、電解液が減っている場合は、蒸留水をUPPERレベルまで補充しましょう。
電解液は硫酸と蒸留水を混合したものです。蒸発するのは、蒸留水なので蒸留水を補充しましょう。
水温計が動作していない場合は、水温計点検
水温センサーに繋がってるカプラーを外します。サーモスタットハウジングに刺さっているかと思います。あとは、ジャンパー線をカプラーに取り付けて準備完了。
IGキーを回して、アースにショートさせます。すると、計器が動きます。動いたら直ぐにアースから離してください。計器等が故障する可能性があります。
計器が動作すれば、計器とサーモスタットまでの配線は正常。
原因は他にあります。サーモスタットの故障か、センサーの故障でしょうか。
サーモスタットの方が故障し易いので、まずはサーモスタットを点検を行う方が良いでしょう。
珍しいスパークプラグ
BMWのR12000RTのスパークプラグ。国産のスパークプラグには使われていない品番。「MAR8JDS」。白い部分の碍子にヒダが無くツルっとしていて新鮮です。
このような珍しい品番のスパークプラグは高価です。本品は希望小売価格は2,000円/本は超えていたかと思います。
スノーモービル ski-doo SUMMIT(一部車種)のスパークプラグです。レーザープラチナスパークプラグで、レーザー溶接されたプラチナ中心電極先端で、加速が迅速でプラチナディスクに溶接された地面の裏面に電極が長寿命というメリットがあります。どうやら、スポーツモデルの車にも採用されているようです。シビックやゴルフなど。こちらは、希望小売価格は1本3000円以上したかと思います。♦のマークがはいっていますね。
スパークプラグの簡単な交換時期の見極め
スパークプラグの六角頭部分が腐食や錆が発生しています。このような状態にあれば長期間交換されていない状態と判断し交換しましょう。くすぶっていたり、中心電極が丸まっていても交換です。
プラグレンチは状況に応じて組み合わせて取り外す
社外のプラグレンチを使用してスパークプラグを取り外す際、ユニバーサルジョイントエクステンション等組み合わせて脱着すると良いでしょう。使い易いように組み合わせてみて下さい。
配線の被覆の劣化
配線の被覆が劣化して、内部の電線が露出しています。この時、セルが回らず、稀にセルモーターが回るような症状でした。なので、断線しかかっていると考え配線を点検してみると、イグニッションキーに繋がる配線がこのような状態でした。これでは、ショートする可能性があるので配線を交換します。画像は、除雪機のものですが、バイクも要チェックです。
車庫で保管していて、エンジンを始動させてから出そうとステアリングを切ったら配線が切れてエンジンが掛からなくなったという事例もあります。紫外線対策も重要です。
スパークプラグを外す前に必ずエアブロー
スパークプラグを外す前に必ずエアブローしましょう。画像のように、少し緩めてから、エアブローすると、シリンダヘッドとスパークプラグ間に挟まった異物も飛ばせます。入念にエアブローしましょう。
特に4サイクルエンジンで、プラグホールの中に小石や埃が大量に溜まっている車両があります。エンジンをOHすると、シリンダーの一部箇所に深い大きな縦傷が入っている場合や、ピストン・ピストンリングが欠損している場合があります。これは、小石が挟まって付けられたものと考えられます。2サイクルエンジンも同様の事例があります。スパークプラグは消耗品で、どなたでも簡単に交換出来るのでDIYで行う方も多いかと思いますが、エアブローしないエンジン内は傷だらけになる場合がありますので、要注意です。コンプレッサーが無い方は、パソコンの清掃に使うエアーダスター(100円均一で購入可能)でも良いと思います。
自作昇圧回路
エンジン回転数により、イグニッションコイル一次側の電圧は約12~15V間で変化します。回転数を上げれば電圧が上がります。
そこで、低回転時から常に15Vで一次側に安定して供給出来れば、低回転時のトルクが向上するという考えから昇圧回路を作りました。レギュレーターが作動する上限で電圧を設定します。設定は、青い矢印のついたダイヤルを回し、抵抗値を変えて出力する電圧を決めます。電圧を上げ過ぎるとイグニッションコイルがパンクするので注意です。
結果は、低回転時のトルクが向上しました。イリジウムプラグに変えた位の変わりようです。
※学生時代に趣味で作ったものです。回路をみて作って頂いても結構ですが、それによる故障に関しては対応出来ませんのでご了承下さい。
ダイレクトイグニッションコイル
最近のバイクは、プラグケーブルが無く、プラグキャップにイグニッションコイルが埋め込まれているダイレクトイグニッションコイルが主流です。
イグニッションコイル・プラグキャップの2つの役割を担っているので、故障すれば部品代は2つ分購入するのと同じなので多少高価です。
ダイレクトイグニッションのプラグキャップを外すのは、通常のプラグキャップよりフィッティングが良く、最近のバイクは整備するスペースが狭いので外し難いです。誤ってカプラーの接続部分を破損させないよう脱着には注意しましょう。
プラグレンチは、ユニバーサルジョイントとエクステンションを一緒に使うと便利
ユニバーサルジョイントとは、プラグレンチとエクステンションの間に装着されている工具。クネクネと変形してくれるので、プラグホールにプラグレンチを入れ易くなります。
