[故障診断と対策事例]ブレーキレバーを握ってもブレーキが効かない
目次
車両
YAMAHA SRX250
症状
ブレーキレバーを握っても感触が固く、ブレーキが効かず取り回しが重い。
考察
ブレーキキャリパーピストンの固着
ブレーキキャリパーの内部には、ダストシール・オイルシールが取り付けられています。
ブレーキキャリパーと各シール間、ピストンと各シール間にホコリ等の異物が入り込んでしまい、その異物がクリアランスを狭めていくことでキャリパーピストンの抵抗になりブレーキキャリパーが固着します。
画像を見る限り、キャリパーピストンは固着していそうです。
ブレーキマスターシリンダーの固着
ブレーキマスターシリンダーが、錆や腐食で固着している場合があります。
特に排気量250cc未満の車両は、車検が無いのでブレーキフルード交換しない車両があり、経年とともに腐食・錆が発生して、ブレーキマスターシリンダーの固着が発生します。
ブレーキマスターピストンの凹みにブレーキレバーが突っかかる
ブレーキレバーとブレーキマスターピストンの接触する事により、ブレーキマスターピストンが削れて穴が開くように凹みます。その凹みにブレーキレバーが突っかかり動きが渋くなります。
ブレーキレバーは、マスターピストンを垂直に力を加える訳ではありません。なぜなら、ブレーキレバーは弧を描いて動く為です。
画像が無いのでイメージしずらいですが、ブレーキマスターピストンに凹みがある場合は、ブレーキマスターピストンの交換をお勧めします。
原因
ブレーキマスターピストンの錆による固着と、ブレーキキャリパーピストンの固着でした。
原因が2つ同時に発生するケースは珍しいですが、長期保管していたとの事なので納得です。
対策
ブレーキキャリパーと、ブレーキマスターのオーバーホールを行いました。
ブレーキキャリパーのオーバーホール
ブレーキフルードを抜いてブレーキラインの清掃した後、ブレーキキャリパーピストン・オイルシール・ダストシールを交換しました。
ブレーキマスターのオーバーホール
ブレーキマスターシリンダー内のサビを清掃して、マスターピストン・オイルシール・ダストシールを交換しました。
まとめ
- 症状:ブレーキレバーを握っても感触が固く、ブレーキが効かず取り回しが重い。
- 原因:ブレーキマスターピストンの固着と、ブレーキキャリパーピストンの固着。
- 対策:ブレーキキャリパーと、ブレーキマスターのシール類・ピストン交換、錆・腐食の除去を実施。
小ネタ
今回の参考車両であるYAMAHA SRX250は、単気筒ですがキャブレター・マフラーが2つ装着されている特殊なバイクです。
低中回転側・高回転側でキャブレターが分かれています。
今の250ccのバイクと比べると、非常にパワフルです。低回転も街中を走るには十分なトルクがあります。
高回転もある回転数以上になると高回転用のキャブ作動する事により2サイクルエンジンのパワーバンドのように切り替わりが分かり高回転で回してもトルクがあるので峠道でも面白いだろうと感じました。
結構、マイナー?で価格も手ごろなのでセカンドバイクにはピッタリの1台だと思います。
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