ブレーキキャリパーとは
バイクは、『走る・曲がる・止まる』の大きな動作に分かれます。
上記3つの中で、ブレーキは『止まる』動作を行う最も重要な装置です。
今回は、ブレーキキャリパーとは何なのか?その役割を知ったうえで、各種ブレーキキャリパーの特徴や制動力・費用別に解説していきます。
加えて走行場面に応じて最適なキャリパーをご紹介します。
是非、参考にして頂きたい。
ブレーキキャリパーとは
ブレーキキャリパーは、ブレーキパッドをブレーキディスクに押し付ける役割をもつパーツです。
ブレーキパッドとブレーキディスクが押し付けられることで、摩擦力が発生します。
その摩擦力を熱に変える事で、ブレーキが効く仕組みです。
ブレーキキャリパーの構造4種
ブレーキキャリパーの構造は4種類あります。
- フローティングキャリパー
- 対抗ピストンキャリパー
- 2ピースキャリパー
- 1ピースキャリパー(モノブロックキャリパー)
1. フローティングキャリパー
フローティングキャリパーの特徴
- キャリパーピストンがキャリパーの片側しか装着されていないキャリパー。
- 別名、片押しキャリパー。
- 2ポットタイプが主流。
- キャリパーピストンが装着されている片側から押し付けるようにブレーキパッドに力が加わる。
- 構造上、編摩耗しやすいキャリパーである。
- キャリパーピストン側のブレーキパッドが早く摩耗しやすい。
※ポットとは、キャリパーピストンを指します。上記画像の場合、キャリパーピストンが2つなので2ポットのキャリパー。
制動力
ブレーキキャリパーの中で最も制動力が低い。
『フローティングキャリパー<2ピースキャリパー(鋳造)<1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)<2ピース削り出しキャリパー(鍛造)<1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)』
参考価格
約19,000円
※1キャリパー分の価格。日清2ポット。
2. 対抗ピストンキャリパー
2ピースキャリパーの特徴
- キャリパーピストンが向き合う(対抗)ように配置されている。
- 別名、両押しキャリパー。
- 4ポットタイプが主流。
- 2ピースとは、2つのピース(部品)から組み立てられている意味。
- 下記画像の4本のボルトを外すと、真ん中から2つに分割する。
1. 2ピースキャリパー(鋳造)
- 鋳造:溶かした金属を型に流し込み固まった後、型から取り出す加工法。
- メリット:安価
- デメリット:金属内に空気が入りやすくなり、変形しやすくなる。
制動力
フローティングキャリパーと比較すると、制動力は各段に良い。
『フローティングキャリパー<2ピースキャリパー(鋳造)<1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)<2ピース削り出しキャリパー(鍛造)<1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)』
参考価格
約18,000円
※1キャリパー分の価格。ブレンボ4ポット。
2. 2ピース削り出しキャリパー(鍛造)
- 鍛造:金属を型に流し込んで、ハンマーで叩いて形成する加工法。
- メリット:軽量・高剛性
- デメリット:高価
制動力
フローティングキャリパー<2ピースキャリパー(鋳造)<1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)<2ピース削り出しキャリパー(鍛造)<1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)
ブレンボ市販製品の中で、一番高性能な位置付けにあります。
参考価格
約126,900円
※1キャリパー分の価格。ブレンボ4ポット。
2. 1ピースキャリパー(モノブロックキャリパー)
1ピースキャリパーの特徴
- モノブロックの「モノ」とは、一体型という意味。
- 継ぎ目がない一体型キャリパー。
- 加工に手間がかかる為、コストが高い。
- 剛性が高く耐久性に優れている。
- 2ピースに比べ、軽い
1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)
制動力
フローティングキャリパー<2ピースキャリパー(鋳造)<1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)<2ピース削り出しキャリパー(鍛造)<1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)
参考価格
約65,000円
※1キャリパー分の価格。ブレンボ4ポット。
1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)
- レース目的に使用。
- 非常に高価で市販されている製品は少ない。
- 市販車でも一部CBR1000RR・GSX-R1000・ducati 1199パニガーレ等に装着されている模様。
制動力
フローティングキャリパー<2ピースキャリパー(鋳造)<1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)<2ピース削り出しキャリパー(鍛造)<1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)
レース用ブレーキキャリパー。
参考価格
約151,308円
※1キャリパー分の価格。ブレンボ4ポット。
走行場面別お勧めキャリパー
- ツーリング使用が目的なら、コストパフォーマンスが良い2ピースキャリパー(鋳造)がお勧め
- ワイディング・レース使用が目的なら、1ピースモノブロックキャリパー(鋳造)がお勧め
- レース使用が目的なら、2ピース削り出しキャリパー(鍛造)お勧め
- 常時レースなら、1ピース削り出しモノブロックキャリパー(鍛造)お勧め
- ドレスアップ目的なら、お好きなブレーキキャリパー
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