ブレーキペダルフィーリング向上方法
ブレーキペダルのフィーリングを向上させるには可動部の清掃・グリスアップを行います。
普段分解する箇所では無いので可動部のグリスの効力は低下しています。
各可動部にグリスを塗布する事で本来の状態に戻り、ライディングが一層楽しくなる事でしょう。
今回はブレーキペダルのフィーリング向上方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。
整備情報
- 時間: 約30分
- 費用: 無料
- ショップ工賃: 約2,500円
- 難易度: ★★☆☆☆
作業手順
1.ブレーキペダル取り外し
ステップホルダーの固定ボルトを取り外しましょう。
ブレーキマスターの固定ボルトを取り外しましょう。
参考車両の場合はヒールガードとブレーキマスターが一緒に取り付けられています。
リアブレーキランプスイッチを取り外しましょう。
リアブレーキランプスイッチはスプリングでブレーキペダルに繋がっているのでスプリングを引っ張って取り外しましょう。
ステップホルダーからリアブレーキランプスイッチを上に引き抜いて取り外しましょう。
スプリングは紛失しないようにリアブレーキランプスイッチから取り外して保管しておきましょう。
ブレーキマスターの割りピンを取り外していきましょう。
割りピンをペンチで真っすぐにした後、割りピンの足とピポットピンを挟むように押し出すと容易に外れます。
割りピンは再利用できないのでホームセンターで購入しましょう。
ピポットピンを押して取り外しましょう。
ステップホルダーが外れました。
ステップホルダーとブレーキペダルにスプリングが取り付けられているので取り外しましょう。
このスプリングはブレーキペダルを踏んだ際に戻す役割があります。
ステップホルダーをウエスで覆ってバイスに固定しましょう。
バイスが無い場合は地面にウエスを敷いて作業しましょう。
ステップバーの固定ボルトをスピンナハンドルで取り外しましょう。
ボルトの頭が低い場合はナメ易いので、スピンナハンドルを押し付けて慎重に緩めましょう。
ボルトが外れました。ネジの先端に塗布されている青い部分が純正で塗布されている固形のネジロック剤です。
ワッシャーが入っているかと思うので紛失しないように保管しましょう。
その他、ブレーキペダル・ステップバー・ステップホルダーが分離します。
2.清掃・注油
ステップホルダーをパーツクリーナーとブラシで清掃しましょう。
固着した汚れがある場合は配線ドライバーやマイナスドライバーで除去すると良いでしょう。
ブレーキペダルをパーツクリーナーとブラシで清掃しましょう。
ステップバーをパーツクリーナーとブラシで清掃しましょう。
ステップバーのネジ山にはネジロック剤が塗布されているのでタップ・ダイスを使い清掃しましょう。
ネジ山には浸透潤滑剤を塗布してからタップ・ダイスを使用して下さい。
詳しくは、タップ・ダイスの使い方をご覧下さい。
尚、固定ボルトに錆・曲がり・劣化している場合は交換しましょう。
ステップバーにRピンが使用されている場合は割りピンに交換しましょう。
Rピンを使用するとライダーのパンツの裾に当たってピンが抜けてステップバーが外れる危険性があるので純正通り割りピンを使用しましょう。
割りピンはホームセンターでも購入できるかと思います。
ワッシャーをパーツクリーナーとウエスで清掃した後、万能グリスをワッシャー両面に薄く塗布しましょう。
ステップバーの可動部に万能グリスを塗布しましょう。
ブレーキペダルの可動部に万能グリスを塗布しましょう。
はみ出たグリスはウエスで拭き取りましょう。
ピポットピンをパーツクリーナーとウエスで清掃した後、万能グリスを薄く塗布しましょう。
段付き摩耗がある場合はパーツを取り寄せて交換しましょう。
3.ブレーキペダル取り付け
ステップバー固定ボルトにネジロック剤を塗布しましょう。
詳しくは、ネジロック剤の使い方をご覧下さい。
新品ボルトを使用する場合、純正で固形のネジロック剤が塗布されている場合は再度ネジロック剤を塗布する必要はありません。
ステップバーにブレーキペダルを挿入しましょう。
ワッシャーを取り付けましょう。
ステップホルダーを取り付けた後、ネジロック剤を塗布した固定ボルトを仮止めしましょう。
切り欠きがある場合はステップバーとステップホルダーの切り欠きを合わせて下さい。
ステップホルダーをウエスで覆ってバイスに固定しましょう。
固定ボルトを指定トルクで締め付けましょう。
トルクレンチは持ち手の中心線を軸に片手で垂直に力を加えます。
詳しくは、トルクレンチの使い方をご覧下さい。
ブレーキマスターをパーツクリーナーと綿棒で清掃しましょう。
ブレーキマスターの可動部に万能グリスを薄く塗布しましょう。