一番良いのは、車載工具のプラグレンチです。社外のように苦戦する事無くスムーズにプラグホール内に入るように作られています。純正プラグレンチと、ラチェットメガネレンチの組み合わせが最も外し易いです。
車載工具が変わっている場合もありますので、その際は純正部品でプラグレンチを注文すると良いでしょう。車載工具ASSYもメーカーに在庫があればとると良いでしょう。
プラグレンチを使用しても、プラグホールから外せない場合の対処法
プラグレンチに、スパークプラグをホールドする機能がないものがあります。基本純正プラグレンチには付いているかと思います。
プラグレンチでホールドできずに、プラグホールから取り出せない事があります。そんな際は、テトロンホースを碍子にハメて取り外します。
コツとしては、スパークプラグを一旦軽く締めるとプラグホールで遊ばないので外し易いです。プラグホールでプラグが遊ぶとプラグホールに残っている小石等がエンジン内に入り込む可能性がありエンジンを損傷させる可能性があります。
テトロンホースは、ホームセンターに行ってプラグを持ち込んでのサイズを合わせてから購入すると良いでしょう。経験上ですが、碍子の部分は大体同じ大きさかと思います。
オイル上がり・下がりは、スパークプラグのオイルを見るの点検
スパークプラグにオイルが付着していると、オイル上がりが下がりの可能性があります。オイル上がりとは、クランクケース内のオイルがピストンの隙間を通って燃焼室に上がる事です。オイル下がりとは、バルブを潤滑するシールが広がって燃焼室に下がる事です。
多くの場合は、オイル下がりです。経験上約15年経過、もしくは走行距離3万キロ~過ぎている車両は発生してくるかと思います。
オイル上がりは、オイル交換・スパークプラグ交換をしていれば7万キロ位は持つかと思います。10万キロでもクリアランスは許容値に入っているだろうと言われています。
※画像は、シリンダーヘッドカバーガスケットからオイル漏れが発生してプラグホールに溜まって、外す際にねじ山に付着したものです。オイル下がり・上がりの場合、スパークプラグ先端がオイルでウェットになっております。画像撮影でき次第、アップします。
放置車両は虫がいることも
虫がヒューズケース内に入り込んで巣を作っているようです。野ざらしの放置車両はこのような事があるので、なるべく室内保管が望ましいですね。
ECU付近のアースのワイヤリングは要注意
ECU付近にアース線が繋がれている場合があります。そのアース線は、アースであればどこでも良いわけでは無くECUの取り付けボルト付近に取り付けないとECUが正常に機能しない場合があります。
エンジン載せ替え等でエンジンが掛からない場合は、ECUのアース線が原因の可能性があります。
また、ECUを交換した際は、イグニッションキーとメーター等と診断器でセッティングしないとセルモーター自体が回らずエンジンが掛からない車種もあります。外車に多いかとおもいますが、国産も今後はそのような車種が多くなってくるはずです。
電気テスターが入らない箇所は、配線チェックツールを使用する
テスターが使用できない場面では、配線チェックツールを使用します。先端はニードル(針)になっており、配線に挿して内部の銅線に接触させて使用します。画像は、キルスイッチテスト時の様子。
軽量・長持ちのリチウムイオンバッテリー
リチウムイオンバッテリーは、とても軽量です。ショーライのバッテリーは、従来の5分の1程度の重量です。小指でも持ち上げれるほど軽いので、旋回性能の向上も期待できるでしょう。
また、放電しずらいです。リチウムイオンバッテリーを車検でバッテリー点検しても充電せずとも13V以上をキープしているバッテリーが多いです。基本ショーライでは充電しなくてよいメンテナンスフリーと謡っております。
ナットは端子と一体になっているので、取り付けし易いのが有難いです。
灯火類のレンズ割れは要交換
テールランプレンズやウインカーレンズが割れている場合は交換しましょう。内部に水が入り、接点不良が発生したり、後続車から追突される危険性があります。
イグニッションコイルのアース箇所を点検
イグニッションコイルのカース箇所が錆ているのが確認できます。このサビが導通不良を引き起こし失火が発生する場合があります。錆は真鍮ブラシで磨いて、接点復活剤のウェットタイプや、接点グリスを塗布しておくと良いでしょう。
エレクトロタップの使用は控えよう
エレクトロタップは点接点なので雨等で腐食して重要なパーツ(ETC等)が不具合になって正常に機能しなくなる可能性がありますので使用は控えましょう。
最も安定して電気を供給できるのは、はんだ付けなのでETCの配線ははんだ付けがお勧めです。
バッテリーの電解液の取り扱いは要注意
紙ウエスに電解液が付着した様子です。穴が開いており、持つと繊維が崩れます。布に付着しても穴が開きます。
肌に付着したら洗い流して下さい。
電球が黒くなっていれば交換
電球内が黒くなっている場合、電球内のガスが燃えている事になるので交換です。
また、フィラメントが画像のように切れている場合も交換です。フィラメントは切れていないようで切れている場合があるのでテスターでチェックすると良いでしょう。バイクのヘッドライトバルブ交換方法でバルブの点検方法を解説しております。
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