ブレーキペダルとブレーキマスターが擦れて摩耗し段(肉薄になる)がついていくので薄くグリスを塗布しましょう。
ブレーキマスターとブレーキペダルにピポットピンを挿入しましょう。
新品の割りピンを挿入した後、割りピンの足をしっかり曲げて脱落しないように取り付けましょう。
ブレーキペダルとステップホルダーにスプリングを取り付けましょう。
リアブレーキランプスイッチをステップホルダーに取り付けましょう。
ステップホルダーの固定ボルトと雌ネジにはタップ・ダイスを掛けた後、ステップホルダーを車体に仮止めしましょう。
雌ネジには浸透潤滑剤を塗布してからタップ・ダイスを使用しましょう。
詳しくは、タップ・ダイスの使い方をご覧下さい。
ステップホルダーにリアマスターシリンダーを仮止めしましょう。
ステップホルダー固定ボルトを指定トルクで締め付けましょう。
リアマスター固定ボルトを指定トルクで締め付けましょう。
リアブレーキランプの点灯時期の確認を行いましょう。
リアブレーキランプスイッチのダイヤルを変更しない限り点灯時期は変わりませんがもし変わっているようなら調整を行いましょう。
詳しくは、ブレーキランプ調整方法をご覧下さい。
まとめ
- ブレーキペダル取り外し後、可動部(ブレーキペダル・ステップバー・ワッシャー)に万能グリスを塗布する。
- ブレーキペダル取り付け時、ブレーキマスターとブレーキペダルのピポットピンの割りピンは新品を使う。
- ブレーキペダル取り付け時、ステップバー固定ボルトは新品、もしくは既存のボルトにネジロック剤を塗布する。
※既存のボルトが痛んでいる場合は使用せず新品ボルトを使用すること。本来、新品交換です。 - ブレーキペダル取り付け後、ブレーキランプの調整を行う。
Q&A
- ステップバー固定ボルトがナメ掛かってしまったのですが、どうすれば良いでしょう。エアインパクトを使ったら緩みますか?
- ナメかかったら六角ソケットを使用すると良いでしょう。ソケットには12角と6角の製品があり、12角でナメても6角で慎重に回せば接触面積が多いので外れる場合があります。
インパクト(エアー・電動)系は症状を悪化させる可能性があるので使用は控えましょう。
もし、完全にナメた場合はドリルでボルト頭中心に穴を貫通させてから逆タップ(エキストラクター)で回すと外れます。
ネジロック剤が塗布されていてもドリルの熱でネジロック剤の効力は落ちるので心配要りません。
貫通させない状態で逆タップしてもボルトの救出の成功率は大きく下がるので必ず貫通させて下さい。
バイクショップに依頼する場合、引き受けてくれるショップと引き受けてくれないショップがあります。依頼する場合は何件か周ってみると良いでしょう。
- ナメかかったら六角ソケットを使用すると良いでしょう。ソケットには12角と6角の製品があり、12角でナメても6角で慎重に回せば接触面積が多いので外れる場合があります。
- ブレーキマスターを車体から取り外した際にブレーキマスターのピストンが脱落する可能性って無いんですか?油圧クラッチのピストンとかって脱落するって聞いたんでブレーキマスターは大丈夫なんですかね?
- ブレーキマスターを取り外すだけではピストンは脱落はしませんのでご安心下さい。油圧クラッチのピストンは、おそらくエンジン側のリレーズシリンダーの事だと思います。リレーズシリンダーのピストンは確かに脱落する可能性はあります。今回は、マスター側なので問題ありません。
- 同様にチェンジペダル側も行えば、チェンジペダルのフィーリングもよくなりますか?
- はい、おっしゃる通りです。シフトペダルフィーリング向上方法の記事がチェンジペダルのグリスアップに該当します。
- ブレーキペダルとステップホルダーのスプリングの張りが強くてうまく取り外せません。外すコツがあれば教えて下さい。
- プライヤーでスプリングを強めに引っ張れば外れるかと思います。それでも外れない場合は、手袋をした後マイナスドライバーを割り込ませて取り外してみましょう。スプリング外しの専用工具もあります。
- ステップバーが元からRピンだったのですが、割りピンに交換した方が良いでしょうか?
- パーツリストを見てRピンが純正で使用されているのならそのまま使用しましょう。前オーナーがRピンに交換した可能性があります。
- ステップホルダーが汚いので塗装しようと思うのですが、DIYで出来ますか?
- DIYで出来ます。こちらの記事が参考になります。
クオリティを高く塗装したいのなら業者に依頼するのも良いでしょう。ステップホルダー左右2個で1万円もしないのではないかと思います。
- DIYで出来ます。こちらの記事が参考になります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません